JUNSKY blog 2015

私の時事評論等です
文化関係の記事は、
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靖国神社テーマの映画が 国会議員向試写会

2008-03-12 23:46:51 | 映画レビュー
 中国人監督が、靖国神社をテーマに撮った映画に、一部“右派”議員が『いちゃもん』を付け、事前検閲に相当する『試写』を求めたのに対し、
 この監督は「全国会議員が対象ならば上映しよう」という冷静な対応をしたので、今日3月12日に都内で試写されたという。
  
 この試写会には国会議員本人と秘書を含め、自民党から日本共産党まで80名が参加したそうだ。
 そのうち、自民党関係が50名にものぼったという(6割以上)。
詳しくは、ここをクリック


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国会議員に靖国映画試写会 中国人が制作(共同通信) - goo ニュース
             共同通信  2008年3月12日(水)19:54
 日本に住む中国人が、芸術文化振興基金から助成金を受け制作した、靖国神社テーマのドキュメンタリー映画試写会が12日夜、、国会議員向けに都内で開かれた。4月から一般公開されるが、内容が「反日的」と聞いた一部の自民党国会議員が文化庁を通じて試写会を要請した。配給会社側は当初「事前検閲だ」と反発していたが「一部議員ではなく全国会議員が対象ならば」と承諾した。

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靖国映画「事前試写を」 自民議員が要求、全議員対象に(朝日新聞) - goo ニュース

国会議員横ヤリの「靖国」試写会に80人 偏向指摘も(朝日新聞) - goo ニュース

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長澤まさみで開幕?! 20周年「東京国際映画祭」

2007-10-21 18:14:58 | 映画レビュー
スポニチ記事引用

 第20回東京国際映画祭が20日開幕した。六本木ヒルズのアリーナには約200メートルのレッドカーペットが敷かれ、出品作品の出演者らが華麗にウオーキング。
 参加者約300人の中で一番に登場したのは女優の長澤まさみ(20)。「オープニング女優」に任命され、隣接するホテルで行われたオープニングセレモニーでは開会宣言し、映画の祭典の幕開けを告げた。

        


 「それでは20歳の東京国際映画祭を開会します」。シルバーのドレスで、髪をアップにした長澤が笑顔で開会を宣言。その瞬間、会場は大きな拍手に包まれ、9日間の映画の祭典が始まった。

 長澤は「東京国際映画祭も20回を迎えました。私も20歳。共通の喜びを感じています」とあいさつ。「これからも1年1年、新しい歴史を築いていけたら」と“成人式”を迎えた映画祭を祝福した。

 20歳で映画祭も20回目ということから任された大役。映画祭関係者によると、長澤に次代の映画界を担ってもらいたいとう考えもあるという。

 20回の歴史の中で「オープニング俳優・女優」が設けられたのは初めて。一昨年の第18回で、その年の映画キャンペーン大使を務めていた歌手の工藤静香(37)が、昨年の第19回で特別招待作品の韓国作品「王の男」の主演男優イ・ジュンギ(25)がセレモニーに登場したことはあるが、いずれも「ゲスト」扱い。映画祭関係者は「毎年俳優を任命することになるかは、分からない」と話すが、節目の年の開幕を宣言した長澤の名前が語り継がれていくことは間違いない。

 オープニングセレモニーに先立って行われたレッドカーペットでも、長澤はそうそうたる顔ぶれの中でトップで登場。沿道を埋めた報道陣やファンのフラッシュに笑顔で手を振り、イベントを盛り上げた。
         
 なおオープニングセレモニーでは、特別招待作品オープニング作品の「ミッドナイトイーグル」出演の大沢たかお(39)、竹内結子(27)らも登壇。世界の映画人に作品をアピールした。

長澤で開幕!20周年「東京国際映画祭」(スポーツニッポン) - goo ニュース

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「夕凪の街 桜の国」 主演女優・田中麗奈さんがコメント

2007-07-10 17:36:20 | 映画レビュー
 コミックス原作の映画「夕凪の街 桜の国」(7月28日公開)の完成披露試写会の席で、主演女優の田中麗奈さんが、久間前防衛相の「原爆投下はしょうがなかったと思っている」発言に対して、
「あの発言で若い人が戦争や原爆のことは話しにくい雰囲気になるのいやですね」
と語ったと言う。
若い世代の気持ちを代弁した的を得た発言だと思う。



