平成22(行ケ)10235:
請求認容
本件は、拒絶査定不服審判請求不成立審決に対して取消を求めるものです。
争点は進歩性の有無。裁判所の判断は18頁以下。
結論は妥当に思われますが、ロジックを追うことが困難です。
裁判所は、21ページにおいて、補正発明と引用発明との関係について、「補正発明は、前記1の本願明細書記載のとおり、相違点1、2に係る引用発明の構成を従来技術として認識し、そこにおける技術的課題を設定し、その解決手段としてその構成を採用し、それに伴う作用効果を見い出したものであって、引用発明が想定していない偏光フィルムと位相差フィルムの貼り合わせの位置関係を前提にして、両フィルムを積層させる液晶表示装置用重畳フィルムの製造方法の完成に至ったものである。このような補正発明が意図した技術的課題とその解決手段にかんがみ、引用文献1の上記記載をみると、相違点1、2に係る補正発明の構成が引用文献1で許容されているみるのは相当でない」と述べています。そうであるならば、引用文献2等の記載がどうであれ、この論理(補正発明が従来技術の延長線上にあるものではないこと)で「容易想到性」を否定することが可能なはずであり、この後に続く裁判所の認定判断の位置づけが良く分かりません。
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