JUNSKY blog 2015

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エリザベート・シュワルツコップさん亡くなる

2006-08-04 16:02:10 | 音楽レビュー
(写真は「音楽と季節の記」
 さんのブログより転載)

往年の名ソプラノ
エリザベート・シュワルツコップさん
が8月3日に亡くなったそうだ。
90歳と言う。

私も若かりし頃はレコードを聞いたものだ。
特にカラヤン指揮のベートーヴェン「第9交響曲」は有名である。

ショスタコヴィッチ 交響曲第7番『レニングラード』

2006-07-19 00:15:45 | 音楽レビュー
写真は、指揮者井上道義氏
梶本音楽事務所HPより

久々ほどではない、音楽レビュー
前回は、チャイコフスキーの交響曲第4番でしたが、
今回は、ショスタコヴィッチの交響曲第7番『レニングラード』を
九州交響楽団の定期演奏会で7月19日聴きました。

最初に一言。
九州交響楽団(略して、九響)は、本格的オーケストラになりましたね。
欧州諸国の出稼ぎオケより、よほどうまいと思います。
大阪フィルも味があってうまいですが・・・

今日の演奏は、外部応援の演奏家(いわゆる業界用語で「トラ」:Extraのこと)も数十人は居たかと思いますが、井上道義氏の指揮で繊細かつ大胆で迫力ある演奏を行っていました。
井上道義 氏が20世紀の音楽に定評のある指揮者だけに、緩急やダイナミーク自由自在にオケを操っていました。

今年は、ショスタコヴィッチ生誕100周年。昨年は没後30年(1906-1975)ということで、生誕250年のモーツァルトと並んで、ショスタコヴィッチの曲を聴く機会が増えています。

ショスタコヴィッチ 交響曲第7番『レニングラード』1曲だけでも大変なところを、前半では、同じく、ショスタコヴィッチのピアノ協奏曲第2番を取り上げ意欲的なプログラムでした。

その上、ピアニストがジャズピアノの明日の貴公子・松永貴志 (20才)。
 実は、私はこの日初めて、松永貴志さんを知りました。
ジャズ・ピアノが本職とはいえ、基礎が相当きちんとできているようで、ただガンガン引く訳ではなく、そういう部分は迫力満点ながら、繊細なパッセージも澄み切った音で3階席まで聴かせる絶妙さ。
ソフトな肌触りからハードロックのような激しい表情まで自在に操っていました。
ただ、脚でリズムを取るので、ドンドンと舞台を踏む音がするのは、ご愛嬌か?

 協奏曲1曲でも相当ハードな仕事だと思うのに、アンコールもすごい迫力の曲。それも結構長い。10分近くあったのでは?
聴いたことない曲なので、彼が作曲した曲かもしれない。(公演パンフには、彼が作曲した曲が、報道ステーションのテーマとして流れているとか)

 それはそうと、このピアノ協奏曲も私には初聴きでした。
ショスタコヴィッチが、音楽家を目指し始めた息子マクシムの19歳の誕生日に送った明るい曲です。しかし、高度なピアニズムのようです。
超高速で音階のような連続する音列を、上へ下へと引きまくるのです。
曲目解説を見ると、ピアノの初心者からプロまで使う「ハノン」ピアノ教則本のパロディだそうで、なるほどと納得。
前回のレビューで、バイオリニストは酷評しましたが、今回のピアニストは本物です。

 さて、後半は、
ショスタコヴィッチ 交響曲第7番『レニングラードに捧ぐ』

 この曲は、ナチス・ドイツが不可侵条約を一方的に破って、1941年にソ連に進入してきた時の、国民の英雄的戦いを描いたものと言われています。
30分近い、第一楽章での単純なメロディを際限なく繰り返しながら、行軍を描くところは、下手な演奏であれば飽きてしまうところですが、井上道義氏と九響は、緊張感のあるメリハリの利いた演奏で、少しも飽きさせずに2楽章に繋ぎました。
第一楽章では、聴こえないほどの小さな音から始まり、最後に向けてダイナミークがどんどん加わるのですが、その表現は凄いものでした。
ホルン4本、トランペット・トロンボーンそれぞれ3本、小太鼓からなる「バンダ」(本隊とは別の音楽隊)も加わって展開します。

