JUNSKY blog 2015

私の時事評論等です
文化関係の記事は、
【観劇レビュー&旅行記】(ブックマークのTOP)
で書いています

嘉穂劇場「第九」 リハーサル

2006-12-15 23:17:05 | 音楽レビュー
  (写真は嘉穂劇場での第九全体リハーサル)

今日12月15日は、嘉穂劇場「第九」 リハーサルでした。
今日は寒さも和らぎ、歌っていると暑いくらいでした。

これまでは、音楽室などあまり大きくない空間で、響きも結構ある会場で練習していましたから、この音響反射板のない、大きな響きの少ない空間で歌うのは全く勝手が違っていました。
まず、自分の声はあまり聞えず、背後で歌っている人の声が耳につきました。

配置は、男声全員がステージ背後中央に乗り、女声が50名ほど上手(かみて:向かって右)にアルト・下手(しもて:向かって左)にソプラノで男声を挟みました。
そして、客席2階・最前列に女声百名ほどが並ぶ形でした。(下の写真)


しかし、一通り終了後、バランスを聴いていた練習指揮者がフォルカ・レニッケ氏と相談し、男声も2階に上げることになりました。
男声全員が2階に上がるのかと思っていたところ、「2階にテナー・バスそれぞれ4名だけ上がって!」「暗譜で歌える人、さっと行って!」という志願兵募集だったので、私他8名が2階に上がりました。

2階は、天井が比較的近く、木板の格子天井羽目板となっているので、結構反射音が返ってきます。
舞台上で歌っているのとは全然違います。
私の歌っている位置から写したのが冒頭の写真。
若干下手よりの2階と言う訳です。

あすゲネプロが午後3時ごろからあり、6時の本番を迎えます。

練習指揮者の御評価では、
「去年よりは相当よい出来だから、自信を持って歌ってください」
と、励ましのエールを送ってくれました。

本番は12月16日午後5時開場、午後6時本番です。
まだ、当日券が幾らか残っているようです。
ぜひご来場ください。
写真は、嘉穂劇場前に掲示されている大看板です。

****************************

嘉穂劇場「第九」・8回目
このシリーズを最初から読む   第7回へ
番外編へ  第9回へ

************************************************
最後まで御覧頂きありがとうございました。
ついでにワン・クリックしていただければ嬉しいです。

************************************************

のだめ & シモン・ボリバル国立ユース管弦楽団

2006-12-13 22:03:28 | 音楽レビュー
 今日12月13日、国会の会期終了を翌日に控え、「教育基本法改悪反対」緊急集会が、夕方福岡市天神ソラリア横の警固公園で開かれました。
 6時半開会だというのに、私が仕事を終えて駆けつけた6時50分には、警固公園に集会の人影は無く、クリスマス・イルミネーションを楽しむ若者達が群がっていました。
 周辺を歩き回り、ようやくキャンドル行進の隊列を見つけ、この列に参加して2・3分後には岩田屋広場で解散でした。
短時間集中という発想は悪くはないのですが、あまりにも早く終わりすぎで、サラリーマンには参加が難しいですね。
 で、集会や行進の写真を撮る間もなく、終わってしまいました。
上の写真は、緊急集会撤収後の警固公園のクリスマス・イルミネーションです。

 と言う事で、時間も持て余し気味かつ、せっかく天神まで出向いてきたことでもあり、このまま帰るのももったいないのでタワーレコードに行きました。

 色々と聴きたいディスクはあるのですが、まずは「フィガロの結婚」のDVD。
そしてNAXOSの日本人作曲家シリーズから山田耕筰の「長唄交響曲」と大木正夫の交響曲第5番「ヒロシマ」を選び、店内を見て歩いていると、先日このブログで紹介した ベネズエラのグスタヴォ・ドゥダメル指揮【シモン・ボリバル国立ユース管弦楽団】が演奏するベートーヴェンの交響曲第5番・第7番のカップリングが見つかったのでこれをGET!

 ところで、このディスクどのコーナーにあったと思います?

 おもしろいことに、なんと「のだめ」コーナーに置いてあったのです。
「のだめカンタービレ」を見ている方は御存知のように、このドラマのテーマの一つがベートーヴェンの交響曲第7番なのですが、この第7番つながりで置いてあったんですね。ですから結構目立つように置いてありました。
 今、そのCDの第5番を聞き終わって7番が始まったところです。
若々しく、溌溂とした演奏です。
 音はと言うと、残念ながら今このブログを書きながら、パソコンのCDプレーヤー(DVD兼用)でイヤフォンで聴いているので、ちょっと薄っぺらな音です。明日通勤途上でカーオーディオで聴いて見ます。
 それでも、活気ある演奏の雰囲気は伝わってきます。
30ページに亘るCDケースサイズの冊子が付いているのですが、英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語で日本語は無し。
 
と言う訳で、今日はCDのご紹介でした。

************************************************
最後まで御覧頂きありがとうございました。
ついでにワン・クリックしていただければ嬉しいです。

************************************************

【シモン・ボリバル国立ユース管弦楽団】

2006-12-06 21:14:55 | 音楽レビュー
先日の「のだめカンタービレ」の記事にオーケストラ繋がりというか、
「ポラリス」JCPmetalさんよりTBを頂きました。

ベネズエラの【シモン・ボリバル国立ユース管弦楽団】についての記事でした。

『我が意を得たり』の思いだったので、コピペしてご紹介します。

以下、「ポラリス」の引用
**********************

このベネズエラのオーケストラ

【シモン・ボリバル国立ユース管弦楽団】

については、12月6日付けの、赤旗「潮流」欄で(私;引用者;も)初めて知りました。

 先日大統領選挙に圧勝し三度目の勝利を獲得したベネズエラのチャベス大統領が、力を入れている分野だそうです。

 貧困対策に力を入れ、豊かな石油収入を以前のように一部の大資本家とアメリカに持っていかれるのではなく、貧困対策や医療・教育に集中して投資し、大きな成果をあげているチャベス大統領は、文化面にも力を入れていることが良く解りました。

「潮流」は、一般紙で言えば「天声人語」のような一面下のコラムなのですが、結構文化に造詣の深い人が書いているようです。

 このコラムを私が解説するより、コラムそのものが良く考えて短くまとめていますので、そのまま引用します。残念ながら電子データが無いので、タイプ入力します。(タイプ入力はポラリス執筆者の方です;引用者)
*************************
【潮流】2007年12月6日

