Peanut scale.....fly above the rest!

伝説のピーナッツ・スケール
原始的?もしかしてハイテク?な、ゴム動力スケールモデル

Farewell Bill Hannan No.2

2021-01-19 | PEANUT SCALE MODELS



1993. Magalia CA



1980年代にピーナッツを始めて数年後にハンナンさんとは今で言う「スネール・メール」の文通が始まりました。1980年代といえばパソコン通信が確立されて間もない頃で、1990年代にやっと今のようなインターネットがスタートしました。「アメリカン・オンライン」なんかが幅を利かせていた頃でしょうか。アメリカに住む友人からパソコンで「アメリカン・オンライン」の設定用フロッピーディスクが送られてきたのもこの頃です。悲しいかな当時はやっとワープロからIBMの「アプティバ」というパソコンに買い替えた頃でしたからパソコン通信なんて全く未知の世界で右も左もわかりません。ですからその後もスメールメールでのやり取りは続きました。
パソコンの電子メールに対してスネール(カタツムリ)メール、いわゆる国際郵便はアメリカまで約1週間、返事が帰って来るのにもう1週間、文通も月2回程しか出来ないのどかな時代でした。しかし英語の文面を考えたり機体の写真を撮ったり、たかが1通の手紙を出すのに多くの時間を費やした事は事実です、今だってそんなに変わりませんが。投函後は大きな仕事が終わったような気分で、その開放感は「これで2週間はハンナンさんからの手紙は来ない!」というのも「スネール・メール」の利点?でした、これが今では数分後に返信が帰ってきます。そんな現在ではあまり聞かない「文通」をした頃の遺産、彼から届いた手紙と写真だけを収めた数冊のファイルを今も大切に持っています。もうそんな時代にはもう後戻り出来ないけど今とは違うのどかな良き時代でした。

実機に関する資料の問い合わせを彼にすると即座に返信が帰ってきます。しかも彼自身が持っている資料が不完全な場合には可能な限り世界中の博物館や友人に問い合わせて必ず続報が届きます。ですからこちらとしても「コレ、作ろうかな・・・資料持ってないしちょっと聞いてみよう」なんて安易な気持ちでは聞けないんです。作り始めてからどうにも資料集めに「困った時の神頼み」が彼でした。

ハンナンさんが出版した多くの本には庄内ピーナッツ会員の機体をたくさん紹介してくれました。ピーナッツ・スケールだけを楽しむクラブなんて世界的にも珍しく庄内ピーナッツのコンテストやイベントには特に興味を示してくれ、その上多くの賞品を提供してくれました。

彼の人柄、性格なんでしょうけどすべてが几帳面です、そして同じ模型の世界で出会った人には出来る限りことをする、それが当たり前のように彼は行動します。色々なことを彼から学びましたがそれらの多くは模型作りだけでは無く今も私の中で役立っています。



2002.Magalia CA


彼の自伝から少しだけ抜粋して紹介します。

ウイリアム C. ハンナン
モデラー、コラムニスト、著者、本の出版、デザイナー、グラフィックアーティスト、1937年以来のモデラー
生年月日:1931年7月3日 AMA番号:19349

北米航空フライトマスターズフライングスケールモデルクラブの会報「フライトマスターズ」の編集者
全米スケールエアロモデラー協会副代表
ウィリアムズブラザーズ社の商品研究と開発
ゴム動力のスケール機に関する多数の本の著者および出版
「モデルビルダー」誌で25年近くにわたってコラム「ハンナンズ・ランウエー」を執筆

1986年:「全米フリーフライト協会」の殿堂入り
1987年:「モデル航空」の殿堂入り
1997年:「古いキットと製作図面」の殿堂入り


趣味とは恐らくほとんどの人の生活のほんの一部を表しています、それは単に副次的な関心や余暇にする行動。しかし私の場合にはモデル構築は永続的で中心的な情熱であり、それが私のサポート手段に発展し、時にはそれがほとんど執着になりました。どうしてそうなった?

私はこれらの結果をもたらした幼い頃の状況のいくつかを選び出すことができます。模型製作は静かで孤独な努力ですらあります。対照的に、その飛行ははるかに社交的である可能性があり、それが一部の人々がそれを「スポーツ」として分類することを好む理由かもしれません。そのような見方をすれば、それは個人のスポーツであり、私が若者として断固として避けていた荒々しいチームスポーツよりも、たとえばフィギュアスケートに似ています。
また、幼い頃から、数字よりも言葉や絵の方がはるかに快適で、理論よりも実践的なデモンストレーションの方が楽で、電気機器よりも機械的なものに感銘を受けたと結論付けました。これらの認識はめったに揺らいでおらず、そのような一見小さな意見や選択は私の人生に広範囲にわたる影響を及ぼしてきました。

フランス語には「デジャヴ(既視感)」という表現があります。これは「すでに見た、経験した」、または現在では「そこにいて、それをした」という意味です。実際には一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じる現象です。これは、模型製作者としての私の進んできた方向に多数の「偶然ではない」再発を説明しているようです。
それはどのようにして始まったのでしょうか? 1920年代、祖父のスカイラー・コルファクス・ハンナンはモンタナ州ビリングスで大型ガソリンスタンドを経営し、地元の空港に隣接する土地を所有していました。ですから彼は後に世界的な名声を得た人を含む多くの初期の飛行士に出会いました。若いチャールズ・リンドバーグは資金不足で町に来て、ビリングスの自動車修理ガレージで一時的に仕事をしました。リンドバーグは、私の父であるテッド・ハンナンと同じように、輸送のためにバイクに乗りました。それが共通しているので、彼らは何気なく知り合いになりました。
私の父であるテッド・ハンナンはあまり航空志向ではありませんが第二次世界大戦中にB-17尾部銃手を務めました。リンドバーグが「翼よ、あれがパリの灯だ」のスピリット・オブ・セントルイスで大西洋横断飛行した翌年の1928年、テッド・ハンナンはパール・リードと結婚し、1931年に私は生まれました。私が3歳になる頃には、お気に入りのおもちゃは飛行機で、祖父が良く飛行場に連れて行ってくれ、色々な飛行機を見に行ったことがありました。彼は私をフォードトライモーター乗せる手配をしてくれたこともありました。しかしその飛行で私が唯一記憶しているのは飛行中に母の籐の洋服かごと同じような音を出して籐のシートがきしむことでした。別の時、私は母の膝の上に座ってオープン・コックピットの複葉機に乗って飛行しましたが、私はその機体がどんな種類の航空機であるか興味を持つようになりました。そして1936年頃になると私は自分でいくつかのタイプを識別でき、当時有名なスタントパイロットのテックス・ランキンのライアンSTに彼の名前が反転して描かれているのを見てとても感銘を受けました。