 そうそう、編成は3管編成(木管は2管+バスクラリネット、コントラファゴット、コールアングレ、ピッコロ)が基本で、本隊のホルン4本。
コントラバス7本、チェロ8本、ビオラ10本、第2ヴァイオリン12本、第一ヴァイオリン14本(今日は数えられた)
ハープ2、ピアノ1、木琴1、銅鑼1、大太鼓1、小太鼓1、ティンパニ4本セット、シンバル1、タンバリン1など。

 各楽章をそれぞれ論評していると夜が明けるので、この辺で終わりますが、
本当に、ショスタコヴィッチは音の魔術師(普通はラヴェルの通称)であり、
天才であると思います。
 この交響曲はCDでは何度も聴きましたが、2・3楽章は聞き流しになってしまうことが多く、今日のように対峙して聴いたのは初めてでした。もちろん生の7番も初めて。
 オーケストレイションの繊細さを感じ取れます。
また、3拍子を基本としたメロディが結構多いことに驚きました。
3+3+3で9拍子とか・・・さまざまなバリエーションが展開されていました。

曲そのものも、演奏も堪能した2時間でした。
客席は7-8割の入りでした。

チャイコフスキー・交響曲第4番

2006-07-05 13:00:44 | 音楽レビュー
(写真はアクロス福岡と九州交響楽団ですが、
  今回の公演ではありません。
   九州交響楽団公式ホームページから転載)

昨日(7/4)、6時に会社を出て、アクロス福岡シンフォニーホールへ。
会場までは西鉄電車と徒歩で30分以内。

ハンガリー国立フィルハモニー管弦楽団 と 九州交響楽団 の合同演奏会。
指揮は、“炎のコバケン”こと 小林 研一郎 という結構豪華な顔ぶれ。

しかし、結構空席がある。入場料が3階席でも8千円というのが響いたか?

去年、九響&コバケンの「我が祖国」スメタナは、完売で当日券が無く、見損ねたのに!

という訳で3階席2列目中央付近で鑑賞。音は一番良い位置。

1曲目は、ゾルタン・コダーイの「ガランタ舞曲」コンバス6本の普通の編成。
この曲は聴いたことがあるはずだが、初めてのような印象。

2曲目は、F.メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。
編成は同規模だが、演奏者が入れ替え(一部の演奏者は引続き・・・)
ソリストは、
木嶋 真優 という20歳の女性。初お目見え。
 絶賛するほどではなかった。
音に深みがない。
速いパッセージのディティールが聴こえて来ない。
ヴィブラートというよりは、終始震えた音。
特に後半は、ソロがオケに埋没してしまい、オケが抑えた音量の所だけしか聞こえなかった。
また、スピードが制御できなくなったのか、どんどん走ってしまい、上滑りになっているように聴こえた。
ついに立て直せないまま怒涛のごとく終わってしまったという気がした。
やはり、諏訪内晶子や庄司紗矢香とは比べられない。

3曲目がチャイコフスキーの交響曲第4番。
この編成がすごい。
コンバス12本。チェロ15本。従って(後は数えにくかったが)ヴィオラ18本
第2Vl.21本、第1Vl.24本だろう。
チューバ2本、トロンボーン6本!、トランペット4本、ホルン8本。
木管各4本+別に(フルート持ち替えでは無く)ピッコロ。
マーラー並みかそれ以上の大4巻編成の凄さ。
これだけ、乗ってもアクロスのステージには、まだ3割以上スペースに余裕が・・・
さすがに重低音は効いていた。
演奏は予想通り弩迫力!!!

演奏終了後はソロを受け持った人、一人ひとりを立たせ、次に舞台へ出てきた時は、各パートごとに立たせ、観客の賞賛を共有していた。
これがコバケン流の演奏後の挨拶である。

演奏終了後のブラボーもあちこちから上がっていたが、私はちょっとその気には・・・

アンコールが変わっていて、弦楽による「ダニーボーイ」。
2曲目はブラームスのハンガリー舞曲第5番。(これが凄くテンポを揺らすので
途中で観客の手拍子が入ったのだが、ずっこけて皆止めてしまった。)
アンコールも終わった後は、指揮者だけではなく、演奏者全員が観客におじぎをするという、これもコバケン流の終わり方だ。

まあ、結構堪能した演奏会でした。

そういえば、幾つかの高校生の団体(20人単位ほどで複数)が来ていたようだが、みなさんおとなしく聞き入っていた。
曲が終わると、女生徒達は、一斉に『ブラボー』を何度も唱和していた。

