映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
コメントのところをクリックするとコメントできます。

『フロスト×ニクソン』

2009年12月12日 | Weblog
フロスト×ニクソン - goo 映画

よい

ロン・ハワード 監督
フランク・ランジェラ、マイケル・シーン、ケヴィン・ベーコン、レベッカ・ホール、トビー・ジョーンズ、マシュー・マクファディン、オリヴァー・プラット、サム・ロックウェル 出演

ウォーターゲート事件で失脚したニクソン大統領。その辞任中継の視聴率の高さに目をつけた人気テレビ司会者・フロストは、ニクソンへの1対1のインタビュー番組を企画。ニクソン側も扱いやすいフロスト相手のインタビューを名誉回復の機会ととらえ、法外なギャラで出演契約を結んだ。フロストは事件に対する謝罪の言葉を引き出すべく、ゼルニックとレストンをブレーンに迎え、質問の練り上げ作業に入るのだが……。



勘違いしてはいけない。これは政治的な映画ではなく、テレビとはどういうものかを冷徹にわかりやすく解説した作品である。

政治には無関心の司会者が自分の将来と視聴率とだけを考えてターゲットをニクソンに絞っていく冒頭、ニクソンの敗北をことばで説明したラスト。それらはテレビ(とテレビのスタッフ)の特徴と危険性とで最初と最後を飾ったのだ。

歴史的な事実としてのおもしろさはほとんどなく、特に前半は退屈であるといってもよい。しかし、前半のしめくくりといえるニクソンのジョーク、後半のはじまりといえる「チーズバーガーの電話」から俄然おもしろくなる。つまり、<創作>要素によってストーリー的なおもしろみを出しているのだ(エンドクレジットで一部の登場人物や出来事は創作であると書いてあったはずである)。

テレビの特徴をとらえたことと後半のストーリーがおもしろいこととで、この作品の評価が決まった。