2015. Disneyland CA





2017. Hawaii




2018. Curtiss LeMay Car Museum, Tacoma




さよならハンナンさん・・・



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Farewell Bill Hannan No.1

2020-12-23 | PEANUT SCALE MODELS





40年近く私の模型作りを支えてくれたこと感謝します。
あなたがいなければこんなに続けることは出来なかった。
私はあなたを決して忘れません。
さよならハンナンさん・・・ 
2020年12月14日

ウィリアム(ビル)C.ハンナン 1931-2020
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Rutan Quickie Q1 (1983) No.3

2020-12-21 | PEANUT SCALE MODELS
決戦の日曜日、君は何を学習し何を反省したのだろうか・・・・






プロペラを取り付ける前のグライドテスト、部屋の中で何度も何度も放り投げてみる。「この辺ですか、一番おいしそうなのは?」ってところで胴体裏側に重心位置のラインをサインペンで書き込む。プロペラを取り付けたあと、適当にゴムをのせたら重心位置を書き込んだラインに合わせてみる。手巻きでまた何度も何度も繰り返し投げてみる。


満を持して体育館に持ち込んだ機体でしたが、200回ほど巻いた第一投は・・・・ 全然だめじゃん!


重心位置なのかアップ・スラストの問題なのか、それとも両方が関係してるのかわからないままノーズに重りをつけていくと少しばかりはサマになっていくのがわかります。途中で左設定だったサイド・スラストも試しに右に変えたりしながらこの「暴れん坊将軍」がどちらへ行きたがっているか探ります。
巻数が増えていくとやはり右旋回のほうが扱いやすそうです。左旋回では初期トルクに負けてコテッと行ってしまうことが何度かありました。そこそこ重心も合い出した頃、ちょっとノーズヘビー気味にしてやると一度下がった頭は持ち上げることが出来ずどんどんスパイラルで突っ込んでいきます。これが右旋回でも起こりますから、結論としてはあまり旋回コントロールを強めにしないほうが良さそうです。
広いスペースで機体任せの大きな旋回で飛行させるのなら問題ありませんが、ここではそれは許されませんからなんとか旋回させながらスパイラルには入らないような設定が必要となってきます。
しかし最後まで旋回サークルは不安定な状態が続きました。体育館の横幅ギリギリで調整しても発航する時の機体の傾きや投げる速度にも微妙に反応してしまい、突然旋回が大きくなったり、逆にスパイラルに入ったりすることがあります。そんな傾向が一番出にくい重心位置を見つけ、だましだまし飛ばすのが最善の方法なのかもしれません。今回学習したのはそんな程度でまだまだ調整すれば今よりも快適な飛行をするかもしれません。

なんとか1分の壁は乗り越えましたが、ゴムの方はまだまだ余力があります、小心ですからなかなか思い切って巻けないんです。

こちらが初期段階の調整飛行ビデオです。  こちらをクリック




飛行はこんな感じで「のらりくらり」が一番安全な調整みたいです。


サイドスラスト4度、ダウンスラスト4度、なんとも男前な設定となりました!










最終的には赤線まで重心位置を前進させました。これでもちょっとテールヘビー気味です。





次はフルスケールでこの機体よりも軽くそしてハンドリングの楽なクイッキー君を作ることにします。




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Rutan Quickie Q1 (1983) No.2

2020-11-25 | PEANUT SCALE MODELS

冷静に考えると「飛ぶかもしれない・・・」 バート・ルタンのクイッキー(Quickie designed by Burt Rutan)




忘れがちな小物、手を抜かずに作ります。タイヤは真円にする為にちょっとこだわってます!どーでも良いことですが。





やたら長い胴体に見えます。垂直はどーやって取り付けます?





ひとまずバルサの工作はこれで終了します。





心配のタネ・・・一応頭の片隅に入れておきましょう。「これ重そうだから作り直し!」って事は致しません。





前翼はランディング・ギアを兼ねてますから強度的には不安があります。折れてから直せば良いけど、「転ばぬ先のカーボン補強」しておいたほうが良いかも。





後翼は無問題です。少し長いだけあって前翼より重くなってます。





予想してた重量に近く、あとはどれだけ重心合わせに必要か・・・ですが、そのあたり全く読めません。これを2倍して5グラムで紙貼り終了、プロペラユニット取り付けて5.5グラム、重心合わせで0.5から0.8位必要かもしれません、必要無しだと嬉しいんですが・・・





紙貼り、始めます。ブランクはありましたが、ここは失敗を恐れず・・・いや、恐れて尾翼から!ここで糊の濃さを調整しながら貼ります。





ちょっと勇気が出たら後翼に進みます。左右の翼はまだ繋いでいませんが、設計図に示された上反角を付けるとこんな感じ・・・かなりです。でもこれくらい必要なんでしょうね、前翼の下反角を打ち消すためには。





ねじり下げは付けないことにします。先尾翼機とするなら後翼は「主翼」ですから、その自覚?を持って頑張ってくれるように!





必要ないかもしれないけどギア部分も紙貼ったら、今度はキャノピーとタイヤを黒の紙でお化粧します。





左右翼端に取り付ける板状のギアを垂直に接着する方法、接着剤が乾くまでこのまま放置。





紙貼りは木地完の2倍弱で完了しましたが、所定の位置近くへ重心を持ってくるとなるとこれくらいのバラストが必要。このバラストの重さでプロペラ・ユニットを作れば全て丸く収まる・・・事になるんですが、そうは問屋が卸さない。





ブレードを作ります。折角だから一緒にこの缶に張れるだけ!切り出します。





前回作ったものと比較します、まあどちらも同じ。同じバルサシートから切り出してますから当然同じでしょ!





一番出来の良かったブレードでプロペラを作ります。せめて後からぐいぐいスラストが変更できるように後ろはコレで行きます、プラス・マイナス6度位は変更できます。





ただし、そこまでスラスト変更するとさすがに回転が渋くなりますから、穴を広げてやらなくちゃいけません。





ブレードは同じ紙を貼って両面を補強しましたが、これでもつかどうか? 微妙です。





予定よりは0.17グラム増えましたが、なんとか合格点です。部屋の中でグライドテストをすれば頭が重いか軽いかの判断くらいは出来そうです。





これで完成としましょう。前翼はなんとか耐えています、スパーにカーボン貼ったのが効いてるんでしょうか。





後ろから見るとやはり異様です!