▼ オーケストラの名門中の名門、ベルリン・フィルの前音楽監督クラウディオ・アバド、後を継いだサイモン・ラトル。二人が絶賛し、もっとも将来を期待する若者がいます。
▼ グスタヴォ・ドゥダメル(Gustavo Dudamel;引用者追記)。20代半ばの彼は、ベネズエラの指揮者です。日本でも今秋、ベートーヴェンの第5・第7交響曲のCDが輸入販売され、覇気にみちた堂々の演奏で聴き手をうならせました。

▼ オーケストラは、シモン・ボリバル国立ユース管弦楽団です。ユースだから、みんな青年です。写真を見ると、さまざまな肌の色の若者が集まっています。なかにはかつて路上でくらし、アルコールにおぼれていた人もいます。
▼ 社会の荒廃から青年を抜け出させ、貧しくても彼らが能力を生かせるように支える音楽活動は、かなり前に始まったようです。いまや全国に125のオーケストラがあります。貧困対策を約束して8年前に誕生したチャベス政権は、国をあげてとりくみます。
▼ CDで一躍ベネズエラの勢いを世界に知らせた楽団の名は、スペインとたたかった19世紀南米の独立運動の指導者にちなみます。チャベス政権は、国名も「ベネズエラ・ボリバル共和国」と定めました。チャベス大統領は先の選挙で、アメリカが後押しする候補を圧倒し、三選を果たしました。
▼ 「アメリカの裏庭」といわれた中南米に、続々と左派政権が生まれ、変革のうねりはやみません。自由で平和なラテン・アメリカの共同、連合は、ボリバルの夢でもありました。

**********************
 以上、引用終わり。

私も、この記事を全面的に支持し、御訪問のみなさんにご紹介しました。
今日も、コピペの手抜きですみませんです。

なお、タワーレコードの御紹介 では以下の通りです。
(ここは、商品広告になるのでポラリスさんにはありませんでした)
*************************
いかにも練習量が多い鍛錬した演奏という感じであり、内声部がくっきりと聴こえ、単調無味なフレーズは皆無、ドライヴ感バツグンの颯爽としたベートーヴェンです。火を吹かんばかりの豪速(6分9秒)で聴く第7の終楽章は圧巻!

大注目!若きドゥダメル、ドイツ・グラモフォンからデビュー!
南米ベネズエラ出身のグスタヴォ・ドゥダメル(Gustavo Dudamel)は、2005年9月にドイツ・グラモフォンと専属録音契約を結んでいます。ドゥダメルは1981年生まれで、4歳からヴァイオリンを始め、その後シモン・ボリバル国立ユース管弦楽団で活躍。1999年には同管の音楽監督に就任。ここで、クラウディオ・アバドやサイモン・ラトルらから指導を受けています。
“Dudamel and his young orchestra's devotion to music have impressed me from the first moment.”---Claudio Abbado
“…the most astonishingly gifted conductor I've come across.”---Sir Simon Rattle 


2004年に開かれた第1回グスタフ・マーラー国際指揮者コンクールで優勝。既に、スウェーデンのエーテボリ交響楽団の次期首席指揮者に決定しており、2つのポジションを兼任する形になっています。彼は、2005年のBBCプロムスにおいて、N.ヤルヴィの代役としてを初めてエーテボリSOを指揮。その演奏が大好評だったそうで、正に大抜擢といった所。
「初めてエーテボリ響をプロムスで指揮した時に、団員の高いスキルと何ごとにもオープンに対応する姿勢に強く心を打たれました。瞬く間に、オーケストラとまるで恋に落ちたようなものです。」ドゥダメルのコメント[プレス・リリース]

2006年の段階で、まだ25歳になったばかりの俊英指揮者の第1弾は、正にクラシックの王道と言えるベートーヴェンの交響曲2曲!手兵シモン・ボリバル国立ユース管を指揮した演奏に、天下のグラモフォンも大いなる自信を持ってプロモーションを行っています。ベートーヴェンの第5、7番でのデビューということで、ティーレマン並みのプッシュを受けているようです。
※2007年には、ロサンゼルスとシカゴへのコンサート・ツアーも決定![2006年7月情報]
【曲目】
ベートーヴェン:交響曲第5、7番
【演奏】
Simon Bolivar Youth Orchestra of Venezuela / Gustavo Dudamel
グスタボ・ドゥダメル(指揮)、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ
【録音】
2006年2月、ベネズエラ中央大学アウラ・マグナ講堂
*************************
以上、タワーレコード情報引用終わり

************************************************
最後まで御覧頂きありがとうございました。
ついでにワン・クリックしていただければ嬉しいです。

************************************************

フォルカ・レニッケ氏を迎えて「第九」練習

2006-12-03 00:43:36 | 音楽レビュー
   (ズーム画像でピンボケですが指揮者のレニッケさんです)

今日12月2日夕刻から「嘉穂劇場」第九の最終盤の集中練習が行なわれた。

これには、今期初めて指揮者のフォルカ・レニッケ氏が指導に参加。
かつて無く多くの参加があった。

まず、いつもの練習指揮者による男声の練習が午後5時から6時まで。
そして、女性の練習が6時から7時まで。

レニッケ氏は7時15分を少し遅れて到着。
早速、指揮を開始。
冒頭から、指摘事項多発!

特に、詩のリズム感を感じるように、メロディなしで、レニッケ氏の発音に続いてくり返す、いわゆる「口写し」練習を何度もやる。
また、詩の意味を伝えようと苦心されていた。
なお、レニッケ氏の夫人は日本人であり、一応説明は日本語だが、ニュアンスが伝わらない場合は英語やドイツ語が混じった。



9時過ぎまで、2時間近くに亘る熱意のこもった指導であったが、
特徴的であったのは、
「あなたがたには、No9をやりたいという情熱が感じられない」
「一人ひとりが責任を持って、やってください」
「歌えない人(高い声が出ない人も)は、無理して歌わず、口パクでやってください。」
「歌詞の意味を感じてください。」
「歌詞のリズムを感じるようにメロディ無しで読んでください」
「音取りは自分でやってください」
という厳しい話であった。

そして、最後に言われた
「私は音取りに来ているのではありません。音楽をしに来ているのです!」
「ベートーヴェンの音楽と彼がこれにこめた気持ちを表現するのです」
という厳しい言葉が印象的であった。

これまで、ゆっくり音を確かめながら、参加者の音と心をまとめるという作業がおろそかになっていたのではないかと感じる。
歌える人に合わせて流れてきたのではないか? と思った。