2006Jul05 JUNSKY

熱狂の日音楽祭-その8

2006-05-11 01:06:56 | 音楽レビュー
ゴールデン・ウィークに東京有楽町から丸の内地区にいたる会場で開催された「熱狂の日」音楽祭2006には、有料・無料のコンサート鑑賞者、関連グッズの購入者や「熱狂の日グルメ」での飲食客などをも含め、のべ69万5千人が参加したそうです。
公式サイト

有料演奏会への入場者も十数万人に及ぶ模様。
あるブログでは有料チケット16万枚だったそうです。
チケット平均1500円とすると、2億4千万円。
70万人が平均千円の買い物や飲食をすれば、7億円。
ざっと見積もっても10億円くらいの売上げ。すごいね!
すみません。熱狂の日音楽祭らしからず、ちょっと現実的になってしまいました。

 “経済効果”は今後調査されるでしょうが、去年のレポートは、公式サイトで公表されています。

 今年で2回目の「LA FOLLE JOURNEE au JAPON」音楽祭。
この名称では2回目だそうですが、この地区では1995年から音楽祭としては徐々に拡大しながら開催されてきたようです(会場に掲示がありました)。

 有料・無料合わせて連休中に284公演もあったというから凄い音楽祭が誕生したものです。
 そして、それらの全てが(さすがに5千人ホールで開催される演目や夜10時開始11時過ぎ終演の幾つかは除いて)開催前にSold Out!という大フィーバーぶり。
 一公演45分から1時間、有料公演でも千円くらいから最大3千円というお気軽さがクラシックファンを広げているようです。

 会場出入口の売店では、お兄ちゃん達が大声で呼び込みしながら,ナクソスやタワーレコードや10枚組み3千円の組合わせCDやお菓子やグッズ等などを売っていました。
 『上品』ではないところがまた楽しくて良い。まさにMozart好み?のお祭り気分!
 若い恋人たちも大勢見られました。まさに「熱狂の」音楽祭です。

 来年は、19世紀から20世紀の国民楽派、民族音楽がテーマとのこと。
ロシア(リムスキー・コルサコフ,ムソグルスキー,ボロディン,etc)、ハンガリー(リスト,コダイ,バルトーク,etc)、チェコ(スメタナ,ドボルザーク,etc)、ポーランド(ショパン,etc)はもとより【何故か民族楽派というと東欧が多いのは私の偏見か? そういえばフィンランドにシベリウス、デンマークにニールセンもいましたね】、日本の作曲家も考慮中とか。

 Mozartの生誕の地オーストリアのザルツブルグ(Salzbrug)では、この7月下旬から8月に掛けてザルツブルグ音楽祭が例年以上の規模で開催される様子。
 チケットの残席状況を見てみたら、日本人好みの演目は全て完売でした。
チケット情報・英語

これで、「熱狂の日」音楽祭2006のレポートを終わります。

その7へ

「熱狂の日」音楽祭 その1 に戻る。

熱狂の日音楽祭-その7 ラスト・コンサート

2006-05-09 18:18:56 | 音楽レビュー
 ら・ふぉる・じゅるね・お・じゃぽん(LA FOLLE JOURNEE au JAPON)
「熱狂の日」音楽祭2006『モーツァルトと仲間たち』も最終日の5月6日となりました。 

 東京フォーラムのガラスの塔の地下2階の展示ホールは、期間中「ヨーゼフ2世」と名付けられ、数々の無料コンサートが開催されていたようです。
 残念ながら、私は最終日の『少しだけ』を除いて、全く見る機会がありませんでした。
 会場へのエスカレーターと階段の入口でチケットを確認しているので尋ねてみると「熱狂の日音楽祭の有料公演のチケットまたは半券をみせるだけ」といいます。
 どれか1公演でも有料で見た(または今から見る予定の)人は、誰でも気軽に入れるサービスの良さ。

 私は午後7時半のアマデウス・ホールでのコンサートの前と後にこの会場でのミニコンサートを聴きました。

 前の方は、丸の内交響楽団の演奏。
曲目はちょっと思いつかないですが、金管楽器のファンファーレのお賑やかな、まるで吹奏楽のような曲でした。
 それを途中で抜けて、初期の宗教音楽をアマデウス・ホールで(前掲)。