(この図面について)
この図面は「フェースブック」の「ピーナッツ&ピスタチオ」グループで公開されていますので、興味のある方はそちらにご参加下さい。


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Rutan Quickie Q1 (1983) No.1

2020-11-12 | PEANUT SCALE MODELS
 
「飛ぶわけ ねーだろ!」 と、最初は誰もがそう思う・・・

バート・ルタンのクイッキー(Quickie designed by Burt Rutan)





夏の終わりにピーナッツの製作から少し遠ざかっていました。 ま、早い話ずっと家にいなかった、ということなんですが。
まだ暑いけどそろそろ何か始めようかな・・・ 

おっとその前に、君にはすることが一杯あるだろ! と言われれば、あります。
紙貼りを終えて塗装する前の機体が5機、木地完寸前の機体が3機、修理待ちの機体が2機・・・なんだかんだで10機程引き出しに転がってますが、何か?

問題はブランクがあった場合、以前と同じテンションでその機体と向き合えるか?ということで、ちょっと何か触って感覚を取り戻してからじゃないと不安だし、衝動的に何かを始めようという気があるのならそこはグダグダ考えず先ずは手を動かすことも必要だと思うんですね。最近、すべての初期動作が寒い冬の朝はエンジン始動に手間取る昭和初期の車みたいになってきましたから。

ここから本題です。
過去数十年ピーナッツスケールでバート・ルタン設計の「クイッキー」が飛ぶ姿を見たことがありません。地球上の何処かでスイスイ飛んでいるかも知れませんが私は見ていません。少なくとも前翼(主翼かも?)が下反角という恐ろしさ、そして後翼(先尾翼機ならこちらは主翼だし・・・)が前翼よりちょっとだけ大きいという奇怪な設計から皆さんこの機体には触れないようにしているのかも知れません。後翼が前翼より少し大きという事は後ろが主翼で前が尾翼ということで先尾翼機になるのか? いや、ほぼ同じサイズだからこれは串形機(タンデム)でしょ?  ま、好きにして下さい。

この機体をピーナッツでなんとか飛ばしてみよう、それには先ず手始めに飛行調整や修理も簡単にこなせるようにシートバルサで製作することから始めよう、それがこの「クイッキー・プロジェクト」でした。図面を描いた人はアメリカ、コネチカット州に住むジョン・コプトナクさんで、フェースブック上にその図面と飛行ビデオを紹介したのがきっかけです。最初にビデオで見た飛行は弱いゴムで直線的に少しユラつきながらも水平飛行しているのですが、なんとかコケずに頑張って飛行している雰囲気でした。そう、雰囲気としては「飛ぶ予感」がするんです。

ゲテモノは飛ばなくても「ゲテモノですから!」って言い訳できるところが好きじゃありませんが、これは「クソッ、無駄な時間を費やしてしまったぜ!」と切り捨てるか、それとも「残念な結果ではありますが、今後の製作活動に参考となる収穫が色々ございました」と前向きに考えるか、もしかするとこんな機会(リハピー)にしか作れない機体なのかもしれません。

シートバルサから角材を切り出して・・・なんてことは今回はしません。過去の残骸、いわゆる切り出して残っていた角材を集めて製作を始めます。残っている角材ですから何かしら問題があるかもです。まあ、諸々の事情がありますが程度の良いものを選んで胴体から始めます。





シートバルサの翼をリブ組に変更するので最初にリブのテンプレートを薄手の航空ベニヤで作っておきます。こんな雰囲気でしょうか?的なモノで大丈夫、細かいことは考えません。





問題はむしろこちらの方で「取り付け角差」というか各々の迎え角を図面と同じにすることです。翼の上面は基準にならないので下面の角度を合わせます。赤の斜線部分のバルサを各2枚切り出して胴体側板に使います。






切り出したバルサを図面上でチェックします。後翼は胴体に差し込んで接着する予定ですから当然角度を変えることは出来なくなります。その点前翼は翼の下が空いていますから前縁の下の部分にバルサの角材を接着し、スロット状態にしたらそこに差し込んで後縁を仮付することにします。






胴体アウトラインを角材で作ります。こんなに曲げなきゃいけないのでラミネートにしようかと思いましたが、軟弱な根性無しのバルサを発見しましたので弱いと知りながら使ってみました、でもその割には軽くない・・・





1枚目の側板はこんな感じ。これでシートバルサより重かったらどうしましょ!





フィルム上で組んだ側板を裏返したら、もう一度同じ作業をして2枚作ります。





量ってみたらそれ程重くはありません、胴体がスリムなので重く感じるのか?





ノーズソケット込みですからそんなに悲観することもないのか? と、色々考えながら最後には「どーせ飛ぶことも無いんでしょうから!」という結論。





主翼に進みます。本来なら翼端の形状もテンプレートを作って左右の翼を合わせないといけないのですが・・・ サンディングしながら、「こんな感じかな?」程度の所で止めます。





前・後縁材をかなりソフトなバルサを使いました。問題はスパーで、特に前翼はランディング・ギアを兼ねていますから、それなりに頑丈にしないと着陸の度に翼が折れることにもなりかねません、飛んだらの話ですが・・・ でも、飛ばない時だって壊れる条件は同じですよね!





まだスパーを入れていない翼はそこそこ軽く仕上がってます。





4枚のパーツが完成しました。前のが後翼、後のが前翼ですよ! 私だって突然聞かれたら即答出来ません。





サンディングして左右対称の翼に仕上げました。でも微妙に違うかもね、翼端テンプレートありませんから。「どーせ飛ぶことも無いんでしょうから!」という結論。





(続く)


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Glenny and Henderson "GADFLY" WAS FLY No.7

2020-10-18 | PEANUT SCALE MODELS


ここだけの話、ギャドフライの初飛行は散々でした。





旋回調整中の出来事です。やっとなんとか左旋回が決まり、これでゴムを少し巻き込めばおそらく綺麗な旋回上昇するだろう・・・と、思った瞬間、進行方向にガン箱発見!ガン箱発見!!!

「誰だ!こんな所に置くやつは!」
ハイ、わたくしのです、しかもいつもの場所なんですが・・・

パワーは無くなりかけてはいましたが、カァーンという甲高い音を残してギャドフライ伯爵の右翼はちぎれ落ちました。

「そんなぁーん!」たったあれだけの衝撃で片翼もげるなんて、まるで君はトカゲのしっぽみたいじゃないか!