 こういう素直な若い人々の感性に信頼して、「原爆許すまじ」の声を広げてゆきたいと思った。

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映画「夕凪の街 桜の国」
☆ 被爆者とその家族を描く物語です。 
  昨年、『出口のない海』(人間魚雷「回天」がテーマ)を世に送り出した、佐々部清監督作品。
「夕凪の街 桜の国」公式ブログ

田中麗奈

麗奈 前防衛相発言に表情曇らせる(スポーツニッポン) - goo ニュース
以下、スポニチWeb版のコピペです。
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田中麗奈 久間前防衛相発言に表情曇らせる
         スポニチ 2007年7月10日(火)06:13

 原爆の影響をテーマにしたこうの史代氏のベストセラーコミックを映画化した「夕凪の街 桜の国」(28日公開)の完成披露試写会が9日、大阪市内であり、主演の女優田中麗奈(27)と佐々部清監督(49)が舞台あいさつした。

 被爆者を伯母に持つ七波(ななみ)に扮した田中は「被爆者2世ですが彼女らしく明るくのびのびと生きている。そんな前向きに生きる七波が大好き。どうしてもやりたかった」と感想、佐々部監督も「七波は田中さんしか考えられなかった。原爆の問題を見事に今に伝えてくれた」と絶賛。久間章生前防衛相の発言にもふれ「この映画を見てくれていればあんな発言はなかったと思う」と佐々部監督。田中も「あの発言で若い人が戦争や原爆のことは話しにくい雰囲気になるのいやですね」と表情を曇らせていた。
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ゆふいん文化・記録映画祭

2007-05-26 22:06:01 | 映画レビュー
今日は新聞Web版のコピペです。すみません。

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99歳無名画家の記録、由布院の男性撮影 映画祭で披露
2007年5月22日(火)12:12  asahi.com

 大分県の由布院(由布市)に、83歳で初めて絵筆を握り、今年3月、99歳で亡くなった画家がいた。東勝吉(ひがし・かつきち)さん。その最期の半年間を見つめ続けた映画が、25日に開幕する「ゆふいん文化・記録映画祭」で披露される。撮影したのは、地元の電器店に勤める大谷隆広さん(37)。由布院の四季や人物を力強い線と鮮やかな色使いで描いた水彩画に感銘を受け、「多くの人に東さんを知ってほしい」と約半年間、カメラを回し続けた。

 映画は「99~ninety‐nine 東勝吉・99歳孤高の無名画家」。上映時間は40分。100歳を間近にしてなお絵筆を握り続ける理由や、後世に何を残そうとしているのかを探ろうと、本人の言葉や行動、東さんをよく知る人たちの証言を積み重ねた。

 東さんは大分県日田市出身。50代で木こりから転身し、由布院で雑貨店を開いた。86年に近くの特別養護老人ホーム「温水(ぬくみ)園」に入園。83歳になった91年から水彩画を始めた。

 個室の半分にベッドを置き、もう半分が「アトリエ」に。大きなキャンバスの前に、中腰の姿勢で立って絵筆を振るうのが日課だった。1人では出歩けないため、新聞や雑誌の写真、記憶に残る景色を頼りに描き続けた。

 職員が「今度もすごい絵だね」と声をかけると「ありがとう」と笑顔を返した。「近い風景と遠い風景はこう描くんじゃ」と、絵に対するこだわりを語る時もあったという。

 昨秋、大谷さんは温水園に東さんを訪ねて、撮影を相談した。「あんたたちに絵を任せるよ」。東さんは自分の作品約100点を託すのと引き換えに快諾した。

 JR由布院駅のホールや近くの美術館で4月から、生前から決まっていた「白寿個展」が開かれている。素朴さと繊細さを併せ持つ作品を見て、「年をとるのが怖くなくなった」「生きる力をもらった」と話す人も少なくない。

