Dr. 讃井の集中治療のススメ

集中治療+αの話題をつれづれに

加藤友朗コロンビア大学医学部外科学教授 「ニューヨークで行われているPCR検査の意味」

2020-09-04 16:43:11 | 集中治療

ヒューモニー 特別連載 第15回 特別対談 加藤友朗コロンビア大学医学部外科学教授 「ニューヨークで行われているPCR検査の意味」

https://humonyinter.com/column/med/med-15/

古くからの友人、恩人である加藤友朗先生との対談パート2。

PCR検査の使い方、その目的を明確にしよう、という話。

「景気の気は気持ちの気」。経済活動に”安心感”は極めて大切な要素だと思います。安心感、すなわち不安がないことは、医療現場で陽性患者さんや疑い患者さんを診療する医療従事者にとっても、そして患者さん自身にとっても重要な要素です。

もちろん、これからも社会の標準予防策、すなわち三密回避、マスク、手指消毒を続けていかなければなりませんが、PCR検査を疫学的な目的で広く行い感染率を把握し、ある地域の陽性率が一定以下に低下していることがわかれば(基準を決める必要があります)、活動再開許可の基準としてわかりやすい。

「食べに、飲みに、見に、旅行に出かけてみよう」という人を、今よりも安心して増やせるのではないでしょうか。また自分が陰性だとわかれば、自分の周囲も安心して活動に参加できるでしょう。

現在用いられている、例えば新規感染者数や実行再生産数はどうしてもわかりにくいし、安心感が得られにくい。なぜなら、検査数がまだ不十分だとみんな知っているからです。

もちろん不安を完全にゼロにはできませんが、経済活動拡大にはやはり「気持ちの気」が大事。

ただ、医療現場でもまだ検査アクセスが完全ではない、という声を聞く状況では、戦略的に拡大していく必要があると思います。そんなことはお前に言われなくても考えて、実行している、という声が聞こえてきそうですが。。。