ゴム動力スケール機の世界で一躍名をはせたルボッシュ・コートニーさんをはじめとするチェコスロバキア(当時)ビルダーの機体には独特の雰囲気があります。ストリンガーとストリンガーの間にストリンガーが入らない胴体とか、リブの数は実機と同じとか、それでも飛行性能には妥協しないで確実に飛ぶ!いつしか「チェコ・スタイル」なんて代名詞がついた精巧な作り・・・
その中でも第二世代に入る若き天才ビルダー、ロバート・パジャスさんとは頻繁にではないけれど、何かあると、いや忘れた頃に?・・・写真が送られてきたり、何か情報が知りたかったり、で数年前からコンタクトがあります。
どこか年の割には落ち着いていて、機体の作り方も私のようにドタバタじゃなくてじっくり取り組むタイプ。飛行機に対するセンスも一流なんでしょうね、選択する機体の趣味もかなり上品でございます。そんな彼から新年のご挨拶と共に1枚の写真が送られて来ました。
ラデク・グレゴブスキーさん(Radek Gregovsky)の描く図面も信じられないくらい美しく緻密でありますが、それをものともせずそのまま作り上げるなんてね!スタティック・スケールの視点で見れば、ここは譲れないビルダーの意地みたいなものが見え隠れしています。
機体重量12-13グラム、製作時間は80時間、飛行性能だけを追求すればこんなに不利な機体は競技に向かないんでしょうが、ひとつの方向性であることは間違いありません。やれ「ゲテモノ」だ「ボーナス点」だなど邪心がある訳でもなく、ひたすら戦前のチェコスロバキアを飛んだ民間機を作り続けるというコンセプトには頭が下がります。
この図面はこちらのサイトからダウンロード可能です。
http://www.sfa-models.com/fotoarchive.html
ロバートさんの完成機は彼のホームページにも紹介されています。