 温水園の佐藤忠興理事長(67)は「東さんが『小学校の頃、泥棒とお巡りさんの絵が先生にほめられた』と話していたので絵を勧めた。生涯の生きがいを得て、最期は地元の若者が映画でもり立ててくれた。これ以上の臨終はない」と話す。

 映画祭の開幕を飾る作品として25日午後7時から、由布市の湯布院公民館で上映される(無料)。問い合わせは実行委員会事務局(0977・85・3373)へ。
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99歳無名画家の記録、由布院の男性撮影 映画祭で披露(朝日新聞) - goo ニュース
ゆふいん文化・記録映画祭 26日開幕 「炭坑美人」など6本を上映 湯布院町(西日本新聞) - goo ニュース

「日本の青空」を再び見ました。

2007-05-12 20:04:18 | 映画レビュー
     映画の中の白洲次郎(中央)とベアテ・シロタ・ゴードン(右端)

 日本国憲法成立過程をドラマ仕立てで描いた、劇映画「日本の青空」を見てきました。

 私にとっては、完成記念上映会を招待状で見た1回目に続き、今回の公式上映会と言う2度目の鑑賞です。「制作協力券」で入場しました。

 前回は、後方で見ましたが、今回は字幕が良く読めるようにと最前列に陣取ってみました。
 おかげで、さまざまなディティールを見ることができました。

 また、今回はGHQと日本政府の論争部分の英語の聞き取りにも挑戦しました。

 さらに、この間放映されたNHKの一連の日本国憲法成立過程を描いた番組とも比較しながら見ました。

 そこで、気が付いたのは、主人公の田丸麻紀扮する出版社に派遣されている沙也加が、調査の中で、
ラウエルが「民主的で受け容れられる」と書いているところを発見する部分が、
NHKの「焼け跡から生まれた憲法草案」でラウエル自身の肉声と公式記録で
“Democratic and acceptable”
と言っているところを受けています。

  (最近のベアテさん)
 また、NHK「日本国憲法誕生」のなかで、ベアテ・シロタ・ゴードン自身が、GHQと日本政府の交渉の中では、「両性の平等」の部分は、ベアテさんが創ったとは言わず、ケーディスが「ベアテさんも望んでいるので、通しましょう」と言った、と説明されていましたが、
この映画ではケーディスが「この条文はベアテさん自身が作ったものだから通してはどうですか?」と迫り、白洲次郎が「ベアテさん自ら作ったのなら勝ち目はないな。通しましょう」と言ったという風に描かれていました。
  (当時のベアテさん)

 他にも色々とありますが、映画の最後に主人公の沙也加を支えた男友達・修介が、再び司法試験に挑戦することにしたと話すくだりで、民法の受験参考書が映し出されますが、それが「伊藤塾」の参考書でした。
 伊藤塾の伊藤真氏も憲法九条を守ろうという運動に参画されています。
【 中央大学や早稲田大学の「九条の会」は、「伊藤塾」塾長で法律家の伊藤真さんを講師に招いて講演会を開き、憲法を学習したりしています。いずれも百人を超える学生が参加し、憲法問題への関心の高さを示しました。

 東京大学では、学園祭で開いた伊藤氏の講演会に三百人がつめかけました。学生が「改憲論の背景にあるグローバリゼーション」などのテーマを決めて月に一度、学習会を開き、憲法をさまざまな視点で学んでいます。
2005年7月3日(日)「しんぶん赤旗」】

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吉永小百合(61)の主演映画「母(かあ)べえ」

2007-02-21 23:43:50 | 映画レビュー
  写真は、時事通信 (2月20日(火) 22時17分) より
吉永小百合“第2のふるさと”で撮影(スポーツニッポン) - goo ニュース

山田洋次監督の次回作は、吉永小百合 を主演とし、稀代の悪法「治安維持法」をテーマにした、
野上照代の「父へのレクイエム」を原作とする「母(かあ)べえ」だとのこと。

藤沢周平三部作で時代劇を描いた山田洋次監督が、久々に激動の時代を描く映画を作るらしい。
憲法9条が変えられようとしている現代に警鐘を鳴らす作品になるであろう期待は大きい。

