スーパーみちべる商標審取
平成23年(行ケ)第10135号 審決取消請求事件
本件は、「スーパーみちべる」という商標に関して拒絶査定不服審判に対して取消を求めるものです。
争点は本願商標と引用商標との類否です。
裁判所の判断は5ページ以下。
本判決は、氷山事件とつつみ事件の最高裁判決を引用した後、本願商標と引用商標との類否について、「本願商標は,赤系色の横長矩形内に,上段中央部に片仮名で「スーパー」をやや小さく,下段中央部に平仮名で「みらべる」をやや大きく,いずれも白色の縁取りがされた黒色の太文字で,横書きしたものであって,鮮やかで明瞭な配色により, 全体として,まとまった外観を呈しているのに対し,各引用商標は,「MIRABE LL」,「Mirabell」及び「MIRABEL」であり,本願商標と引用商標とは,その外観において,著しく相違する。 本願商標は,「スーパーミラベル」の称呼を生じるとともに,場合によって,「スーパー」ないし「ミラベル」の称呼を生じる余地があり,これに対し,引用商標は, 「ミラベル」の称呼を生じることから,本願商標が「スーパー」,「スーパーミラベル」の称呼を生じる場合には,両者の称呼は類似しないというべきであるが,本願商標が「ミラベル」の称呼を生じる場合には,類似することがある。本願商標が一般的な観念を生じないと解される場合には,引用商標は格別の観念を生じないので,対比することができず,結局,両商標は,類似するとまではいえない。本願商標が,「『みらべる』との名称のスーパーマーケット」との観念が生じる場合があるならば,引用商標は格別の観念を生じないので,両者は,類似しない」と述べた上。「原告は,各店舗の出入口の上部に,本願商標とほぼ同一の書体と色彩により「スーパーみらべる」の店舗名の表示を掲げるなどして,本願商標を顧客に対する便益の提供役務に使用している実情があり,引用商標と類似する使用態様がされているとの事実は存在しない」とし。結論として、「本願商標と引用商標とは,「ミラベル」との称呼において類似する場合があり得たとしても,外観において著しく相違し,かつ観念において類似するとはいえず,取引の実情等を考慮しても,本願商標がその指定役務「『飲食料品』,『食肉』,『食用水産物』,『野菜及び果実』,『菓子及びパン』,『牛乳』,『清涼飲料及び果実飲料』,『茶・コーヒー及びココア』,『加工食料品』の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用された場合に,引用商標との間で商品ないし役務の出所に誤認混同を生じさせるおそれはないから,両商標は, 類似しない」と判断しました。
本判決は、取引の実情について比較的詳細な認定をした事例として参考になります。
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