 これが終わった後、「ヨーゼフ2世」を尋ねてみると、このホールでのラスト・コンサートがすでに始まっていました(午後8時から)。
江口玲さん(残念ながら?男性)が解説を交えつつ演奏。
 使用しているピアノは1887年製のニューヨーク・スタインウェイだそうで、発見のいきさつと、ホロヴィッツの調律師に修理と調律を頼んだと言うお話をされていました。
江口玲

Mozartのピアノ・ソナタ第10番ハ長調他を演奏。終わりに、珍しい「グラスハーモニカのためのアダージョ」のピアノ版も。

 鳴り止まない拍手に、Mozart漬けだった聴衆のお口直しにとシューマンの「トロイメライ」を柔らかくアンコール演奏。
 聴衆は音楽祭の終わりを惜しむように暖かい拍手を送っていました。

 私も、このラスト・コンサートを「熱狂の日」のラストにして、ホテルに向かいました。

その6へ  その8へ

「熱狂の日」音楽祭 その1 に戻る。

熱狂の日音楽祭-その6 初期の宗教音楽(5/6)

2006-05-08 17:58:43 | 音楽レビュー
6日夕方も時間が取れたので、無料ミニ・コンサートを物色していたところ、
東京駅を出てすぐ右方面にある丸の内オアゾでのピアノ協奏曲と交響曲第40番の演目を午後5時半からやることがわかり、早速駆け付けました。

ピアノ協奏曲のソロは小学生。演奏は丸の内交響楽団(と思う)。
オーケストラ・メンバーは、この間小編成であちこちの会場を回遊式演奏会と称して2重奏、3重奏、4重奏などを、それぞれ演奏してきた方たちが一同に会したメンバーです。
ソリストは苦も無くMozartを弾きこなしています。
協奏曲も交響曲第40番も1楽章だけでした。
ミニ・コンサートは、殆どこの方式です。

有料チケットを取れたもう一つの枠が、アマデウス・ホールでのMozart初期の宗教音楽の夕べです(5月6日午後7時半より8時まで)。2千円。

私には初耳の曲ばかりで、聴衆の多くにとっても初耳ではなかったかと思います。

S席の後方に数列の空席がありましたが、それ以外は満席に近い状況でした。
レクイエム(5/4)は2階最後尾でしたが、この日は1階後方席で、2階席が大きくかぶさって来ていて天井反射音が届かない席。

曲目は、長い題ですが、
「証聖者の荘厳な晩課(ヴェスペレ)」(公式パンフレットの4ヶ所全てで「課」とあり「歌」ではないので)ハ長調 K339
「聖母マリアのオッフェルトリウム・へ長調」『創り主の魂』K277
「レジナ。チェリ」ハ長調 K226
解説によると後の2曲(続けて演奏された)は10代の作曲とのこと。
冒頭の1曲はザルツブルグ時代に数多く創られた実用的宗教音楽の最後の作品という。

ソプラノはこちらも韓国人のヒョン・ミョンヒ(レクイエムの方とは違うが、この方も可愛い!)、メゾソプラノ:アリリン・ブラウナー(アイルランド)、テノール:ヴィンチェンツォ・ドナート(イタリア)、バス:ティロ・ダールマン(ドイツ)、指揮:ペーター・ノイマン(ドイツ)というこれも国際色豊かな組合わせ。
合唱はドイツのケルン室内合唱団と、演奏は同じくドイツのコレギウム・カルトゥシアヌム。

あまりにも宇宙的な音に眠ってしまうのではないかと思いましたが、どうにか最後まで持ちこたえました。

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熱狂の日音楽祭-その5 「レクイエム」

2006-05-07 00:25:44 | 音楽レビュー
これまでは、興味深いミニコンサートでしたが、全て無料演奏会でした。
そして、東京到着日の5月4日唯一取れた有料演奏会は「レクイエム」で、午後7時半開演。
「丸の内女声合唱団」から2時間おきにコンサートを聴いてきたことになります。

演奏はベルリン古楽アカデミー、RIAS室内合唱団(ベルリン)。Tカリユステ(エストニア)指揮。
ソプラノは可愛い(ホントに!)韓国人:S、イム。アルト:K、カーギル(スコットランド)。テノール:J、ミュリュス(フィンランド)。バリトン:K.ジャーノット(英国・ブライトン)という国際色豊かな顔ぶれ。

会場は5千人収容の東京フォーラムのホールA(この期間だけ「アマデウス・ホール」と称する)。

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの絶筆(ラクリモサの最初の数小節で絶筆となり弟子のジュスマイヤーがMozartの残したスケッチを元に補作・完成)となり、自らを送る作品となった「レクイエム(死者のためのミサ曲)」K.626.