嘉穂劇場「第九」・7回目
このシリーズを最初から読む   第6回へ  番外編へ


************************************************
最後まで御覧頂きありがとうございました。
ついでにワン・クリックしていただければ嬉しいです。

************************************************

今日の嘉穂劇場第九の練習にはNHKが取材に

2006-11-24 00:16:57 | 音楽レビュー
    【NHK取材クルーは、ディレクター・映像(カメラ)・音響(マイク)の3人組】

今日も12月16日に本番を迎える、「嘉穂劇場」ベートーヴェン交響曲第9番「合唱つき」演奏会の市民合唱団の練習でした。

今日からNHKが正式に取材に入り、本番終了まで毎回の練習を記録し、特番を作るつもりのようです。
ニュースでちょっと紹介で済まさず、30分以上の特番にしようと担当ディレクターは福岡放送局内で根回しをしている真っ最中とか。
首尾よく特番が放送されることを期待します。

さて、「大津留公彦のブログ2」にチャールズ・チャップリンの「独裁者」の最後の演説がユーチューブの機能を使って紹介されていたので、久しぶりにこの演説を聴きました。
大津留さんは、この演説は「日本国憲法のルーツ」ではないか?と書いています。
護憲派としては、当然のことながら、このチャップリンの演説は期待と励ましと受け取られます。
66年も前の映画なのに、今の為政者つまりブッシュや安倍総理に対しても充分強烈な批判として効力があります。
また、ジョン・レノンの「イマジン」もこの演説と共通性があるとの引用をしています。

そして、私は、この演説に第九の歌詞との共通点を見出しました。
チャップリンは自ら作曲も演奏もするほど音楽に造詣が深かったことは良く知られた事実です。
当然「第九」の歌詞は知っていたはずです。
ジョンレノンも音楽家として当然良く知っていたでしょう。

私は、大津留ブログに以下のコメントを送って共感の意志を示しました。

以下、私のコメントの引用
************************

チャップリンの7分間の演説ありがとうございます。
久々に見て(数十年ぶりかな?)又また感激しました。

「独裁者」はトーキーを生涯作らなかったチャップリンが、この最後の7分間のために全勢力を注ぎ込んで創った映画ですね。
先日このメイキングの秘蔵映像が残っていたとしてTV特番があったようですが、残念ながら見られませんでした。
新聞によるとその特番は彼の思想を理解する上で貴重な映像だったようです。

演説に「翼」という言葉が出てきますね。
これはベートーヴェンの第九交響曲の歌詞(フリー・メーソンだったシラー作詞)にも共通するものがあります。
今日も嘉穂劇場「第九」の練習に行ってきたのですが、ここのところです。

Alle Menschen werden Brüder,
 Wo dein sanfter Flügel weilt
人類すべてが歓喜の柔らかな「翼」に包まれ兄弟となる。


チャップリンは、ベートーヴェンの影響を受け、
 日本国憲法制定に関わったGS(占領軍民生局)はチャップリンの影響を受け、
  ジョンレノンは音楽家として当然「Symphony No.9」を熟知していただろうから、
   双方の影響を受け「イマジン」を創った。

こう考えると、日本国憲法はまさに人類の叡智の結晶と言えるでしょう。
***********************
引用終わり。

そして大津留さんのブログの冒頭部分は下記の通り
***********************
BLOG BLUESさんの記事 チャップリン・レノン・日本国憲法に私も前に書いたチャップリンの「独裁者」についての興味深い指摘があった。
最後の6分間の名演説に日本国憲法はルーツがあるのかもしれないという。
ジョン・レノンのイマジンはこれに影響を受けたのかもしれないと。
そして「安倍政権に対する抗議声明」でもあると・・・
いずれも納得できます。

教育基本法を変えるな!
Let's us all unite!

日本好きなチャップリンが手を振り上げて呼びかけているような気がします。
************************
大津留ブログ引用終わり

************************************************
最後まで御覧頂きありがとうございました。
ついでにワン・クリックしていただければ嬉しいです。

************************************************

以下、第九の歌詞にもお付き合いくだされば最高です!(開設者)

Freude, schöner Götterfunken Tochter aus Elysium,
 Wir betreten feuertrunken,  Himmlische, dein Heiligtum!
  Deine Zauber binden wieder  Was die Mode streng geteilt;
   Alle Menschen werden Brüder,  Wo dein sanfter Flügel weilt.

歓喜よ!神の炎、楽園からきた乙女!
 我らは、炎に魅せられ聖なる地に導かれる。
  汝の(歓喜の)魅力は、時代が厳しく分断した者達を、再び結びつけ
   全ての人間は歓喜の柔らかい翼の中で兄弟になる!


Seid umschlungen, Millionen! Diesen Kuß der ganzen Welt!
 Brüder, über'm Sternenzelt  Muß ein lieber Vater wohnen.
  Ihr stürzt nieder, Millionen?
   Ahnest du den Schöpfer, Welt?
    Such' ihn über'm Sternenzelt!
     Über Sternen muß er wohnen.

抱かれよ幾百万の人々(諸人)よ、この口付けを全世界に!
 兄弟よ! あの星のかなたに愛する父はおわします。
  ひざまづくのか諸人よ (ここは大事!みんなくじけるな!の意味)
   世界よ、創造主を感じるか?
    汝の頭上にある星ぼしを探せ
     星のかなたに彼は必ずおわします。


日本語訳は当ブログ開設者による。
まさに「憲法9条」 や 「前文」 と同じ精神ではありませんか!

嘉穂劇場「第九」・6回目
このシリーズを最初から読む   第5回へ  第7回へ

水戸室内管弦楽団演奏会

2006-11-22 00:12:03 | 音楽レビュー
11月21日(火)
水戸室内管弦楽団(Mito Chamber Orchestra)の演奏会をアクロス福岡で聴いた。

水戸室内管弦楽団(MCO)は、水戸芸術館オープン(1990年4月)に合わせて、初代館長・吉田秀和氏(著名な音楽評論家)の提唱により、水戸芸術館専属オーケストラとして誕生した。
吉田秀和氏が総監督を小澤征爾氏が音楽顧問を勤めている。(公演パンフより)



団員は、いずれもソリストとしても通用する約30名の専属演奏家とゲストからなり、本日は20名以上のゲスト演奏家を迎えて50名規模の編成であった。

本日の指揮者は、準・メルクル。ドイツ人ヴァイオリニストを父に、日本人ピアニストを母に持つ音楽家としては恵まれた環境に生まれる。
1959年生まれの46才。
主としてドイツ・オーストリア圏で活躍。
最近、日本でも演奏会を開くようになった。
ここをクリック