主役は、「原爆詩」の朗読をライフワークとし、平和運動にも憧憬が深い吉永小百合。

これに、「女王の教室」で天海祐希扮するスパルタ教師と渡り合う小学生を演じてブレークした志田未来(しだ・みらい)が娘役で出演するという。NHKの「ハルとナツ」で子ども時代を演じ、先ほどは「14歳の母」で主演した将来を待望される若手。


もう一人の娘役で、佐藤未来(さとう・みく)が出演。
昨年、「功名が辻」に出演していたと言うが私は覚えが無い。


公開中の「武士の一分」に出演している、檀れい、坂東三津五郎も出演するらしい。
スポニチ記事は、この記事のTOPのリンクから参照。

以下は、2006年9月6日スポーツ報知記事コピペ
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 山田洋次監督(74)と女優の吉永小百合(61)が映画「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」以来32年ぶりにタッグを組むことが5日、松竹から発表された。タイトル「母(かあ)べえ」(2008年公開)で、日米開戦(1941年)前後の激動の時代をたくましく生きた肝っ玉母さんを演じる。監督のラブコールに吉永は「夢のよう」と喜ぶ一方で「浮かれてばかりいないで、しっかり準備します」と112本目の出演作に向け、始動する。

 黄金コンビが32年ぶりに復活する。吉永が山田組に参加するのは「男はつらいよ 柴又慕情」(72年公開)、「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」(74年公開)でマドンナを演じて以来3回目。「北の零年」(05年1月公開)に続く112本目の出演作が日本を代表する巨匠の作品に決まり、吉永も「何としても出演したいと思いました。夢のようです」と大喜びだ。最近は東映続きだったが、「女ざかり」以来、12年ぶりの松竹作品だ。

 「母べえ」は、黒澤明監督の現場でスクリプター(記録係)を務めた野上照代さん(79)が書いたノンフィクション小説「父へのレクイエム」が原作。野上さんの家族が二女(野上さん)の目線で実体験に基づいて描かれている。

 舞台は1940年の東京。日米開戦直前のある日、父親が治安維持法違反で検挙される。残された母と2人の娘は激動の時代を必死で生きる―。吉永は優しさとたくましさを兼ね備えた“昭和の母”を演じる。10歳前後の子供がいる年齢設定。家族のすばらしさと、昭和という時代を問う感動作となりそう。

 山田監督は「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」「武士の一分(いちぶん)」の藤沢周平時代劇3部作に続き、昭和に着目。原作を読み、共感し、映画化を決めた。主演を決める際「小百合さんだ!」と即断したという。「半時代劇といってもいいのだけど、ある意味では時代劇より考証的には難しい。スタッフはねじり鉢巻きで勉強中です」とコメントした。

 書籍などで当時の時代背景などを研究している吉永は「暗黒の時代を懸命に生きた“母べえ”を深く表現できるよう全力を尽くします」と誓っている。2007年1月にクランクインする。
(2006年9月6日06時04分 スポーツ報知)

檀れい(35)、坂東三津五郎(51)、浅野忠信(33)らが共演。
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以上、引用おわり
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愛の流刑地

2007-02-04 03:02:02 | 映画レビュー
寺島しのぶが、いわゆる「体当たり演技」で大熱艶している。
一時、相当太りブスになっていた寺島しのぶだが、一念発起したのか、相当スリム(まあスリムとは言えないが)になろうと努力したあとは見える。

年の割には可愛くきれいになっていた。

実母の藤純子がそのまま実母役で出演している。
複雑な心境であろう。

情事の相手として作家役で出ているのが、豊川悦史。

この映画、冒頭から寺島と豊川の“一糸纏わぬ”激しい情事のシーンから始まる。
そして、「愛のコリーダ」(阿部定事件)ではないが、逆に豊川が寺島の首を絞めて誤って死なせてしまうというところまで冒頭の15分程度で進んでしまう。

あとは、警察 ⇒ 検察 ⇒ 裁判と流れるのであるが、
それぞれの証言シーンに情事が回想されるので、後半は裁判シーンなのであるが、結果的に全編情事シーンや音声の再現である。

