国宝の屏風を見に根津美術館へ。
「燕子花図屏風」と「紅白梅図屏風」
尾形光琳の華やかさは、中学の美術の教科書でも感じていま
したが、今回はじめて実物を見ました。
パンフレットの写真では、屏風の枠が写っていませんので、
一枚の横長の絵のように見えますが、
どれも真ん中で切れていて、二つ一組の屏風です。
実際は10センチ近い黒っぽい枠がついています。
「紅白梅図屏風」の中央の川はかなりの面積を占めていま
すが、その真ん中を分断するかのようにここで切れていて、
双方の屏風の枠があるので繋ぎ目が20センチ近く離れて
います。この枠ちょっと邪魔な感じがします。
そうか、こういうものだったのか、実物は。
でも、頭の中でその枠は無いことにし、絵をつなげて
見るようにすると邪魔ではなくなります。
そうだ、歌舞伎や日本舞踊や文楽の黒子と同じだな。
(ちなみに黒子はクロゴが正しい読みであると、伝統芸能の
渡邊守章先生に以前教えて頂きました)
黒子は、見えているけど存在しないことにする、ある種の約束
ごと。日本独自の美意識かもしれない。
それにしても「紅白梅図屏風」は、熱海のMOA美術館がオープ
ンした頃の夏に行って、ここで所蔵していることを知り少し意外
でした。熱海は梅園も有名だからかな?
年一回、梅の時期に公開されるとわかり、今年こそは、
梅の時期に行って見てやろう、と毎年思っていてまだ実現して
いなかったのです。
今回は国宝二つが一緒に展示されていて、圧巻でした。
やはり唯一無二の実物は、美しかった。
ただ、土日はかなり人が多くて、一歩下がって見ようとしたら、
すぐ後ろに人がいて足を踏んでしまったり、でした。