クロスバイクで元気

念願叶った定年退職の身は、先立つ物は細く時間は太くの狭間。
歩いて、自転車に乗って感じたことを、気ままに書き続けます。

小林英樹さんは語ります 『ゴッホは、色彩で世界を表現する。』

2015年03月07日 21時34分38秒 | 美術展
毎年楽しみにしている三岸節子記念美術館で開催される「美術の学校」。
今年度は8年目なんでしょうね「美術の学校8」と銘うった今日は第1時間目。
愛知県立芸術大学名誉教授であり、画家、執筆家の小林英樹さんのお話です。
テーマは、『ゴッホ再発見の旅』、1時間半の講演予定で、なんとパワポを170枚以上準備されたとか。
午後2時の開始2分前にして、小林さんはマイクを片手にお話を始められます。

暗くなった会場では、ゴッホが描いたいくつもの絵が次から次へとスクリーンに映し出されます。
小林さんは問います。
『画家は何に感動して絵を描いたのか?』
小林さんのお話からは、ゴッホの絵画を評したキーワードがたくさん出てきます。
『自身の感動を表現することができる。』
『絵画は平面。画家は平面に量感を創り出す。』
『色彩が世界を表現する。』
『光、微妙な明暗が美しい。』
『彩度の低い色を、鮮やかに見せる。』
『文字までが絵画のように心理的な空間を産み出す。』

ゴッホは生きた最後の10年で、絵描きとしての人生を全うしたと語る小林さん。
自身も今後10年で、ゴッホ研究の集大成の成果を全世界に発信したいと締められました。
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名古屋芸術大学卒業制作展での不思議な空間と力強さ

2015年03月07日 12時54分32秒 | 美術展
三輪菜月さんの「帰路」。
画面中央を横ぎるのは、日常的な視線での水平線でしょうか。
その横に走る線の中央やや右寄りに縦にささる紡錘形のおもり様のもの。
夕凪に佇む画家の穏やかな心の表出が、これから先の時間までも取り込んで不思議な空間を構成しています。

深谷大惟地さんの「孤独は共存」。
自画像でしょうか、長髪の若いお兄ちゃんが右足を上げて(、向かって右へ屈曲して)、左足はつま先立ちで、両腕は“シェ~~”のポーズ。
でも姿形に反して、顔は真剣に瞑想。
よく見れば、両脚と左手には、細い蔦がからまっていて、お兄ちゃんの動きを抑え込んでいるようでもあります。
背景にはうっすらとビルの谷間か、マネキンか。
タイトルと描かれたシチュエーションを関連付けると、この境遇を楽しむお兄ちゃんの心の中が見えてくるようです。

新川恵理さんの「みい/みい/父・祖父」。
力強いタッチが無条件に私の気持ちをハイにしてくれて心地よいですね。
“みい”と名付けられた猫の絵が2枚、対比して置かれている、斜め上から活写した父親と正面を向いた祖父のポートレート。
2人のポートレートは茫洋とした時間に置き去りにされた表情で、“みい”の明白な意志が一段と強化されて表現されています。

「第42回名古屋芸術大学卒業制作展」は、愛知県美術館ギャラリー、名古屋市民ギャラリー矢田、名古屋芸術大学西キャンパスで8日(日)まで開催中です。
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