今日の演目は、めずらしい曲目だった。
 同じプログラムを水戸室内管弦楽団の公式ホームページで紹介

最初は、後期ロマン派を代表する
リヒャルト・シュトラウスの組曲「町人貴族」
曲名を聞いたことはあるが、曲を聴くのは初めて。
Rシュトラウス・サウンドは、あまり聞き取れなかった。
公演パンフによると、当初演劇の中に「劇中劇」として「オペラ」を組み込んだ斬新な企画を試みたのだが、どっちつかずの事態になり、演劇・オペラそれぞれのファンが欲求不満になり、企画は大失敗に終わったらしい。
そこで、オペラと演劇の付随音楽(BGM)に分離し、
オペラの方は有名な「ナクソス島のアリアドネ」(見たことはない)となり、
演劇BGMの方が「町人貴族」となったとのこと。
道理で、聴きやすい(また睡魔を誘う)心地よい音楽だった。

2曲目は、イギリスの現代作曲家ベンジャミン・ブリテンの
セレナード 作品31
ベンジャミン・ブリテンと言えば、我々の世代では中学校の音楽鑑賞の時間に聞いた「青少年のための管弦楽入門(ヘンリー・パーセルの主題による前奏曲とフーガ)」が有名だ。
これも公演解説パンフによれば、ロマン派的な音楽を書きたくてしようがなかったが、時代の制約から、いわゆる「現代音楽風の」音楽を書かざるを得なかった彼が、イギリスの詩に管弦楽とホルン独奏と言う「独創的」組み合わせにテノール独唱という形で超ロマンティックな曲に仕上げたらしい。
ブリテンがピーター・ピアーズ(テノール)とデニス・ブレイン(ホルン)のために書いた(いわば、あて書き)というもの。
デニス・ブレインは、当時世界一のホルン奏者と言われ、カラヤン指揮・フィルハーモニア管弦楽団で、モーツァルトのホルン協奏曲全集をレコーディング(モノラル)していて、私も中学生から高校生の頃には何度もレコード(LP盤)を聴いたものである。
この「セレナード」は、もちろん、初聴きであった。

ホルン・ソロはチェコ生まれのラデク・バボラーク。
先日別の記事 に書いた人。ベルリン・フィルのソロ・ホルン奏者であり、MCOの団員でもあるとの事。
テノールは、イギリス人のイアン・ボストリッジ。

曲は、いきなりホルンのソロによるプロローグから入る。そのソロはナチュラル・ホルン(原型は角笛)のように、自然倍音だけで出せる音のみで作られている。
その長いソロののちテノールの独唱が始まり、次々とホルンとテノールを中心にオーケストラを伴うコラボレーションが続いてゆく。
曲は、歌詞のないプロローグと最後のエピローグ、および6曲のテノール独唱を伴う曲から構成されており、エピローグはプロローグと同様のホルン・ソロがビハインドステージ(舞台裏)で演奏されて曲を終わる。
“現代音楽的”ではない、解り易い美しい曲であった。公演パンフに詩の原文(英語)と対訳付き。

休憩を挟んで、後半はベートーヴェンの交響曲第8番。
この曲でも、ホルン・ソロの聞かせどころがあり、バボラーク氏が柔らかい音を出していた。

アンコール曲はなかった。

************************************************
最後まで御覧頂きありがとうございました。
ついでにワン・クリックしていただければ嬉しいです。

************************************************
皆さん、ご訪問とクリックの御協力ありがとうございます。

今日も、嘉穂劇場「第九」の練習(11/15)

2006-11-15 23:27:13 | 音楽レビュー
(写真は本日の練習風景。二重フーガの特訓。アルトパート)

今日は練習開始の6時半には結構大勢参加していました。

さっそく、フィナーレのテンポの速くなる部分をざっと通しました。

合唱指揮者の話では、今日聞いてきたCDではソリストが古いドイツ語発音で、合唱団が現代ドイツ語発音(英語の影響を受けた発音)だったということで、プロの音楽家でもそういう混同を平気でしているので笑ってしまったとのことでした。
日本の楽団ではなくて、本場のオーケストラ・合唱団だったそうですが・・・

それから、二重フーガの部分に戻って特訓。
パートごとに、音取りの再確認とドイツ語発音の注意。

アルトをまず特訓。特に♯の付いた音と付いていない音(ナチュラル記号)は極めて大事だと、犯人捜しとまではいかないものの、何回も同じところを練習して間違えている人に自ら気付かせる練習方法。
アルトは内声で和音のキーになるだけに、長調と単調を分ける重要な音が多いと伴に、和声を構成する音をベートーヴェン先生がアルトに割り当てているので、無理な進行が多く、極めて難しい。
この曲では、アルトの音の進行が全てのパートの中で最も難しいと思う。

次いでソプラノの練習。
高い音がフォルテで続くので、難関中の難関。
上のG音やA音が続くので、「同じ音は後になるほど下がり気味になるので、上に上に高みに登るつもりで歌うように」との指示でした。

それが終わるとアルトとソプラノで合わせる練習。

続いて、我がテノール。
フーガの最初の音が、この曲の最高音のA音なので、これをずり上げたり、低かったりしないよう、一発でA音に当てる。無理せずファルセット(いわゆる裏声)でも良いので外さないことが重要。
テノールも上下する音形や♯・ナチュラルなどの注意。
急に下がって下のD音になるところの音取り。

続いてバスも。

そして、全パート一緒に二重フーガを通す。
通すと言っても止まらずにでは無く、度々止まって注意を受けながら・・・

7時40分まで約1時間二重フーガを練習し、この前と比べるとさすがに格段の上達でした。

7時50分から、フィナーレの練習。
Seid umschlungen, Millionen! Diesen Kuß der ganzen Welt!
を早いテンポで再現するところ。
Freude, schöner Götterfunken と早い繰り返しの後に、
急にテンポが変わり、ゆったりと
Tochter aus Elysium
と、歌うところは、
第一楽章から約1時間続いてきた第九交響曲全体を受ける形で、「集大成として心を込めて歌う」との指導がありました。

そして最後の最後に
Freude, schöner Götterfunken! Götterfunken! 
「歓喜よ! 神の炎」
と歌いきって管弦楽の大音響のコーダとなり、この曲を終了するのです。

8時25分から、一番前に戻って、「軽めに流してクーリングダウンしましょう」ということで、冒頭部分を流す。

予定を数分だけ伸びて8時35分に本日の練習は終了。

Freude, schöner Götterfunken Tochter aus Elysium,
 Wir betreten feuertrunken,  Himmlische, dein Heiligtum!
  Deine Zauber binden wieder  Was die Mode streng geteilt;
   Alle Menschen werden Brüder,  Wo dein sanfter Flügel weilt.

