知的財産研究室

弁護士高橋淳のブロクです。最高裁HPに掲載される最新判例等の知財に関する話題を取り上げます。

コピーライト「最近の著作権裁判例について」を読む2

2011-03-09 09:00:00 | 著作権

3 破天荒力事件

平成22(ネ)10017

本件は、第1審で複製権侵害が肯定、第2審で否定されたものです。

棚木さんによると、「思想や感情の表現との峻別、ありふれた表現にすぎないか否かの判断の難しさ」が現れているとのことです。

4 研究論文事件

平成22(ネ)10004

これも地裁と高裁とで判断が分かれたものです。

棚木さんによると、「他の表現の選択が可能であっても、そのことから、当然に、創作性が生じると解するべきではなく、創作性を有するとするためには、表現に個性が発揮されていることを要する」と述べている部分が注目されるとのことです。個性が発揮されていない表現とは、ありふれた表現のみならず、表現内容に応じて普通に選択されたものも含むと解されます。逆にいえば、創作性を有するためには、他の表現の選択可能性の他、当該表現の特徴を主張立証する必要があるといえましょう。

 

 


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