「ふみの時」神野文子(じんのふみこ)のブログです。

朗読家・声優・ナレーター・朗読教室主宰・大学非常勤講師・パフォーマンスインストラクターの神野文子の最新情報など。

ロダンと梅一輪

2011-01-14 | Weblog

 

 

前回紹介した東京国立博物館に行ったとき、手前にある、西洋美術館の庭を通り抜けて行きました。この庭には、ロダンの「考える人」があります。これは、ロダンの良き協力者であったアンリ・ルボセの手によって1881–82年の原型に基づいて拡大されたものです。原型はもっと小さい。他にも、カレーの市民、地獄の門などがどっしりとブロンズの存在感。晴れて気持ちのいい午後で、写真を撮っている人もちらほらいました。そして、梅の花が咲いていました。

    梅一輪 一輪ほどの暖かさ      服部嵐雪

梅が一輪咲いて、ほんのすこーしだけ暖かく感じる、それはかすかな暖かさ、あの、焼き物に使う七輪に比べたら足元にも及ばない、わずか一輪ほどの暖かさである、という意味だと中学生の頃教わった。なんていい句だろう。梅の花から伝わる暖かさが微かなことと、七輪とを比べる感性、おしゃれです。以来この時期、梅の咲き始めには決まって思い出す一句です。

そうそう、この国立西洋美術館を世界遺産に登録しようと、地元を中心にがんばっているようです。のぼりが立っていました。収蔵物は素晴らしいものばかりですので、世界の宝の一部かも知れません。


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