嘉穂劇場「第九」・5回目
このシリーズを最初から読む   第4回へ  第6回へ

************************************************
最後まで御覧頂きありがとうございました。
ついでにワン・クリックしていただければ嬉しいです。

************************************************

今日も、嘉穂劇場「第九」の練習

2006-11-09 23:14:09 | 音楽レビュー
(写真は本日の練習風景。発声練習中で参集は今からだが、今日は中高生が大勢参加)

今日は、週一回の「第九」の練習でした。

発音に特に注意して練習しましたが、なかなか難しい限りです。

今日もいつもの【er】の発音の問題。
語尾が【er】で終わる単語は英語式
【er】の次にアルファベートが付くときは「エル」巻き舌発音。
と基本を統一した。
しかし、その後に又、「ここは例外」という所が出た。

今日の練習は発声練習も手短に、早速フィナーレ近い部分から。
最後の加速して早くなるところ。

そこを一応終えると、冒頭に戻って、通し稽古。
とはいえ、度々止まりながらというのは当然。

二重フーガの所までたどり着いた。

ところで、男声の
Seid umschlungen, Millionen
のところは、2分の3拍子:3/2
二重フーガの所は、4分の6拍子:6/4
(1小節に4部音符が6拍)
という、当時としては画期的な拍子であったことを再認識した。

嘉穂劇場「第九」・4回目
このシリーズを最初から読む   第3回へ  第5回へ


************************************************
最後まで御覧頂きありがとうございました。
ついでにワン・クリックしていただければ嬉しいです。

************************************************

モスクワ・フィル 演奏会

2006-11-03 17:49:16 | 音楽レビュー

11月2日のコンサート・レビューの続き。
私が着席しているのは、下手2階1列目の中間付近。

後半は、チャイコフスキーの定番「白鳥の湖」(指揮者のシモノフ編)

レニングラード・バレエなどで、全曲通しバレエ公演を見たことがあるが、オケピットに入っているときには、こんなに大迫力・大音響だったかと疑うほど、凄い大音響。
もちろん、静かに進むところもあるからこそ、コントラストが明瞭で好い音楽となる訳ではある。
とはいえ、迫力満点ながら、背筋ゾクゾク感の感動を呼ぶには及ばなかった。

以前、東京の国立劇場コンサートホールでも「白鳥の湖」をコンサート形式で聴いたことがあったが、その時もそう言えば、迫力満点で満喫した覚えがある。

シモノフ選の本日の公演。あの有名な曲が選ばれていないのは何故?
というところがあった。
しかし、そこはなかなか曲者。
アンコール曲に、その曲「四羽の白鳥の踊り」を持ってきたのだった。
鳴り止まぬ拍手にもう1曲アンコール。
ポケットから懐中時計を取り出して時間を見て、「よしもう一曲行こう!」という仕草に会場爆笑。
ユーモアもサービス精神も兼ね備えた指揮者である。
そのアンコール曲は「眠りの森の美女」から最も有名なワルツ。

その曲も終わると、開いていた楽譜を聴衆に良く解るように大げさに閉じ、指揮棒を譜面台に押し付けた。すると、その指揮棒が縮んだ! テレスコピック式・指揮棒だったのだ。
そういう仕草も大げさにするので、観客の喝采を受けていた。

今日の入りは、一部空席(売れているが来られなかった席?)もあったが、補助席も出すほど、ほぼ満席であった。

コンサートが終了したのは9:45と、日本のクラシック・コンサートでは破格の遅さ。やむをえず、途中退席する観客も居た。


************************************************
最後まで御覧頂きありがとうございました。
ついでにワン・クリックしていただければ嬉しいです。

************************************************

フジコ・ヘミング ショパンのピアノ協奏曲を弾く

2006-11-02 23:35:04 | 音楽レビュー
一昨日に引続き、アクロス福岡でのコンサート。

今日は、フジコ・ヘミングがモスクワ・フィルハーモニー交響楽団と
ショパンの「ピアノ協奏曲第1番」を弾くと言う興味深い組み合わせ
指揮はユーリ・シモノフ

以前、フジコ・ヘミングのチケットは即日完売だったが、当日券が僅かに残っていてそれをGET!(¥15,000)

前座は、ロシアの作曲家グリンカの幻想曲「カマリンスカヤ」
もちろん初聴きであった。

続いて、本命のイングリット・フジコ・ヘミングによる
ショパンの「ピアノ協奏曲第1番」

紋付和服へのオマージュと思わせる黒をベースの特殊な衣装で登場。(本当に紋がついている)
インターネットで検索しても年齢はわからず。
実弟の俳優大月ウルフが1934年生まれというから、1930年ごろ生まれたとすれば、76歳というところだから、結構ご高齢ではある。

その演奏方法は自由奔放というか、自在にというか、思いのままというか、テンポが大きく揺れて『歌う』という演奏法で、指揮者もオケも必死で合わせている感じであった。
ソロ部分のテンポは相当ゆったりと取っており、意の向くままに弾いているという感触を受けた。
ミスタッチも少なくはなかった。

フジコは、TVのインタビューで次のようなことを言っていた。
「いつも同じで、ミスも無く完璧に弾くのなら機械に任せておけばいいのよ。ミスもするし、いつも違うのが生演奏じゃないの」と(要旨:表現は正確ではありません)

その通りである。
そう言う揺らぎやミスがありながらも、「魂の声」を聴くことができ、聴衆に感銘を与えることができるのが、フジコ・ヘミングたる由縁であろう。

第1楽章が終わると拍手が来た。彼女の演奏会ではどうやら定番らしい。
拍手を早まった!とすぐに鳴り止むのではなく、鳴り続く拍手!
ようやく第2楽章に。

ソロが中心の、その第2楽章では、繊細な表現に聴衆みんなが惹き込まれていた。
2楽章が静かに終わると、ここでも長い拍手。
指揮者も、その辺は心得ているようだった。
通常この曲は、第2楽章と第3楽章をアタッカ(休み無し)で演奏するのだが・・・

3楽章はフィナーレだけあって、テクニックと迫力満点の曲であるが、ここでもテンポはゆったり目。オケだけでの演奏場面ではスピードを上げていた。
第3楽章が終わったとき、ブラボーが出たのはもちろんだが、聴衆の感動の波動が会場全体に堰を切ったようにあふれていた。

協奏曲が終わり何度目かの拍手による連呼に応えて、
フジコ・ヘミングはお祭り法被風の赤字に白抜きの大柄のサクラをあしらった衣装に着替えて登場し、
ショパンの練習曲2曲と、みなさんお待ちかねのリストの「ラ・カンパネラ」を演奏。
アンコール演奏と言うよりは、ソロ・リサイタルであった。オケは後ろで待機。

「ラ・カンパネラ」もテンポはゆったりめであるが、それでもこんなに細かく早いパッセージがあったのかと驚く。あまりに早弾きだと、そういうディティールが聴こえて来ないところを、明瞭に聴かせることで、この曲の難曲ぶりが浮き上がる演奏となった。

休憩をはさんで、オケの演奏は「白鳥の湖」。
これは、次の記事にする。

イングリット・フジコ・ヘミング公式ホームページは、ここをクリック

************************************************
最後まで御覧頂きありがとうございました。
ついでにワン・クリックしていただければ嬉しいです。

************************************************

嘉穂劇場「第九」其の参 練習

2006-11-01 23:47:40 | 音楽レビュー
   (写真は練習風景)

今日は、早くも11月1日。今年もあと2ヶ月か・・・早い!