そうなんです川崎さん!は古いけど、あまりにも簡単に差し込んだ翼はちぎれてしまいました、これは取り付け方法をもう一度考え直すべきでしょう。幸い主翼や胴体の紙が破れることを防ぎ、その破損を最小限にしたことは絶賛されるべきかもしれないけど・・・

「コレってもしかして最新テクかぁ?」 いいえ、違います。ただ弱過ぎただけです、しかも後々の修理工程の面倒なことが考えられておりません。

で、どーやって直すの?

現場では瞬間イモズケで仮接着しましたがどうしても気分が良くありません。家に帰ってから早速主翼の切断手術をしました、しかも両方の・・・
右翼はすんなりと外すことが出来ましたが、瞬間で付けた左翼は頑丈過ぎて取り外すのに時間がかかりました。主翼のスパーを1cm程伸ばしてそれを板状にして差し込んでいます。それはアイスキャンディの棒のようなものが飛び出していると思ってください。
そして胴体側には上反角や迎え角を調整するためにバルサで箱状のものを作り、そこへ差し込んでいます。木地完状態でここの調整を完全にしておけば、紙貼り塗装後にはそこへ差し込むだけで調整する必要がありません。

さて、切り落としたスパーをもう一度飛び出した状態にしなくてはなりません、まず05mm径のカーボンロッドを上端に差し込んで1cm程飛び出した状態で残し、その下にバルサを継ぎ足しました。これで簡単には折れない程度の差し込み部分が出来ました。
胴体側の箱状になっている中には先代?のスパー残骸が接着剤付きで残っていますのでそれを綺麗に剥がすのが一番大変なお仕事でした。
さすがにもう一度同じ事故が起きるとは思いたくありませんが、再発時にはアセトンを筆につけて流せば主翼はユルユルと抜けるようにしました。

不死鳥のごとく蘇った伯爵は果たしてどんな飛び方をするのでしょうか?


「2回目の初飛行」のビデオはこちらです・・・


Glenny and Henderson "GADFLY" https://www.youtube.com/watch?v=g62T-N5RgPQ

飛んで飛んで飛んで飛んで・・・回って回って回って・・・回れ!

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Wright "L" Light Scout No.6

2020-10-14 | PEANUT SCALE MODELS




「完成」の二文字を使う時は、忘れ物は「もう無いよね何も?」って何度も自問自答しながらフーッと体の力が抜けた時。

飛ばすことを前提として作られていますから本来の「完成」とはもっと先の話かも知れません。納得の行く飛行をして初めて1機が出来上がったと言うべきなのかも・・・

初飛行の日まで重心位置はどのあたり?ゴムはどれくらいの太さ?旋回は何処で決める?尾翼の調整は? もういろんな事に集中してどんな飛び方をするのかに思いを馳せるのであります。まあ、そんな時間も楽しみと言えば楽しみなんですがね。

決して最悪の結末、例えば快調に飛行して壁に激突、そのまま垂直落下して上翼はもげ胴体は縮む!
なーんて想像は決してしないことです。

完成の一区切りとして、「ありし日」の写真を残しておきます・・・












そしてその初飛行当日の第一投・・・
手から離れた機体は迷わず壁に向かって直線飛行! 夢に見た筋書き通りじゃありませんか!

しかしゴムを巻き込んでいなかったので大きな衝撃は無かったようです。ノーズソケットに1.5mmバルサ挟んで強引に右旋回、ついでに03g程の板鉛を押し込んでもう一度投げます。壁が怖くてピーナッツが食えるか!

これで決まればあなたは「未完の大機?」ですよね。

Maiden flight of the Wright type "L" scout biplane.

その飛行はこちらをクリック   

https://www.youtube.com/watch?v=BxyjYd6VbEQ


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Wright "L" Light Scout No.5

2020-09-28 | PEANUT SCALE MODELS

一番面倒な複葉機の主翼取付作業


「上翼の迎え角が何度で下翼が何度・・・」 図面を見ると時々そんな情報が書き込まれています。


図面上の基準線に対しての角度なんでしょうが、同じように書かれているプロペラのダウン&サイドスラストや水平尾翼の取付角などをすべて正確に設定し、なおかつ重心位置も図面通りの場所にして飛行させたとしたら・・・
どんなピーナッツでも間違いなく飛ぶ! 訳がありません。実際に機体が飛行している時にその決められた角度で飛行するなんてことは間違っても無いでしょう。
細いバルサと紙で出来た機体が何処までも正確に作られているとしても、僅かな湿度の違いで捩れてしまう翼やプロペラスラストの微妙なズレとかで限りなく調整された機体だとしても、この少しの誤差がその飛行パターンに影響を与えます。もちろん機体の形態や性格によって敏感な機体と鈍感な機体はありますが、どちらにしてもその影響は受けることになります。

複葉の主翼取り付け角度にしても、そこに記載されている角度で飛行することはあり得ません。2枚の翼の前縁と後縁の間隔が同じなのか、それとも前縁側が狭くなっているのか、もしくは広くなっているのか。トーイン、トーアウトの状態を示しているものだと解釈しています。

良く聞く話としては「下翼の迎え角を多くつける方が安定して飛行する」とか「同じ角度で胴体に取り付ければ問題ない」とか聞きますが、私には1機の機体を同じ条件で上翼と下翼の角度を変えながらその飛行の変化を調べるテストした経験はありません。単純に「2枚の翼の前を広くするか狭くするか、それとも一緒にするか?」で機体の飛行性能が大きく変わるとなれば、何処かにそんな資料が出てきても良いように思います。それともそんなのは迷信で少しでも翼端が捻っていれば消し飛ぶような話としてだれも相手にしていないものなのか・・・







前置きはこれくらいにして、図面上の取り付け角度をトレースしたコピー紙バルサに貼りつけ、それを使って支柱の長さを決めます。もちろん前縁側に使うものと後縁側に使うものとでは微妙に長さが違います。支柱の先端には0.3mmのピアノ線を差し込んで瞬間を流してあります。
これで支柱を正確に指定された位置に差し込めば2枚の翼の角度はこのプレートと同じになるはずです。







しかしこれは理想論で少しばかりの誤差は必ず出てくることはわかっています、理想は理想としてこの単純な方法で取り付けます。ま、1枚じゃ大変なんで「気は心」でプレートは2枚作ってあります。
至れり尽くせりの大掛かりな治具を作ることはしません・・・それを使って完成した機体が飛ばなかったらあなた!







