個人的に、経済学ってのは学ぶに値するジャンルだと思っている。
思ってはいるんだが…。このジャンルに対する世間の風当たりは強い。「役に立たない学問だ」とよく言われるのである。
俺も、ちまたの経済学者を見ていると思う。「役に立たない連中だなぁ」と。
結局、経済学の学説が正しかったかどうかがわかるのは、結果が出てからだからだろう。
難しい事を言う奴の思い通りにコトが進んだ試しがないと思わないか。
俺は別に、経済学をちゃんと勉強したわけではないから、偉そうな事を言える立場ではないのだろうけど…。「なんかおかしい」のは判るのである。
今日も、こーゆー記事を見つけた。
【ダイヤモンド】人口は減少、生産性は先進国で“ひとり負け”わが国が置かれている現実を直視しよう
http://diamond.jp/articles/-/53225
よく聞く台詞だ。「日本は生産性が先進国で一人負け」。
でね、「日本人は作業効率悪いんや。残業しまくって、やっと欧米と対等なんや。なんでこんなに非効率やねん」とか、こーゆー識者には言われるわけだが。
まあ日本人としては、身に覚えもあるわけで、納得してしまうやん。
でも、これって違和感ないか?
例えば、俺はフランス企業が倒産の危機に瀕した時、フランス政府がアメリカ企業に買収を要請したら、「フランス人は1日3時間しか働かないからいらん」って言って断った…って記事を読んだ事がある。
【AFP】仏労働者は「1日3時間しか働かない」、米企業CEO
http://www.afpbb.com/articles/-/2930103?pid=10322749
これをもってして、欧州全体の企業があかんとは言わん。でも、こーゆー欧米と比較して、日本が「一人負けしている」と宣伝される事に納得がいかないのである。
これらの納得出来ない部分はなんだろう?と俺は以前考えていたのだけど。多分、回答は、日本のびっくりするぐらいのサービスの安さではないかと思う。なんでもかんでも安いから、みんな収入も減っちゃうのである。デフレ20年は伊達ではない。
で、こーゆー時、経済学者は何をするかというと、「効率」とか「節約」を推奨するのである。
【BLOGOS】チャンスとも言える日本の低い労働生産性
http://blogos.com/article/70315/
別に節約は悪ではない。が…。
この後、この記事では、「節約すると、例えば支払われるハズの掃除婦への賃金がプールされ、サイゼリヤは価格の安いメニューを提供できるようになる」と述べているのだが、これが「労働生産性を上げる解である」と書いているのである。
このBLOGOSの記事と、冒頭で紹介した労働生産性の記事と2つを読んで、わかったような気がしないだろうか。
よーするに、給料もモノも高いか、給料もモノも安いかだけの話なのだ。
海外「日本ではこんなに安いの!?」日本のレストランで外国人がランチメニューを食べてみた
http://blog.livedoor.jp/otataho/archives/38928398.html
こーゆー指標は、ある程度均一化しないと、優劣なんて語れないやん。ってな具合で、ビッグマック指数(世界中に存在するマクドのビッグマックの価格で国ごとの経済の優劣を調べようって試み)とか、購買力平価算(ビッグマック指数は購買力平価算の一種)とかがあるわけじゃない。
よーするに、日本はダメだダメだといいつつ、上記のような「識者」連中はこーゆーのを無視しているんだよな。
さらに言えば、購買力平価算にしても、指標としては程遠い。例えば、コンゴでスプーンが2円で購入できて、日本では最低でも100円だったとするならば、コンゴのスプーンを100円と考えて、平均収入を見てみましょうって話なんだけど。この場合、コンゴのスプーンの方が確実に質が落ちるだろうし、そもそも税金や公共サービスとかも、コンゴとは大きく異なるのである。
アメリカ人はダントツの生産性だが、一般人は病院にかかれない程医療費が高騰していると聞く。どっちがいいのかって話なら、俺は日本の方がいい。
ここで、「欧米に負けるな。情けないままでいいのか」と煽る連中は、対策としてむしろ逆効果になりそうな事を語る。移民だのTPPだの。今の欧米を見て、「こうはなりたくないなぁ」と反面教師にすべき部分を、礼賛するのである。
こういう連中を見ていると俺は怒りがこみ上げてくる。
だから、経済学は役に立たないなんて言われるんだよ。
でも、俺は逆に、そこそこ経済について詳しいからこそ、それなりに反対意見に気がつけると思うのだ。そういう意味で、経済学は学ぶに値する学問だと思う。
経済学は学ぶに値するだろう。
それを貶めているのが、現在跋扈する日本の経済学者達だと。それだけの話なのではないだろうか。

人気ブログランキングへ ※最近ランキング下降気味です!応援よろしお願いします
経済のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ 増補改訂版
思ってはいるんだが…。このジャンルに対する世間の風当たりは強い。「役に立たない学問だ」とよく言われるのである。
俺も、ちまたの経済学者を見ていると思う。「役に立たない連中だなぁ」と。
結局、経済学の学説が正しかったかどうかがわかるのは、結果が出てからだからだろう。
難しい事を言う奴の思い通りにコトが進んだ試しがないと思わないか。
俺は別に、経済学をちゃんと勉強したわけではないから、偉そうな事を言える立場ではないのだろうけど…。「なんかおかしい」のは判るのである。
今日も、こーゆー記事を見つけた。
【ダイヤモンド】人口は減少、生産性は先進国で“ひとり負け”わが国が置かれている現実を直視しよう
http://diamond.jp/articles/-/53225
よく聞く台詞だ。「日本は生産性が先進国で一人負け」。
でね、「日本人は作業効率悪いんや。残業しまくって、やっと欧米と対等なんや。なんでこんなに非効率やねん」とか、こーゆー識者には言われるわけだが。
まあ日本人としては、身に覚えもあるわけで、納得してしまうやん。
でも、これって違和感ないか?