というわけで、「嘉穂劇場・第九」の3回目(全体では5回目)の練習でした。
前回同様、冒頭の全体練習は、発声練習のみ。
その後は、経験者と初心者に分かれて、練習。
今日は、ここイイヅカ・コミュニティセンターでは、音楽室の一部屋しか確保できなかった、ということで、初心者組は、本番会場でもある「嘉穂劇場」での練習と言うことでした。
嘉穂劇場までは歩いても5分ちょっとという距離。

今日も、主な練習は、男声がコラール風に出てくる
 Seid umschlungen, Millionen! Diesen Kuß der ganzen Welt!
 【百万の人々よ(歓喜に)抱かれよ! この口付けを全世界に!】
 の、ところから二重フーガのところまで。

【~er】 の発音で質問続出。
と言うのは、練習指揮者が、ここはドイツ語式(~エル)、こちらの英語式(~エァ)と、
単語によって『巻き舌』にするかどうかを指示したため。
彼も私も【~エル】世代。 注意していても、つい【~エル】が出てしまいます。

たとえば

 Brüder, über'm Sternenzelt は、
ブリーダー 【~エァ;英語式】
いーベルム シュテルネンツェルト と【~エル;ドイツ語式】

練習指揮者が、本番の指揮者のフォルカ・レニッケ氏に再確認することになった。

さて、8時過ぎに嘉穂劇場組が帰ってきて、二重フーガの合同練習。
まだまだ、なかなか! というところ。

来週は、最後までとにかく通すので、練習してくるように!
とのキツーイお達しでした。
初心者組みには難題だと言えるでしょう。


今日はブログ用に持っていってたデジカメで何枚か写真を撮ったので、
とりあえず貼り付けときます。

嘉穂劇場「第九」・3回目
このシリーズを最初から読む   第2回へ  第4回へ


************************************************
最後まで御覧頂きありがとうございました。
ついでにワン・クリックしていただければ嬉しいです。

************************************************
皆さん、ご訪問とクリックの御協力ありがとうございます。

ウィーン交響楽団演奏会 アクロス福岡

2006-10-31 23:55:31 | 音楽レビュー
     (写真は上原彩子公式ホームページより)

10月も今日でおわり。
2006年も早くも2ヶ月を残すだけとなった。

今夜10月31日午後7時から、アクロス福岡で開催された
 ウィーン交響楽団演奏会
  を聴きに行った。

ファビオ・ルイージ 指揮。イタリア人とのことである。
1959年生まれの47才。指揮者としては次代を荷う若手。

ピアノ独奏は、ヤマハ・ピアノを使って、2002年のチャイコフスキー・コンクールに優勝した、ヤマハ音楽教室出身の、ヤマハにとっては希望の星、
上原彩子
チャイコフスキー・コンクールに優勝は女性としては史上初。
日本人としても優勝者は初めてだったとのこと。
1980年生まれの26才。
オフィシャル・ホームページは、ここをクリック

プログラムは、奇をてらったものではなく、極めてスタンダード。
モーツァルト:歌劇「後宮からの逃走」序曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調 Kv.482
ブラームス :交響曲第4番 ホ短調 作品98

前座の序曲は、まあまあとして、
ピアノ協奏曲は、軽やかな指運び。
 実は、この曲は聴いたことがなかった!
さすがに、チャイコフスキー・コンクールに優勝しただけはある。
アクロス福岡の月報(情報誌)では、モーツァルトの手紙のエピソードが・・・
「知っての通り、僕は難しいテクニックが好きではありません。でも彼は難しいテクニックをの曲を弾くのです。それが難しいということを感じさせずに。
 聴いた人は、(あれならば)すぐに真似できると思うことでしょう。でも、そうはいきません。
 あれこそが本物のテクニックです。」
(W.A.Mozart)
 この引用だけで充分だろう。
 この日は、ヤマハ・ピアノではなく、Steinway & Sons のピアノであった。
 楽器編成は、コントラバス4本から2本ずつ増え、第一バイオリンが12本と言う小編成(モーツァルトですから)

ブラームスの交響曲第4番は「エレジー」である。
ウィーン交響楽団は、数年前にロシアのフェドセーエフに率いられて来た時も、この曲を演奏した。
地元中の地元のブラームスだけに、堂に行った演奏である。
第3楽章のフィナーレは迫力満点であった。
そこで、間違えて拍手をされないように、4楽章へはアタッカ(休みなし)で繋いだ。4楽章はエレジー中の「エレジー」(哀歌)である。
しかし、緊張感や背筋ゾクゾク感(感動が走るという意味で)は、フェドセーエフ指揮の演奏の方が凄かったと思う。
 楽器編成は、コントラバス8本を後ろに並べるウィーン型。
8+10+12+14+16で弦楽器群60本。木管楽器2管編成、ホルン4本、トランペット2本、トロンボーン3本、コントラファゴット1本、チューバ1本の19本、打楽器2。約80名の編成。

ファビオ・ルイージ氏は、指揮者としては若手とあって、その指揮ぶりは熱狂大振り型である。
からだ一杯使ってオーケストラに合図を送っている。
そこまで、しなくてもオケは動くのに・・・
たまには、飛び上がっていましたし・・・

カラヤンの殆ど眠っているような感じでも大音響を引き出す指揮とは全く異なっているのだが、彼が尊敬する指揮者の一人はカラヤンさんだと言うから面白い。

久々のウィーン交響楽団の演奏会であった。
一昨年、ウィーンで聴いた楽団を、福岡で改めて聴いた訳だ。


************************************************
最後まで御覧頂きありがとうございました。
ついでにワン・クリックしていただければ嬉しいです。

************************************************

今日も「第九」の練習でした。

2006-10-26 23:42:41 | 音楽レビュー
今日10月26日は、私にとって「嘉穂劇場・第九」の2回目の練習でした。
冒頭の全体練習は、発声練習のみ。
その後は、パートごとに分かれて、練習。

男声は、音楽室に残り、女声はソプラノ・アルト別々の部屋で練習。
音楽室に残ったのは良いが、練習指揮者がピアノも弾きながらではやり難いと見えて、「どなたかピアノを弾ける人は?」と男声陣に問われたので、「1本弾きなら」と手を挙げた。
それで、伴奏を弾く訳では無く、テナーとバスの歌うメロディを、それぞれ取ってあげるという“にわかピアニスト”になった。
ゆっくりの所はテナー・バスを一緒に弾いたが、さすがに二重フーガを同時には弾けません。

30分ほど、そのお手伝いをしたところで練習ピアニストが到着。
お役御免になり、男声陣から「お疲れ様」と激励された。

ところで、ピアノを弾いたのは十数年ぶりではなかったか?