下翼を胴体にズリズリ差し込んでみます。胴体と下翼の取り付け角度は変えようがありません! 図面を信じるだけの話であります。







最初の2本を立ててみます。こんな感じか? 
瞬間流す度胸はまだありません、リブに差し込んで薄口「グルーイット」で仮止めしてます。







反対側から眺めてみるとこんな感じ。

「おい!操縦士、邪魔だから降りろ!」 
「心配ですから見てます、飛ぶのは私ですから!」







そして2枚のプレートを使って4本を仮止めしますが、安易な感じは否めません。
でもこれ以上どうすれば良いのか。







最初の2本が自立出来るまでになりました。これって上の翼が横揺れしたら?張線だけで大丈夫?だって私の使ってる張線、ゴムなんですが!
現状ではユラユラユラ・・・







兎に角先に進めませんから立ててみます。接点は0.3mmのピアノ線と1mmのソフトバルサだけですから。







全部おっ立てました。壮観! とか言ってる場合じゃなくて、早く上翼乗せないと・・・
位置決めを正確にするため、一番胴体寄りの支柱4本には胴体との隙間に竹ひごで仮固定してあります。今の所これで横揺れすることはありません。







そしていよいよ上翼を乗せます。もちろんピンバイスで上翼裏側に開けた穴は数知れず!微調整しながら支柱が傾かないよう・・・







乗っけてしまえばどーってことありません。間違いなければ超薄口瞬間を流します。
これでなんとか複葉機の雰囲気は伝わって来ます、しかもかなりのボリュームです。







もう手に引っ掛けて壊さないうちに張線だけでも張っちゃいます。パンスト用の細いゴムですから引っ張り具合は慎重に。







一筆書きみたいに1本で終わってしまいたいのですが、そうは問屋がおろさない!
ここまで翼を取り付けて、「上翼の取り付け角度はもう少し多いほうが良いよ」とか言われても変える気は起きません。







ラジエターも付けちゃいます。







面倒なノーズソケットに必要なルーバーみたいなやつ(悪者扱い)!
サインペンで書いちゃえば良いんですが、どんどん太くなって笑いものになりそうで。
黒い紙を切ってそれを貼って行きます。







もうひとつ、支柱についているこの難解な物体。調べたら「Angle of incidence indicator」なんですね。正確な資料は無く、ライト航空機に使われている同型のもののイラストを発見したのでそれをコピーしました。







最後に残った問題児?も無事に完成しました。







もう無いよね何も?





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Wright "L" Light Scout No.4

2020-09-14 | PEANUT SCALE MODELS


軽量なバルサを使ってちょっと冒険したら、紙を貼る時その「恩返し?」が必ずあります・・・

弱そうねココ!って所は慎重に、でも諦めて補強することも大切ですね、人生において・・・






プレシュリンクした紙の目を考えて今回は尾翼から。まあ、練習問題みたいなもんですが、ここで「正解」が出ないときも多々あります、久しぶりに紙貼りすると正解率は限りなく低いんです。ですから同じ作業して感覚をつかむまでなんと時間のかかること!
それでも不思議と糊の濃さや紙の引張り具合なんかは蘇って来るもんです。ここでバルサを折ったりしないよう慎重に危ない橋を渡ればバラ色の世界は見えてきます。







ちょっとシワが出来たからと引っ張り過ぎると今度は裏側にシワが出来ます、両面完璧と思っているとバルサが曲がっていたりします、ですから引っ張ることもあれば緩めることもあります。きれいに貼れている方を緩めるなんてと思いますが裏側のシワが消えることだってあります。







尾翼で練習したら今度は胴体です。何処と言って難しい箇所も無く無難に進めます。
時々質問があります、「ねえ、どーしていつも切るのあんなふうに?」「なんでかわかりませんが、そのぉ、まあ貼りやすいんでしょうね。余計なところを引っ張り過ぎないようにでしょうか。」 答えになっていますでしょうか。







十分経験を積んだら?主翼!行きます!
どちらかと言えば一番力を入れてはいけない貼り方が必要なところですね。引っ張れば引っ張るほどシワを消すことは出来ますが、その恩返しは必ずやってきます、時には最悪のカタチで・・・







「ユルユル」を基本に貼ります。「捻り下げ」を付けたり、後縁の曲がりを修正をしたり、色々やってると不思議と数日経てば程々にきれいな仕上がりになっています。最初からバッチリ貼れちゃうと後々問題が出てくることよくあります。







「主翼は1週間かけて貼る」くらいの気分でいつもやってますが、貼り終わった後にいろんな修正とかしてると結局それくらいになったりします。







一番気持ちの良い瞬間、余分な紙の切り取り作業!簡単そうですが必ず何処かで失敗します!
この作業、塗装する場合は一番最後になりますが、今回は裏面チョークで済ませましたので早々に。







そして主翼は大きな問題も起きず無事に終了、翼端1.2mmの捻り下げと支柱を取り付けるリブは全面糊付けします、全面と言っても上翼は下面、下翼は上面だけですが。







紙に引っ張られてリブが波打つことがありますが、なんとか持ちこたえております、糊付けしちゃえばそんな問題は起きないのですが。







影の広いリブに支柱を取り付けます、6箇所x2本で12本!
前縁、後縁のラフな所はタミヤのサンディング・スポンジ1000番で「肌触り」を良くしておきます、触った時の感覚が違います。







ひとまず紙貼りが終わったら数少ない小物を作ります、至って簡単ではありますがだからと言って手を抜かず。







胴体側面のラジエターですが詳細が良くわかりません、「空想の世界」が紛れ込んでいます。







こんな感じで・・・それにしても排気パイプ6本並べるのに神経使うんですね、美しく並ばない、並べられない!







日雇いのパイロットにも乗ってもらいます。着座姿勢はこんな感じ?ステアリングがデカくない?色々注文付けてくれます。一緒に足回りも取り付けます、ショックを何処で吸収するか?まだ考えていません。







マフラー巻いて遊んでる場合じゃない! けど、こんな時間が楽しい。







こんな細かいお仕事は最近好きになれませんけど、まあ必要最小限がんばります。







そして、とうとうやってきました緊張の瞬間・・・さぁーどーする。


やるしかないでしょ!



