知的財産研究室

弁護士高橋淳のブロクです。最高裁HPに掲載される最新判例等の知財に関する話題を取り上げます。

光照射処理装置審取

2011-03-13 18:01:44 | 知的財産法

平成21(行ケ)10256:4部

請求棄却

本件は、無効審判不成立審決に対して取消を求めるものです。

原告は、引用発明1に「周知の基礎技術」を適用することにより容易に得ることができる「紫外線照射処理装置X」を観念し、これに引用発明2のランプ配置を適用等することにより、本件発明の構成に相当することは容易であると主張しました。

これに対し、本判決は、このような主張はそれ自体失当であると述べた上、仮に、「紫外線照射処理装置X」を観念できるとしても、これと引用発明2とは、技術分野及び課題を異にするので、容易想到とはいえないと判断しました。

そもそも、進歩性判断の基礎となる発明は、「刊行物に記載された発明」等であり、「刊行物に記載された発明」に周知技術を適用することにより容易に得られる発明は、これに該当せず、引例としての適格性を欠くと解されます。なお、、「刊行物に記載されているに等しい事項から当業者が把握できる発明」は、引例としての適格性があることに留意すべきと想われます。


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