さらに30分ほど練習したところで、テナーとバスを分けてパート練習をすることになったが、同じ部屋で二手に分かれたので、細部の音程がよくわからず、意味のある練習とは思えなかった。
やはり、パートを分けて練習するのなら、別の部屋でやるべきだ。

最後の30分(午後8時から8時半)は、全体練習に戻り、
 和音が神秘的な Adagio の
 Ihr stürzt nieder, Millionen?
   Ahnest du den Schöpfer, Welt?
    Such' ihn über'm Sternenzelt!
     Über Sternen muß er wohnen
 のところを重点に練習。
 二重フーガにつなぐ最弱音の和音は【減七和音】という、神秘性に満ちた和音だ。(A-C♯-E-G-B♭)
 バッハの「トッカータとフーガニ単調」のトッカータ部分では、最強音で出てくる和音である。(C-E♭-F♯-A)
そこから、二重フーガの
 Seid umschlungen, Millionen! Diesen Kuß der ganzen Welt!
 までを練習。

声は、前回よりは出た。
会場に向かう車の中は、発声練習場だ。

今日はブログ用にデジカメを持っていってたのだが、
先のような事情に紛れて、ついに写真を撮るのを忘れていた。
来週こそ、写真を掲載しようと思う。

嘉穂劇場「第九」・2回目
このシリーズを最初から読む   第3回へ


************************************************
最後まで御覧頂きありがとうございました。
ついでにワン・クリックしていただければ嬉しいです。

************************************************
皆さん、ご訪問とクリックの御協力ありがとうございます。

ブラームスへのオマージュ

2006-10-24 00:25:27 | 音楽レビュー
九州交響楽団の第272回定期演奏会に当日券目当てで行きました。

3階には結構空席が目立つ。音響的には一番いいんですけどね。

本日の演奏会は、いわゆる名曲定番演奏会ではありませんでした。
「ブラームスへのオマージュ」と題し、ブラームスの曲を色々なアレンジで聴くというものです。

最初の曲は、ブラームスのオリジナルによる「大学祝典序曲」作品80
これは、「大学受験ラジオ講座」のテーマ音楽として有名な一節のあるポピュラーな曲。
全曲聴いたこともあるのだが、今日生で聞いてみて改めて、ふ~ん、こういう楽想だったんだ、と思うこと仕切り。
フィナーレに至る盛り上がりはなかなかのものでした。
指揮は、広上淳一 さん。



2曲目は、ブラームスのオリジナルは「ホルン三重奏曲 変ホ長調 作品40」を、ミロス・ボック氏(1968年生まれ38歳)の編曲により「ホルンとヴァイオリンとオーケストラの協奏曲」にした曲の本邦初演。
「ホルン三重奏曲」としては、比較的ポピュラーな曲であり、私が一時ホルンを吹いていたこともあって(今も所持はしている)、聴き慣れたものでした。

ミロス氏は現代の作曲家ですが、編曲は極めてオーソドックス。ピアノ部分を配分良くオーケストレーションしたという感じでした。
ホルン・ソロは、現在ベルリン・フィルのソロ・ホルン奏者のラデク・バボラーク(1976年生まれ)。ここをクリック 
高い音も硬直することなく、柔らかく滑らかな響き。言い換えになるが、ソフトで美しい音でした。
第3楽章アダージョ・メストなどはあまりの美しさに睡魔が度々襲ってきます。
編曲者のミロス・ボック氏はソリスト、ラデク・バボラークの友人だとのこと。

休憩を挟んで、後半の曲は、ブラームスのオリジナルでは「ピアノ4重奏曲 第一番 ト短調 作品25」で、これをウィーン楽派の巨匠シェーンベルク氏が編曲した管弦楽版。
12音・音楽の技法を確立した巨匠シェーンベルク氏が、敬愛するブラームス師匠へのオマージュとして、大編成の管弦楽に編曲したもの。
なお、時代背景は、
ブラームス(1833-1897):ハプスブルグ家の王制終幕に当たる時期。
シェーンベルク(1874-1951):二つの世界大戦とナチズムが象徴する時期。
ユダヤ系のシェーンベルクは、ナチスの台頭を嫌ってアメリカに亡命。
このように、時代背景が全く異なる二人ではありますが、ブラームスが亡くなった年に、シェーンベルクは20代前半ですから、時代は繋がっているのです。

そのシェーンベルクが亡くなったのは第二次大戦後ですから、我々の父母の時代と又重なっているのです。

そう考えると、ブラームスもそれほど昔の人ではないような気になります。

さて、そのシェーンベルク氏が編曲した管弦楽版ですが、シェーンベルク独特の音列(12音技法)は全く感じられない(もしかしてこっそり織り込んであるのかもしれませんが)解りやすい、そして聞かせどころも熱狂するところも、きっちり構成してある技巧派の演出です。

しかし、私には「背筋ゾクゾクッ!」という感動はありませんでした。
あえて言えば、ブラームスがモノクロ写真に凝縮した楽想を、『総天然色・シネマスコープ』というちょっと大時代的な比喩がふさわしいような、ギンギラギンの装飾を付け加えたような感じです。きらびやかで、にぎやかで、大音響で迫力満点なのですが、「ちょっと白けた~!」という感じでしょうか?
もっと言えば興醒め?
ブラボーも幾つか出ていましたが、私は拍手に留めました。
この原曲の「ピアノ4重奏曲 第一番」は、おそらく聴いたことがなかったと思います。全てのメロディーラインが初耳でしたので。
プログラムの解説にも、演奏される機会が少ないので、シェーンベルク氏がオマージュを創って聴衆の耳に触れる機会を増やそうとしたのではないか?との推測が書いてありました。