長谷川京子が美人検事の役をやっているのだが、取調室に白いブレザーを着て颯爽と入室したのもつかの間、豊川被疑者の前でブレザーをいわくありげに脱ぐと、その下は下着かと思えるような胸元の大きく開いた黒のキャミソール(?)。
胸の谷間も顕わにして取り調べるのである。
この演出はあんまりだ。

また、この長谷川検事。「何故こんな痴情事件を担当しなければならないのか?」と佐々木蔵之助扮する上司か先輩らしき検事に尋ねるのだが、この二人も実は痴情関係にあるという想定で、激しいシーンを演じたりもする。
しかし、この美人でナイスバディの長谷川検事は「エクスタシー」を知らない役どころらしい。
それほど美人でもナイスバディでもない平凡な主婦(子ども3人)が作家との不倫で「エクスタシー」を感じて「殺して!」と叫ぶ役どころと対照的に描いている。

この長谷川検事の扱いは極めて違和感を覚えた。
観客動員の話題づくりのために、長谷川京子にこういう艶のある(いわゆるお色気路線)役周りをさせたのであろう。
また、長谷川検事が冒頭陳述をするところは、まるで棒読みで目を瞑って映像を見なければ、とても聞いていられない下手さ加減。
これは、先週見た「それでもボクはやってない」で瀬戸朝香が棒読みの弁論を演技としてしていたのとは、ちょっと違って、長谷川京子が本当に下手くそと言う感じ。

最近良く出ている余貴美子がバーのママ役で、かつてエクスタシーに狂ったあげく自殺未遂をした役どころ。

風林火山に出ていて、先週武田軍に殺された村娘・貴志谷しほりが作家の娘役。
この人は、大奥等にも出ていて人気があるのかも知れないが、下手くそ。
時代劇よりは、この映画の方が少しはましだったかも。

高島礼子が作家の冷めた妻役で出ている。

弁護士役として陣内孝則。

映画としての私の評価
ストーリー:5点満点で2点。
映像の美しさ:4点
構成:3点
総合評価:宣伝文句ほどの映画ではない。
お勧めしない。
スマステ流にすると、1800円のうち500円程度の値打ち。

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ぐうたらな一日 & それでもボクはやってない

2007-01-29 01:08:33 | 映画レビュー
28日(日)は、前夜宝塚歌劇のDVD「ファントム」(花組公演)を見ていたら朝5時になったので、11時起きという不健康な始まり。

午後3時から週一回の水泳に出かけました。
途中で買い物などをしたので4時前到着。
ストレッチを15分
水中ウォークを15分
水中ウォーク開始時は一人だったのにすぐ5・6人に増え、
4時半ごろがターニングポイントであることがわかりました。
4時35分から1000m平泳ぎを開始。
5時15分に終了。ゆっくりペース。

その後、スーパー銭湯に行くと駐車場が一杯。
場内も、かつて見たことの無い混雑振りでした。

サウナから上がってシャンプーをしていると
70代過ぎの老人が呻いて倒れた様子。
振り返ると3人くらいの方が介助され、職員も駆けつけ救急車も手配した模様。
野次馬にはなってはいけないので、駆け寄りはしませんでしたが、やや間をおいて名前などを聞くと反応があったので大事には至らない模様。
長く感じましたが、10分程度で救急隊員が駆けつけ搬送して行きました。

帰ってからナイトショーで「それでもボクはやってない」を見ました。
2時間25分に及ぶ大作ですが、後半は法定場面の連続。
それでも、眠気をもよおさず最後まで見られたのは、緊迫感ある運びのため。
冤罪は、警察の取調べだけではなく、検察の取調べだけではなく、裁判でも造られる。
警察や、検察は被疑者の主張には耳も傾けない。
起訴されれば、99.9%有罪。
否認事件でも97%有罪。
という事実などが示されます。

この件は、別に書くことにします。
ここをクリック

硫黄島からの手紙

2006-12-24 22:54:39 | 映画レビュー
  (写真は「映画とはずがたり」さんのブログより転載)