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Wright "L" Light Scout No.3

2020-08-14 | PEANUT SCALE MODELS






この機体のエンジン露出度は少なく、多くのW.W.1機のようなむき出しエンジンのシリンダーフィンを作る必要はありません。ですからエンジン工作恐怖症の人には向いている機体かもしれません。その恩恵を忘れず?控えめに見えているエンジン部分の加工をします。







溝を掘った後、良く見たら斜めになっています!ってことがありませんように、気休めですが紙テープを貼っておきます。センターラインから幅のサイズに3本線・・・







この部分はバルサブロックが使っていありますから他より厚みがあります。内側を削らなきゃいけないほどノーズが重くなるとは思えませんし、どちらかといえば「ど」テールヘビーになる予感、そんなこと考えながら工事完了。







続いてエキゾーストパイプの穴も一緒に開けちゃいます、これ簡単そうで以外と難しい。整列しないし穴のサイズが揃わないし、「これくらいかな?」で開けていくと必ず失敗します、ちゃんと正確なラインを引いて進めるお仕事です。こうしてエンジンを作るより遥かに簡単に終了しましたが、これは逆の見方をすればそれだけ「見せ場が無い」ということですからネ、他で頑張らなくちゃいけません。







その見せ場に匹敵するのかどうかは疑問ですが、乱立する?支柱を作ります。選ばれし2種類のバルサ、当然好みが分かれております。厚みも違いますが、(右)Cグレインで必要最低限の硬さ、ですからとっても軽い!張線でテンションかけ過ぎると「弓」になりそうです。(左)Aグレインでマッチョなやつ、当然重い!







(右) これくらいであればたとえその本数が多くても支柱の重さとしては我慢できます、軽量機を目指すなら当然こちらが本命です。壊れた時のことなんか考えずにこれで行きますか? それに必要な度胸はこれから準備します。







(左)オイオイ、3倍あるだろ!いくらなんでもこれは使えないね!確かに強過ぎるかもしれません。せめて2倍でおさまるくらいまでもう少し薄く削って選択肢になるくらい頑張ってから決めてもよろしいかもしれません。

先のことを考えるとこちらを使ったほうがやはり幸せかも?壁にぶつかって垂直落下し床と激突したら翼関係は間違いなく全損ですし、たとえ1本の支柱が折れて上翼が狂ったらもう一度同じように設定するのも大変です。

安心の保険をかけるか、男は黙って軽量化を突き進めるか・・・・ 悩みます。







今回は「女性」を選択しました!!!!(・・・・ったく!だから好きです)







上反角ゼロというのは曲者で、どうしても下反角に見えてしまいます、少し垂れてる感じ、定規を当てれば当然ゼロなんですけど。そこで今回も面倒ですが少しだけ上反角をつけることにしました。これによって安定性が増すとは思えません、あくまで「見た目」です。翼端で1.5ミリ程つけることにしました。







「あれーっ、翼が少し反って来たのか?」程度です。



これでバルサの必要なパーツは揃いました。プロペラと車輪はいつもと同じ、重量バランスや完成重量を考えて後から作ります。








記念写真・・・





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Wright "L" Light Scout No.2

2020-07-13 | PEANUT SCALE MODELS





主翼を2機分?作りましたので飽きないうちに尾翼も作ります。違う意味で面倒なラミネートが必要ですから一夜の内に完成とは行きません。
最初にボール紙のテンプレートを作らなくちゃいけませんが、適当な材料が無かったりしてブレーキとなることがあります。今回はソフトで切りやすくその上厚みがあるこれぞ「テンプレートの鏡」のようなものを確保してありました。







今夜は接着剤をつけずに重ねて乾燥させるお仕事だけにしましょう。一緒に接着しちゃっても良いんですが最近はドタバタでやらないことにしています。ま、それだけ手早く出来ないようになったんでしょうけど・・・ 一昔前なら一緒に接着してしかも電子レンジに放り込んでいました。







乾燥したら水性の接着剤「グルーイット」を塗り紙テープでもう一度拘束します、テンプレート側にはカメヤマ・ローソクが塗ってあります、でも上手く剥がれない時もあります。







外周が出来たらもう完成したようなものです。水平がやたらとデカイので強度的な問題もあり、ちょっとマッチョなバルサを1本だけ使いました。主翼の作業に比べれば短時間で終了です。







そして、いきなり胴体です!
この図面の主翼は片面貼りのシンプルな構造です。そりゃー軽く出来るでしょうが張線でかなり強固に固定しないと構造的に問題ありの感じがします。そこで胴体の主翼取り付け部分はどうするのか?ってことですが、下翼は胴体に差し込む1枚モノにしてしまうことに、そのほうが組み立てる時に上翼が簡単に乗せられそうな気がしました。なにせ下翼の支柱だけで上翼を支えてますからね、これって設計ミスだと思うんですが恐れ多くも言えません。張線のチカラを信じてこうなったんでしょうか・・・ 色々想像しながら胴体側板を作ってみました。この方法の欠点、上翼はOKだけど下翼は迎え角が変更できない! 
ですから差し込む穴は少し余裕を持って?ございます。







側面図で見るといかにも上翼の高いこと!支柱の数といい、水平尾翼のサイズといい、いたるところにミステリアスな部分が散りばめられています。







胴体上面を張って行きます。ちょっと微妙にカマボコですが側面とのエッジをきれいに処理しないといかにも節度の無い?胴体になってしまいます。







そんなに気前よく張ってしまって大丈夫?な雰囲気ですが、かなりのテールヘビーを想定しておりますから、時々外しますが。







胴体後部のバルサ角材がお行儀よく整列したら操縦席は早めに切り抜いてしまいます、バランス的には程良いノーズの長さです。







ノーズ・ソケットは定番のスタイル、でもかなりボリュームあります。中抜する程でもありませんが一応抜いといて、後で鉛のバラスト搭載でしょうね。







もうこれしか方法が無いソケット部分ですが、後ろの出っ張りを胴体側につける?ってのもアリか?そうすればプロペラ・シャフトのピアノ線は短くて済む、そしてゴムが掛けやすい! 

良いことありそうですが何故みんなしないのでしょう・・・







とか考えながら黙々と進めます。
こんな感じで宜しいんじゃないでしょうか。







削り過ぎない様に慎重に。ピーナッツ始めた頃は深剃りして「タメライ傷」いっぱいでしたね、最近はしてません。







胴体にはめ込んだ状態で削り、最後は一緒にサンディングします。このカーブ何処で収めるか悩んでしまいますが、スラスト・ベアリングの幅分だけ残して丸く収めました。






桐たんすの如く胴体を上に向けるとソケットは滑るように音もなく入って・・・行きません! 



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Wright "L" Light Scout No.1

2020-06-12 | PEANUT SCALE MODELS
「主翼0.8グラムからの旅」

何処かで発表はされていたんでしょうが、ビル・ハンナンさんの描いたこの図面を知ったのは最近でした。
ネット上で見かけた小さな図面でしたが、実機の三面図なのか模型図面なのかよくわからない、ちょっと拡大して見るとゴムかけが間違いなくあります。PEANUT SCALE MODELと書いてあります。設計はFred Weitzelさん、描いたのはハンナンさん、1968年となってますからかなり古い図面です。
図面に書き込まれているフリーハンドの書体やレイアウトの雰囲気は紛れもなく彼のタッチ、今まで見過ごしていたのかわかりませんが、新鮮な図面でした。

そしてその第一印象は、水平尾翼がデカイ!支柱が多過ぎる!間違いなくテール・ヘビー!