なお、アンコールは休憩前に、ホルンのバボラーク氏が今演奏した曲の一部をもう一度演奏するという形でした。
プラグラム終了後のアンコールは、ありませんでした。


************************************************
最後まで御覧頂きありがとうございました。
ついでにワン・クリックしていただければ嬉しいです。

************************************************
皆さん、ご訪問とクリックの御協力ありがとうございます。

9条ならぬ 「第九」の練習

2006-10-18 22:56:24 | 音楽レビュー
  写真は、嘉穂劇場「第九」2005の様子(嘉穂劇場ホームページより転載)

今日は、何十年ぶりかで、「第九」の練習に参加しました。

 これは、福岡県飯塚市の「嘉穂劇場」を応援する活動の一環の事業として、復興なった一昨年から行なわれているイベントです。
「第九」とは、もちろん、ベートーヴェン先生の交響曲第9番
  作品第125「合唱つき」のことです。

 2003年7月19日、九州全域を襲った大水害によって、「嘉穂劇場」は舞台上まで浸水する大被害を受け、一時は復旧不可能として、オーナーの伊藤英子ばあちゃんも、あきらめかけていました。

 ちょっと補足しますと、「嘉穂劇場」は公的援助は全く受けていない合資会社だったのです。
全国でもまれな、完全個人経営の劇場として伊藤英子さんと親族の手によって、時代の山谷を乗り越えて経営されてきたのです。

Deine Zauber binden wieder  Was die Mode streng geteilt
 (訳文は、本記事最後にあり)

 しかし、さすがにこの水害は「嘉穂劇場」を個人経営のまま立て直すことを困難としました。
旅回りの「座長」たちの熱心な働きかけと、津川雅彦、中井貴一、中村玉緒さんら大勢の有名俳優のみなさんの資金援助やボランティア活動によって、ようやく伊藤英子ばあちゃんも一時の憔悴から立ち上がり、NPO「嘉穂劇場」としての再興を目指したのでした。

Seid umschlungen, Millionen! Diesen Kuß der ganzen Welt!

 地元有志や個人や企業のカンパ活動も広がり、復興に要する費用もほぼ集まり、水害のあった年の内には再建を開始。
 一昨年、2004年9月、復興杮落とし公演が行なわれました。

 そういう、嘉穂劇場をみんなで支えようと言うイベントとして、「第九」で歌い上げようということになった訳です。

Alle Menschen werden Brüder,  Wo dein sanfter Flügel weilt.

 今日からの「練習日程」が入った葉書が、先週付いたので、仕事や他の用事を調整して、初練習に参加。

 ところが、私には初練習でしたが、2週間前から始まっていて、今日は3回目。
私が見た葉書は、欠席者への再度のご案内だったとのこと。 
一回目の葉書は多量のダイレクト・メールに埋もれてゴミ箱へ?

 会場の飯塚コミュニティセンターは、嘉穂劇場から歩いて5分ほどのところにあり、大型ホールのあるイイヅカ・コスモスコモンに並んで建っている。
比較的新しいキレイな建物であった。

 音楽室には、男性30人ほど、女性がその倍以上、総勢百名以上が集合。
小学生から高齢者まで、私のように「第九」を何度も歌ったことのある人から、
今年初めて参加の人まで千差万別。

 短い発声練習の後、早速始めの方から練習開始。
前回は、敷地内で軽い運動をしたそうです。
本来、運動・ストレッチ・ボイストレーニングとやるべきなのですが、なにぶん時間が短いので、発声練習だけしかできません。

 今日は、ドイツ語の発音を結構細かく修正していました。
たとえば、お決まりのドイツ語特有のウムラウト母音 Götterfunkenの【ö】(「あ」の口で「え」),Brüderの【ü】(「う」の口で「い」)、二重母音 Freudeの【eu】Zauberの【au】、単母音は深く長めに、語尾の【d】や【t】は必ず母音無しの「t」で発音すること。 etc.エトセトラ。
さらに、「der」を 「デァ」と読むのか「デル」と読むのかなど発音の語尾にも重点。
本番の指揮者フォルカー・レニッケさんは、現代のウィーン口語発音を採用するつもりらしく(本日は不参加)語尾を巻き舌では無く、(英語的に?)伸ばす。
すなわち 「デァ」と読むそうです。
最初のワンフレーズだけで、この手の発音の関連は一杯あります。
(青文字部分)

Freude, schöner Götterfunken Tochter aus Elysium,
 Wir betreten feuertrunken,  Himmlische, dein Heiligtum!
  Deine Zauber binden wieder  Was die Mode streng geteilt;
   Alle Menschen werden Brüder,  Wo dein sanfter Flügel weilt.


 私は、その昔の古いドイツ語で習ったので「デル」の方ですから、気を付けないと、こっちが出てしまいます。

 さて、久しぶりに大声をあげて気持ちは良かったのですが。久々のことでもあり、高い音は出ないは、声がひっくり返るは、練習が終わる頃にはカスレルはで、「昔取った杵束」とは行きませんでした。

何しろ、毎年「第九」を歌っていたのは20代でしたから。

それでは、先ほどのフレーズと後半のフレーズ
 および私の訳による日本語訳を書いて今日は終わります。

Freude, schöner Götterfunken Tochter aus Elysium,
 Wir betreten feuertrunken,  Himmlische, dein Heiligtum!
  Deine Zauber binden wieder  Was die Mode streng geteilt;
   Alle Menschen werden Brüder,  Wo dein sanfter Flügel weilt.

歓喜よ!神の炎、楽園からきた乙女!
 我らは、炎に魅せられ聖なる地に導かれる。
  汝の(歓喜の)魅力は、時代が厳しく分断した者達を、再び結びつけ
   全ての人間は歓喜の柔らかい翼の中で兄弟になる!


Seid umschlungen, Millionen! Diesen Kuß der ganzen Welt!
 Brüder, über'm Sternenzelt  Muß ein lieber Vater wohnen.
  Ihr stürzt nieder, Millionen?
   Ahnest du den Schöpfer, Welt?
    Such' ihn über'm Sternenzelt!
     Über Sternen muß er wohnen.

抱かれよ幾百万の人々(諸人)よ、この口付けを全世界に!
 兄弟よ! あの星のかなたに愛する父はおわします。
  ひざまづくのか諸人よ
   世界よ、創造主を感じるか?
    汝の頭上にある星ぼしを探せ
     星のかなたに彼は必ずおわします。

*************************
NPO法人「嘉穂劇場」へのリンクは、ここをクリック

嘉穂劇場「第九」のご案内と昨年の公演の様子は、ここをクリック

嘉穂劇場「第九」第1回   第2回へ

************************************************
最後まで御覧頂きありがとうございました。
ついでにワン・クリックしていただければ嬉しいです。

************************************************
皆さん、ご訪問とクリックの御協力ありがとうございます。
現在「社会・経済(全般)」登録の約4百ブログ中24位です。