田口・白鳥シリーズの第四弾です。
海堂先生が、これでもか、というくらいに、官僚・医療関連学会のダークサイドを描き出します。これが、エンターテイメントではあり、ノンフィクションでないこと(ならない)を祈ります。
テーマは、おなじみのAI問題。死因解明にAIを用いるのはとても合理的ですよね。しかし、合理的な議論が通用しないのが海堂ワールド(注:ノンフィクションでないこと(ならない)を祈ります)。
この本の官僚達の言動をみていると、部分最適化が全体最適化を妨げる典型例とみえます。僕は、もともと大蔵官僚になろうと思い、東大目指して勉強していましたが、東大新聞又は東大生協にあった本で、「官僚の賃金は民間よりも低いが、天下りを続けることで元が取れる」という趣旨の文章を読み、「天下りするまで生きているか分からないし、年を取ってから金をもらっても仕方がない」という不純な動機で官僚を選択肢から排除しました。今にして思えば、直感的に、「このシステムは保たない」と感じたのかもしれません。
本に戻ると、途中までは、フラストレーションがたまることもありますが、ミスターXが最後にはしごを外される場面は痛快です。
また、「イノセント・ゲリラ」彦根も超カッコイイ。またの活躍を期待しています。
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