2週間に亘って延期せざるを得なかった「硫黄島からの手紙」を見た。

重い映画である。
このストーリーをクリント・イーストウッドとスピルヴァーグが書いたこともさることながら、兵士達の思いをできるだけ本音で描こうとしている所にも敬意を表したい。
もちろん、日系人(Chris Yamashita 他)や日本のスタッフも大いに協力はしているようでもあるが。

この映画は「西郷」という一兵士の目から見た硫黄島の戦いを描いていると言える。

この西郷、戦争前は若妻と二人で小さいパン屋を営んでいたのだが、憲兵が天皇のため、戦地の兵隊のためと称して、最初はアンパンなどの菓子パンを、ハムサンドを作ったときは、ハムサンドはもちろんのこと材料の肉まで取り上げ、それもなくなるとパンを、次は小麦粉を、何も無くなると金属供出と称して道具を取上げ、パン屋は閉めざるを得なかくなったという話を悔しそうに戦友にする。

その話を聞いた戦友は「あなたの女房はつらかったでしょうね。最後はご亭主まで取り上げられて(戦地に引っ張られて)」としみじみと言う。(台本を見ている訳ではないので表現は正確ではない)

ここに戦争の本質を描こうという制作者と監督の意図が読み取れる。
私は、映画前半のこの部分で、もう参ってしまった。

栗林中将は、一応主役ではあるが、映画の視線は西郷から見た栗林中将である。
また、彼の描かれ方については、多くのブログで語られているので、ここでは遠慮しておく。

公式ホームページでの説明では、2万人以上の日本兵が、戦死し、アメリカ兵も7千名が戦死したという。
この戦争が日本軍部と軍部が支配する日本政府(東条英機首相)の全く誤った世界情勢認識と精神主義で始まったことを忘れてはならない。

今、時の政府が「美しい日本」などと言い、教育基本法を改悪し、再び誤った精神主義を日本国民に植え付けようとしている時、この映画が問うて居る内容は計り無く深く、重い。

予告編で見たときは杞憂を持ったが、全くそういう「戦意高揚映画」では無かったことは、はっきり言える。

しかし、硫黄島では最後まで「果敢に」戦ったが、日本軍の戦死者の過半は飢え死にや病死であったという事実は忘れてはならない。補給の見通しも無い戦いを進めた大本営は、精神主義的命令を発するだけで何の手も打てない、全く無能の「参謀本部」であった訳である。

参謀とは誰の参謀か? 憲法(大日本帝国憲法)で軍の統帥権を持っている天皇の参謀であったことは確かであろう。彼らは無謀な作戦を天皇の権威と名によって行い、天皇もこれら作戦を認めたのである。

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私の2006年映画ベストテン(1月~12月)

2006-12-23 23:15:40 | 映画レビュー
今年見た映画リストとベスト10

見た映画リスト
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01.THE 有頂天ホテル  Comedy
02.博士の愛した数式  Human
03.フライト・プラン  Mistery
04.スタンドアップ(North Country)  Human
05.Promise 「無極」  Beauty
06.単騎千里を走る  Human
07.ジャーヘッド  War
08.ミュンヘン   War
09.シリアナ    War
10.ブロークバック・マウンテン  Human
11.プロデューサーズ  Entertainment
12.「グッドナイト&グッドラック」  Human
13.明日の記憶  Human
14.ダ・ヴィンチ・コード  Mistery
15.海猿  Human
16.TRICK  Comedy
17.私の頭の中の消しゴム  Human
18.ホワイト・プラネット  Environmental
19.バルトの楽園   War1WW
20.ダ・ヴィンチ・コード(2回目)
21.日本沈没  Human
22.アニメ;ゲド戦記  Animetion
23.ユナイテッド93  War911
24.UDON  Comedy
25.出口のない海  War2WW
26.涙そうそう  Human
27.ワールド・トレード・センター  War911
28.フラガール  Human
29.父親たちの星条旗  War2WW
30.武士の一分  Human
31.敬愛なるベートーヴェン   Music
32.プラダを着た悪魔  Comedy
33.硫黄島からの手紙(明日鑑賞予定)  War2WW
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ダ・ヴィンチ・コードは、1回目は内容を把握できず、
2回見たが、やはり良く解らなかった。