5千人ホールに古楽器演奏では「音が響かないのでは?」と開演前に懸念したけれど演奏が始まるとその思いは杞憂に過ぎないことが判明。
私の座席は最後列から2列目という悪条件ではあったが、それこそ宇宙からの音かのような、広がりのある音響でした。いわゆる耳のすぐそばで大きな音が鳴っているというのとは正反対の雰囲気でした。

合唱も独唱も良く訓練された声で、音程も確かで、最後列まで良く通る演奏に感動しました。

同じ公演の最終日の様子は下記から公式レポートをどうぞ。
レクイエム

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熱狂の日音楽祭-その4 ジャズギター

2006-05-06 22:12:22 | 音楽レビュー
次いで、物色したのは、丸ビルから歩いて5分足らずの丸の内マイブラザで開催された杉本篤彦バンドによるジャズギターのミニコンサート。
杉本氏が電気ギター(いわゆるエレキギターとはちょっと違う)を演奏し、コントラバス、パーカッション、キーボードのクアルテットでの演奏。
最初が交響曲第40番の第4楽章のテーマによるジャズ変奏。
次にレクイエムから「涙の日(ラクリモサ)」のテーマをラテン風に編曲したバージョン。
続いて、キラキラ星変奏曲。
Mozartが聴いたら、泣いて喜びそうな演奏でした。

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熱狂の日音楽祭-その3 海老澤敏コレクション

2006-05-05 22:02:43 | 音楽レビュー
丸の内女声合唱団の演奏終了後、丸ビル7階のホールで開催されている
Mozart研究の第一人者である海老澤 敏コレクションの展覧会を鑑賞。
海老澤氏が長年に亘って収集してきたMozart関連の資料とレプリカや自筆譜のファクシミリ版(写真印刷版)など、多くの資料が展示されていました。
展示内容紹介は、はろるど・わーどさんのページへ御訪問ください。

一通り見終わる頃に、この会場でのミニコンサートが海老澤氏の解説とMozart時代に使っていたものと同等のピアノフォルテによる演奏で行われました。
現代のピアノはダイナミークレンジも大きく7オクターブ半の音域ですが、この時代はあまり大きな音も出ず、僅か5オクターブしかなかったそうで、Mozartは5オクターブの中であれほどすばらしい音楽を紡いだ訳です。

曲目はあまり聞いたことの無いものばかり。
「J.P.デュポールのメヌエットの主題による9つの変奏曲」(K573)
「ロンド イ短調」(K511)
「ソナタ 変ロ長調」(K570)
ピアノフォルテによる演奏は、FM放送などでは聴いたことがありましたが、実演はたぶん初めて。
繊細な音でした。

念のためピアノは『柔らかい繊細な音』、フォルテは『迫力ある力強い音』を表しますが、現代のピアノと比べて迫力に欠けるピアノフォルテも当時のチェンバロと比べればはるかにダイナミークレンジが大きかったので、この名が付いたようです。チェンバロは全く強弱が付けられなかったのですから。
しかし、それよりはるかに迫力のある現代のピアノが何故「ピアノ」という名前になったかは不思議ですが、単に後半省略という経過のようです。

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熱狂の日音楽祭-その2 丸の内女声合唱団

2006-05-04 23:47:29 | 音楽レビュー
私は仕事の前泊を利用して、5月4日に無料公演3演目と有料公演モーツァルトの「レクイエム」を鑑賞しました。

一つ目は午後1時半から「丸の内女声合唱団」による、アヴェ・ベルム・コルプスとベートーヴェンの第九交響曲第4楽章ピアノ連弾伴奏版。

第九・4楽章は抜粋ではなく、男声合唱部分も女性が歌う全曲通し演奏。
オーケストラのフーガ演奏が続き、合唱がしばし休憩という部分もピアノ連弾が大奮闘。
しかし、やっぱり「抱かれよ諸人よ!」のところは女声では頼りない感じ。
男声の力強さを改めて知らしめた結果となりました。
女声の高音部は若干ぶら下がっていましたが(音程がちょっと低くずれているという意味)・・・しかし、結成1年にもならない合唱団としては大健闘。
独唱部分はプロの方のようでしたが、特にソプラノは本格的喉を響かせていました。
ソプラノ:高瀬梢、メゾソプラノ:岩田真奈 他
終焉後は、大きな拍手に包まれていました。
会場は東京駅前・丸ビルの1階エントランスMARUCUBEでした。

