平成22(行ケ)10322:
本件は、無効審判不成立審決に対して取消を求めるものです。
請求認容
裁判所の判断は17頁以下。
本判決は、引用例1の解釈について、技術常識を考慮して刊行物に記載された事項から導出された事項は、刊行物に記載されているに等しい事項といえると述べました。もっとも、「刊行物に記載されたある物質の中に、たまたまそれとは別のもう一つの性質を有するものが記載されていたとしても、直ちに当該刊行物に当該別の性質に係る物質が記載されているというべき」と述べています。
そして、期待する薬理作用の相違等から、引用例1のHA1107等のカルシウムアンタゴニストと同じ薬理作用を示すRhoキナーゼ阻害剤に置換することが容易に想到できたということはできないと判断しました。
また、視点の相違を理由として、 カルシウムアンタゴニストの使用を開示する引用例1に接した当業者が、薬理作用の共通性を根拠にカルシウムアンタゴニストをRhoキナーゼ阻害剤に置換することが可能とは考えがたいと述べました。
医薬品の特徴を踏まえた妥当な判断です。
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