知的財産研究室

弁護士高橋淳のブロクです。最高裁HPに掲載される最新判例等の知財に関する話題を取り上げます。

「フェイスブック 若き天才の野望」を読む

2011-02-15 23:23:18 | 読書
映画の原作とは別の本です。ザッカーバーグ寄りの論調ですが、べったりではありません。

少なくともザッカーバーグがお金目当てでファイスブックを運営してはいないことは納得できました。彼の希望は、フェイスブックを通じて世界を透明化にすることらしいです。

もちろん、ファイスブックの運営にはお金がかかるので(初期にはサーバー代が費用の大きなウエイトを占めたらしい)、ビジネスにも利用されていますが、これが真の目的ではないようです。

ザッカーバーグの野望は、世界のあり方を変えること、その手段の一つが情報の共有化。その反面としてのユーザー自身による情報のコントロール。

チュニジア革命、エジプト革命を見ていると、ザッカーバーグの野望は一部実現しつつあるようです。日本でも同じことが起こらないとは誰もいえないでしょう。今後、若年層の失業率が悪化してくれば、そして、政府が何も手を打たなければ、ファイスブック・ツイッターを基盤とする政党が出現し、大きな支持を集めるかもしれません。そうなれば・・・

なお、シェリル・サンドバーグなど、現在のフェイスブックを支える人材がグーグルから移籍しているのは、いかにもシリコンバレー。会社の成長に合わせて、人材を入れ替えていく過程は、中国の帝国成立史を彷彿させます。

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)
デビッド・カークパトリック
日経BP社

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