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熱狂の日音楽祭2006 その1

2006-05-04 22:37:15 | 音楽レビュー
久々の音楽レビューです。

この連休は、会社の仕事で東京出張。
おかげで、連休後半はつぶれてしまいましたが、
その代わりといっては何ですが、仕事の前後に
折から東京で開催中の「熱狂の日」音楽祭2006
『LA FOLLE JOURNEE au JAPON』
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン
に行って来ました。

去年、初開催の「ベートーヴェン」に引き続く二回目で、
今年の表題は生誕250年のモーツァルトにあやかり、
『モーツァルトと仲間たち』

5月3日から6日に掛けて284公演と路上ライブや屋外コンサートなどが多彩に行われました。
有料公演も45分から1時間の気軽に参加できるもので入場料も1500円から3000円。180を超える公演が東京フォーラムを中心として行われました。
これ以外に、丸の内地区(丸ビル他数会場)や東京フォーラム周辺で100を超える無料公演が繰り広げられています。

その2へ

ショスタコーヴィチ《交響曲第6番》

2006-01-28 16:14:35 | 音楽レビュー
《交響曲第6番》の1楽章の低音部に第10番1楽章の低音部と共通するような音の動きを感じました。
彼の作品には曲目同士の引用が結構あるようですね。
2番「10月革命に捧ぐ」の一部が12番の「1917年」の終楽章「人類の夜明け」につながっているように。

《交響曲第6番》と言えば、最近 T-Record(全国ネットの店)の企画商品で、レオポルド・ストコフスキーがシカゴ交響楽団を指揮したものが、なんとマーラーの第2番「復活」とのカップリング2枚組み(2000円+税)で出ているのを見つけて、早速買ってきました。
ストコフスキーといえば「ファンタジア」(音楽映画:若い人は知らないかも)やポピュラーな曲目の演奏が豊富というイメージでショスタコーヴィチやマーラーを録音しているとは全然知りませんでした。
まだ1回BGM的にカーオーディオで通勤中に聴いただけですが、結構いい線いっているのでは?

また、買いませんでしたが、同じくT-Recordで、ゲルギエフ指揮のショスタコーヴィチ「戦争交響曲集」として4番から10番までをカップリングしているのを4990円で、指揮者は度忘れしましたが全曲カップリングを3990円で、いずれも「Special Price」シール付きで売っていました。
何故、4番から10番が「戦争交響曲集」なのか解りませんが・・・。
作曲に着手したのが第二次世界大戦中だったのでしょうか?

ショスタコーヴィチ 《交響曲第10番》

2006-01-17 18:56:09 | 音楽レビュー
今年は、モーツァルト生誕250年ということで、クラシック・ファン以外にももてはやされていますが、ショスタコーヴィチ生誕100年の記念の年でもあるそうです。
そこで、《交響曲第10番》について

スターリンは、《交響曲第9番》はどの作曲家も大作だから、その副題に
「スターリン」と付けて欲しかったようですが、ショスタコーヴィチの肩透かしの
諧謔的な曲想を聴いて、いたく失望したとか激怒したとか・・・?

ロシアやロストロポーヴィッチの解釈とは別に、私の聞き取った10番の“解釈”では、
1楽章はまさにスターリンの圧制に対する国民、特に文化人の鬱屈。
2楽章は茶坊主批評家達のありとあらゆる批判と中傷の嵐。
3楽章は、例のホルンのファンファーレがショスタコーヴィチの名前を織り込んだものでは
と言われている様に、自らの断固たる意志の表明と明るい展望。
4楽章は圧制を打破して(くぐり抜けて?)勝利への道筋。
という感じです。
如何でしょうか?
私は1楽章が好きですね。いかにも圧制に耐えているという雰囲気で・・・。
「冒頭部分は退屈かもしれません」どころか引き込まれます。
ロジェストヴェンスキー、カラヤン、フェドセーエフ、などの演奏を持っています。

ちなみにベートーヴェンの第9も1楽章が一番好きですね。

2006Jan17