「キミの将来を思って」
という言葉には思惑が入りやすい、と常々思ってきました。
少なくともこの言葉を吐く個人の思惑が入りますよね。どんなに真剣に、自分の都合を考えずにその人のことだけを考えた結果言う場合ですら、その思惑からは逃れられません。聞く方は注意が必要です。
思惑には個人レベルだけでなく、地域の、病院の、医局の、など各レベルのものが入り込みやすい。
だんだん年取ってきて、若者に対してこの言葉を吐く機会が増えるようになりました。言わないと動かないせっかくの素晴らしい能力が開花しないままの人、ここを直せばもっと得するのにと思う人が結構いるからです。自身の歴史を振り返っても、ガツンと言われて始めて動き出すこと、修正することが幾度となくありました。「ボクの将来を思って」言ってくださって本当に感謝しています。
自分が言うときには、できるだけ“思惑”が入らないように、純粋に「キミの将来を思った」結果を話すようにしていますが、自信がありません。医局というのはいろいろな指向を持った人の集合体なので、メンバー全員の願いを100%叶えることも難しいからです。どうしても我慢してもらうこと、すなわち医局レベルの思惑が生じます。
我慢を最小限に、かつ我慢してもらうからには何か必ず個人が成長する収穫があるように心がける、ことで対応しようと考えています。