例えば、俺はフランス企業が倒産の危機に瀕した時、フランス政府がアメリカ企業に買収を要請したら、「フランス人は1日3時間しか働かないからいらん」って言って断った…って記事を読んだ事がある。
【AFP】仏労働者は「1日3時間しか働かない」、米企業CEO
http://www.afpbb.com/articles/-/2930103?pid=10322749
これをもってして、欧州全体の企業があかんとは言わん。でも、こーゆー欧米と比較して、日本が「一人負けしている」と宣伝される事に納得がいかないのである。
これらの納得出来ない部分はなんだろう?と俺は以前考えていたのだけど。多分、回答は、日本のびっくりするぐらいのサービスの安さではないかと思う。なんでもかんでも安いから、みんな収入も減っちゃうのである。デフレ20年は伊達ではない。
で、こーゆー時、経済学者は何をするかというと、「効率」とか「節約」を推奨するのである。
【BLOGOS】チャンスとも言える日本の低い労働生産性
http://blogos.com/article/70315/
サイゼリヤ社員が、どうしたら店からゴミを一番早く無くす事が出来るのかという研究を行った結果、通路の幅に合ったモップを使用する事が良い事が分かった。なので、サイゼリヤは専用のモップを導入し、掃除にかかる時間を半分にする事に成功した。
別に節約は悪ではない。が…。
この後、この記事では、「節約すると、例えば支払われるハズの掃除婦への賃金がプールされ、サイゼリヤは価格の安いメニューを提供できるようになる」と述べているのだが、これが「労働生産性を上げる解である」と書いているのである。
このBLOGOSの記事と、冒頭で紹介した労働生産性の記事と2つを読んで、わかったような気がしないだろうか。
よーするに、給料もモノも高いか、給料もモノも安いかだけの話なのだ。
海外「日本ではこんなに安いの!?」日本のレストランで外国人がランチメニューを食べてみた
http://blog.livedoor.jp/otataho/archives/38928398.html
こーゆー指標は、ある程度均一化しないと、優劣なんて語れないやん。ってな具合で、ビッグマック指数(世界中に存在するマクドのビッグマックの価格で国ごとの経済の優劣を調べようって試み)とか、購買力平価算(ビッグマック指数は購買力平価算の一種)とかがあるわけじゃない。
よーするに、日本はダメだダメだといいつつ、上記のような「識者」連中はこーゆーのを無視しているんだよな。
さらに言えば、購買力平価算にしても、指標としては程遠い。例えば、コンゴでスプーンが2円で購入できて、日本では最低でも100円だったとするならば、コンゴのスプーンを100円と考えて、平均収入を見てみましょうって話なんだけど。この場合、コンゴのスプーンの方が確実に質が落ちるだろうし、そもそも税金や公共サービスとかも、コンゴとは大きく異なるのである。
アメリカ人はダントツの生産性だが、一般人は病院にかかれない程医療費が高騰していると聞く。どっちがいいのかって話なら、俺は日本の方がいい。
ここで、「欧米に負けるな。情けないままでいいのか」と煽る連中は、対策としてむしろ逆効果になりそうな事を語る。移民だのTPPだの。今の欧米を見て、「こうはなりたくないなぁ」と反面教師にすべき部分を、礼賛するのである。
こういう連中を見ていると俺は怒りがこみ上げてくる。
だから、経済学は役に立たないなんて言われるんだよ。
でも、俺は逆に、そこそこ経済について詳しいからこそ、それなりに反対意見に気がつけると思うのだ。そういう意味で、経済学は学ぶに値する学問だと思う。
経済学は学ぶに値するだろう。
それを貶めているのが、現在跋扈する日本の経済学者達だと。それだけの話なのではないだろうか。

人気ブログランキングへ ※最近ランキング下降気味です!応援よろしお願いします
経済のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ 増補改訂版
