上海オルゴールミュージアムにオートマタを見に行ってきました。
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ミュージアムは、浦東新区の東方芸術センターのなかにあります。
この建物の胡蝶が咲いているような外観は、フランスの有名な建築デザイナーPaul Andreuの設計で、2004年12月のオープンしました。
建築面積約4万平米の敷地内には、音楽ホール (1966席) 、オペラ劇場 (1020席) 、演奏ホール (327席) があり、今までにない最先端の設備を備えた大型文化施設となっています。
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階段を上っていくと、広いホールの一角にリュージュのオルゴールショップがあり、ミュージアムへは、エレベーターで4階に上ります。
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パンフレットの表、館内の写真撮影は禁止です。
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パンフレットの裏、1796年スイス製の世界最古のオルゴール(直径3cm)は、東京に貸し出し中とのことでした。
シリンダーオルゴールやディスクオルゴールの100年あまりを経た音色、よく手入れされたオルゴールは、できたときよりも年を経て、音色がまろやかになるといわれています。
オートマタは、京都嵐山オルゴール博物館をはるかに上回る数が展示されています。
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そのなかのアンドロイド「画家」、1997年、フランソワ・ジュノが、有名なジャケ・ドローの名作を復元したものです。
説明文にあるとおり、見事なものです。
もう2~3ヶ月動かしてないというのを、特別に動かしてくださいました。
説明は、日本語で、つきっきりで、ていねいにしてくださいます。
ゼンマイを60回巻いて、
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彼が描き上げた「犬」の絵と文字、
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「ルイ15世」の絵、
絵を持たせてもらって、もう感動して、じっと見つめていたら、なんと2枚ともプレゼントしてくださいました。
紙の大きさは7cm×10.5cm、うれしくてたまりません。
京都でいただいた「帆船」とあわせて、オートマタが描いた絵が3枚になりました。
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この「画家」の横にいる画家は大人の画家ですが、彼は「狼と赤ずきんちゃんとおばあさんの家」を描きます。
ジャケ・ドローの「書記」を復元したのは、ジャケ・ドロー本人をモデルにしていて、Jaquet Drozとサインをします。
彼らが描き、書いたものも、実に見事です。
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オートマタの動力源はゼンマイです。
歴史は古く紀元前から作られていたという記録もあるそうですが、こういう精緻なものが作られるようになったのは18世紀後半になってからで、当時は王侯や貴族のみが所有できる高価なものでした。
庶民がオートマタを楽しむことができるようになったのは、19世紀の中頃にフランスに多くの工房が誕生してからだそうです。
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「それは機械仕掛けの芸術品であり、思想と科学の結晶であり、そして、希少な文化遺産である」
野坂オートマタ美術館のホームページのトップにある言葉ですが、ほんとうに、そのとおりだと思います。
明日から、私が出会ったかぎりのものでのご案内ですが、オートマタの世界への入口になればと思います。