前回の続きです。
日本吟道学院公認修神会H29年秋季吟道大会(平成29年10月21日(土)、
横浜市青葉公会堂)での、特別番組コーナー学友杉村何彦君の俳句「里帰り3句」
の紹介です。
俳句連吟(里帰り) 杉村何彦
知覧へと 母のふところ 鳥渡る
秋ともし 薩摩切子の 瞬けり
古里の 迎へは深き 銀河かな
本日は「句のこころ」を紹介します。(プログラムから転載)
「里帰り」の3句は、妻の里鹿児島に里帰りした際の句。
この時、知覧を訪ね、記念館で戦死した若者達とその家族の残した数々の遺品、
母を想う手紙や歌も沢山拝見した。
◎南の海で亡くなった若いみ霊が毎年母の待つ知覧へ帰って来るのだろう。
青い海を高い空を鳥となって…。
◎薩摩切子は鹿児島の特産品として有名だが、
棚に飾られている薩摩切子が秋の灯を受けてちかりちかりと光っている。
田舎の宿の静かな秋の夜、昼間の知覧での若者達のことが悲しく想い出された。
◎妻の古里は鹿児島の山里で、帰郷時には友人の家に泊めてもらった。
その家は妻の生家よりさらに山の中で隣家もなく、暗くなると満天の星空である。
銀河は深々と頭上にあり、昼間には古くからの知人、友人に迎えられて、
古里の懐の深さ、暖かさを改めて感じるのであった。
①その1(前回) 杉村何彦君のプロフィールと「里帰り」3句を紹介しました。
そして、②その2(今回) 「里帰り3句のこころ」をプログラムから転載紹介しました。
更に来週、③その3(最終回の次回) 桑原滋龍さんの俳句連吟「里帰り」を紹介予定です。
では、次回をお楽しみ下さい。ありがとうございました。