せっかくピーナッツ・サイズに拡大しましたが、残念ながら今日のところはこのままお引取り願ってもらいましょか。一晩少し興奮して楽しんだら消え去っていく・・・ま、そんな図面は過去に山程あります。でも何か個性の無いのが個性というかその・・・派手さは無いけど大柄で、色々と大変な割にその苦労が報われないオーラが見え隠れします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そして翌日、このリブ組の練習みたいな主翼を作り始めていました、「なんのこっちゃ!」であります。一緒に実機の写真も探しましたが、そんなに多くはヒットしません、でもこの機体が存在したことは間違い無いみたいですから作りながらエンジンとかの資料も一緒に探すことにします。







キャンバーの付いた上部と直線の下部を瞬間で接着、リブ1枚分のサイズからスパーの高さを測ってみましょう!って図面にスパー入って無いし・・・

まあ、スパーなんて無くても前縁と後縁がしっかりしてれば問題はありません。最近ヤワな材料が主流になって来ましたので上のリブが押しつぶされないようここは保険としてソフトなスパーを入れることにしました。かなりの面積の翼ですからメイン・スパー無しで作るのはちょっと勇気が必要です。







途中で飽きることなく2枚を組み立てます。そんなに苦労はしないけど忍耐は要るのかも・・・







スパーの位置は「このあたりでしょうか・・・」的で、「どうしてそこなんだ?」と聞かれると答えられません。







このあたりまでは「クスリ」が効いていますから速い!
「クスリ」と言ってもアブナイ系じゃありません。
あの作り始める時だけに出る謎の興奮剤みたいなもんです。







「ああ~そんなもんね、このサイズなら」みたいな。前縁・後縁をこれから整形します。







それでも半分にはなりませんでしたね。でもこのままじゃひ弱過ぎますからガセットを付けなきゃいけない。紙を過度に縮ませるとリブは波打ち挙げ句に後縁材とリブの接着が剥がれますからその箇所に補強は必須となります。







で、もう一度寝かせて三角材を付けていきます、地味な作業です・・・







引き算・足し算を繰り返しながらまだまだ先は長いですヨ。
一喜一憂してる場合じゃないけど、どのプロセスでどれだけ重くなっていくかをチェックするのはキライじゃありません。







かなりズッシリ感じるようになりました。







1枚0.6グラムってことは当然2枚で1.2グラムにならないといけませんが、それが意外に難しい。
これで最後の仕上げ、ガセットをサンディングして小さくします。そんなに軽くはならないけど、やることによって重くなることは無い。そして支柱を取り付ける箇所にも補強のバルサを追加します。







翼端を整形し、木地が完成した状態になりました。もうこれ以上は無理かもね・・・







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Glenny and Henderson "GADFLY"  No.6

2020-05-27 | PEANUT SCALE MODELS

ギャドフライの完成写真

完成までやけに長くかかりましたが、とにかく作り続けること、完成させることが大切なんだと、小さな声で自分に言い聞かせています。放置して他の機体に浮気することだってありますが、また戻って来ることが必要なんです! って、いつか言ってみたい・・・

完成重量は最後のアガキで少しだけダイエットしました。もうこれは「手あか」程度なんですが重くなるよりは心地良いんです。



















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Glenny and Henderson "GADFLY"  No.5

2020-04-17 | PEANUT SCALE MODELS

「ここまでのお仕事でなんとか完成する下地みたいなものは出来ましたから、ここからは細かなパーツと組み立てに入ることにします、色々訳あってちょっと先になりそうですが。」・・・なんて前回締めておりましたギャドフライの続きです。

悪い予感は的中しました!「訳」あったのはシリンダーです。機体を構成するパーツが出来上がって組み立てる状態になった時、重心位置がどのあたりに来るのかはおぼろげに分かってきます。この機体の胴体や尾翼の重さに対してノーズに取り付くエンジンが豪華過ぎないか(重すぎない)?という一抹の不安でありました。普通色々なパーツを作るときにはおおよその順序が存在します。主翼から始める人、胴体から始める人、最初に細かな部品から始める人それぞれです。

こうやって木地完となった後、紙を貼り塗装したらいよいよ組み立てるわけですが、世の中色んな人がいます。最初に主尾翼と胴体すべてを組み付けてから紙を貼り、その紙貼りも全て終わっていないのに部分的に塗装に入る。これなんか絶対真似の出来ない工法です。形状からどうしても翼と胴体を合体させてから紙を貼らなくちゃいけない機体も中にはあります。そんな特殊な機体を除いて私の中では4つのパーツに分割した状態で完成させ、それを最終的に組み合わせるのがスタンダードになっています。胴体お化粧中に主翼を壊さないとか、尾翼を引っ掛けて折らないとか、張線作業以外は胴体、主翼、尾翼を完全に仕上げてからノーズ・ソケット&プロペラを組み立てています。もちろんノーズ・ソケットにエンジンがついていればその時点で製作します。重心位置がどのあたりに来るのかを考えながらノーズやテールに付く細かなパーツの重さを考えながら進めます。

しかしです。今回はなぜかシリンダーの部分だけ独走して他の機体と一緒に作ってしまいました。それなりに凝って作り始めたシリンダーにつられて同じように作ってしまったのが失敗でした。もちろん機体を組み上げて最後にシリンダーを取り付け、そこでやっぱり「ど・ノーズヘビー」となった時、少し目を瞑ってテールにバラストを付けることだって出来ますし、どんどんゴムを積んだ時には、意外とベストな状態になることだってたまにはあります。

しかしです。この機体では重心がほぼ前縁あたりに来る予感・・・これはいかにプロヘラを軽く仕上げても(この時点ではプロペラは付いていません)、これ以上重心は前に来ることになりかなりブルーになってきます。で、あるならしてこの際ちょっと時間を置いてなにか良い方法が思い浮かばないかここまで来て放置状態となっていました。

「そんなもん、クソ重いシリンダー作り変えれば済むことだろう!」というお告が正論なんですが、せっかく出来上っていたエンジン部分をばらすことはしたくないし、ましてや作り直したシリンダーがやっぱり同じ重さだったりしたらもう笑うしかない。このまま無かった事にしてしまおう・・・

それでもちょっと時間も出来たし、紙粘土でサンプル作ってみようかという気分になるまでかなりの時間が経過しました。
せっかくですから壊す前のシリンダーをブロックに取り付ける作業から。







3個も必要ないけど雰囲気を見るため出来ちゃった水平対向エンジンの中央部分。中をえぐることになるのでその強度も含めてバルサを変えています。







必要なサイズだけ試しに塗装してみる・・・ このやや煤けた雰囲気が機体に合いそう、中央のブロックはちょっと明る過ぎかも。







片側だけ仮付けして「感じ」を見てみる。ブロックはこれくらい明るくても別におかしくないし、実機のエンジンとかもこれくらいのコントラスト、もう少し白っぽくても良い感じ。







シリンダーの長さもフィンを1枚1枚削って調整しながら取り付ければ良かったのに、ブロックに差し込んで調整してます。







両方のシリンダーを仮付けしてみました。いやもうズッシリ来てます!このあたりでノーズ・ヘビーの予感が現実のものとなっていく・・・







それでもひとまず追加のパーツを取り付けて完成したことにして。







ノーズ・ソケットとそれ以外の重さが同じ程度の感覚、出来ることなら単気筒?にしたいぐらい。







雰囲気は上々なんだけど気分は晴れないしどーする?もう翼を取り付ける前に結果は出てます。







でもやっぱり翼を取り付けて現実を直視してみる。この機体の完成重量が8グラム程度なら全く問題とはならないと思うけど、小ぶりな胴体と尾翼のおかげで6グラムあたりを狙っていたのでテールに「お土産」は積みたくない。







そして後戻り出来ないように片側のシリンダーをバッサリとカッターで切る!
リューターで中抜きしてあるんですけどネ、フィンに使ったサンディング・ペーパーと間に挟んだボール紙に瞬間が染み込んだせいで頑丈には出来たけどやはり重いんですね!







完成したエンジンを遠目に見て泣きながら紙粘土製のシリンダーを作る。ヘッドの黒いのは指で抑えたりしても変形しないように少し厚めの包装紙。紙粘土製のシリンダー・フィンはひ弱ですから指で押さえただけで変形します。







ここは竹ひごと金属のスプリング使っていたのを止めて、モーターペグ用のパイプと糸のようなプラスティック製ライン。巻いて瞬間つけてから切り取る。







これもヘッドに付いていたアルミ製のパーツ。なんとか軽くならないか代替品を物色するも紙じゃ無理、結局半分まで薄くして使うことに。
4枚をスケールに載せても動かない!ってことは重さゼロ? そんなバカな・・・







コイル・スプリングの位置決め用に同じくプラ棒の太いものを。突き刺す部分が無いイモ付けじゃ飛行中壁に当たったり指先で持つといつの間にか何処かに消えている。







同じようなシリンダーが完成、フィンの美しさは二流品です。







すべてのパーツを取り付けてみます。ちょっと間延びした感じだけどそんなに悪くない。
そんなことより本当に軽くなってるの?







「まあ、間違いなく前作よりは宜しいと思います。」とか言ってないで測れよ! でもそれが同じだったら不安なんで今は出来ない。







色を塗ってみました。これも薄めにという訳には行きませんが白が見えなくなるところでストップします。







性質上薄いフィンの部分に紙粘土がきれいに入り込まないのかサークル・カッター切り抜いた前作と比べるとネ。







前作のシリンダー部分。ヘッドのパーツはそのままでこんな感じ。







そして新しいエンジンにプラグとコードを付けたもの、ダイエットの成果は出てます。







そして最後にソケット完成写真。まだ中央のブロックは中抜きしてません。







結局ソケット全体で約半分の重さになりました。この状態で重心を測ってみると若干テール・ヘビー。

プロペラ取り付けてゴム積んだら・・・  

うーん、バラ色の未来が少し見えて来たぞ!







そしてプロペラを仮付けしてみました、もうこれ以上重くなることもありません。




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Pegna P.C.1 No.3

2020-03-30 | PEANUT SCALE MODELS




胴体はひとまず完成という事にして翼関係を作ります。でもこの機体はいたるところが楕円翼で、普通に組めるところはありません、みんな「仕込み」が必要なんですね。厚手のボール紙に図面を貼ってテンプレートを作り、仏壇のロウソクをお借りしてバルサの接着面をこすったら3枚重ねて一晩寝かせます。
そうやって出来上がったラミネート・パーツの重さも重要ですが、強度もこれまた考えなくちゃなりません。直線部に使うバルサとのバランスが取れていないと後々何かと問題が生じます。綺麗な曲線が出来るバスウッドを使う時には余程細くしないと頑丈過ぎて、なおかつ重くなってしまいます。バルサを使う場合には出来る限り薄くして折れにくくし、水に濡らした状態でとにかく「引っ張る」感じです、ただ曲面に沿わせるというよりも「引っ張リながら」のイメージです。この場面でちぎれたりするバルサはボツ!ボキボキ折れ目ができるのもボツ、折れなくて綺麗な曲面が出来ても重いヤツはボツ、バルサの選択を間違えると紙貼りで捻れたりする原因になることも。そうしていくと残るのはそんなに多くはありませんがこんな状況にも選ばて最後まで勝ち残るバルサがおぼろげに見えてきます。おそらくそんな偏屈ベルサは他に使い道がないものかもしれませんので「ラミ専」として別にキープしておきます。ラミネートして出来上がったパーツが組み立てに使う他の角材と重さや強度を含めて同じ感触であることを気にしながら始めます。







そして主翼は外周すべてラミネートですから!ひとまず前縁をセットしてみます。







問題なければ後縁部分を追加します。







濡らしたバルサを3枚合わせして一晩乾燥させますが、3枚は接着していません。際どいところで折れたりしていないかチェックしてから薄めたボンドでこんな状態にしてもう一晩放置します。







そして完成した前・後縁バルサ・ラミネートのパーツです。







最初に主翼はいささか荷が重い・・・ので練習問題的に水平尾翼から。
エレベーター部分は切り離せるように角材2本仕様です。翼端と中央部以外は接着してありません。このままの状態で紙を貼り何事もなく飛んでしまったらソレはソレ、調整が必要な場合にはどちらか片面だけ紙を切って可動出来るようにします。

ちょっと面白くなって来た?
直線ばかりの翼よりは興奮しますよね!


完成間近で長い間放置してあったギャドフライ君、やっと立ち直りのきっかけになる「天のお告げ」があったのでした。ソレに従い進んだいばらの道・・・疲れましたが、次回はちょっとそのお話になるかも。

「緊急自信速報」 自信はあまり無いけど・・・

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