なお、題名右の分類は私の勝手な決め付けによるもの。

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さて、ベスト10(順不同だが)

**スタンドアップ(North Country)
**「グッドナイト&グッドラック」
**明日の記憶
**バルトの楽園
**出口のない海
**ワールド・トレード・センター
**フラガール
**父親たちの星条旗&硫黄島からの手紙
**武士の一分
**敬愛なるベートーヴェン

と、しておく。
10本にするためにやむを得ず削除したものも5本以上ある。
「博士の愛した数式」と「私の頭の中の消しゴム」は、全く同じ症状ではないが、記憶の喪失というテーマなので、「明日の記憶」に代表してもらった。
「プラダを着た悪魔」も捨て難かったが、見て間もないという点もあり、あえて外した。

「バルトの楽園」と「敬愛なるベートーヴェン」はいずれも『第九交響曲』を一つのテーマとしているが、前者は戦争が背景であり、後者は作曲者ベートーヴェンの創作秘話という位置づけであるので、このブログを御覧の方は御存知の通り、今年嘉穂劇場の第九に出演した繋がりもあり、双方ともベスト10に挙げさせて頂いた。

「ジャーヘッド」「ミュンヘン」「シリアナ」は国家権力の陰謀を描いたもので、どれも重要なメッセージを含んでいたが、最大の陰謀であると言われる911を描いた「ワールド・トレード・センター」に代表してもらうことにした。またユナイテッド93もこれに代表してもらった。

「スタンドアップ」「武士の一分」は人間の尊厳を扱った全く異なる二つの映画であり、前者は炭鉱で働く女性労働者を、後者は武家社会で下積みで働く下級武士を描いている。

「グッドナイト&グッドラック」は、国家権力のマスコミへの介入と闘い、マッカーシズム(赤狩り)の扇動者を辞任に追い込んだジャーナリストを描き、丁度日本国内で新たな“赤狩り法”である「共謀罪」法が論議されていた時だけに、ジャーナリストとは如何にあるべきかを問うたものとなった。

なお、私の映画評は、このブログの左側サイドカラムの【CATEGORY】欄上から6行目の『映画レビュー』をクリックされれば、新しいものから順に見ていただけます。主な映画は殆ど一言書いています。中には長い文章の記事もあります。

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プラダを着た悪魔

2006-12-18 19:09:39 | 映画レビュー
 
 【写真左がアンディ(アン・ハサウェイ)右がミランダ(メリル・ストリープ)】


 昨日(12月17日)は、会議の後、同席した会議参加者を博多駅まで相当遠回りして送り届けたものだから、15分で帰れる自宅まで、小一時間掛かってしまい、帰り着いたのは午後8時を過ぎていた。

 今週も「硫黄島からの手紙」を見るつもりだったけれど、インターネットで確認すると上映開始が9時なので、晩飯を取っているとギリギリになりそう。
 他に見るべきものがないか上映プログラムをみたところ、「プラダを着た悪魔」の一日の上映回数が2回に減っているのがわかり、これは今週で終わるかもしれないと思い、こっちを見ることにした。

 晩飯後、シネコンに駆けつけ上映案内を見ると、先週見た「敬愛なるベートーヴェン」 も「プラダを着た悪魔」も今週金曜日でアップの予定ということで、判断に誤りはなかった。ついでに「父親たちの星条旗」 も今週終了予定。

 と言う訳で「プラダを着た悪魔」を見ることにしたのだが、普通ならこの手のタイトルの映画は見ない。
先だっての『スマステ』の稲垣・香取の映画ランキングで「期待していなかったが結構面白かった」と高いポイントを得ていたのが、見るきっかけとなったのだった。

 で、この映画 大御所メリル・ストリープ演ずる豪腕かつ我が儘丸出しの高級ファッション誌編集長?のミランダと、新任の第二秘書?アン・ハサウェイ演ずるアンディとが繰り広げる『パワーハラスメント』との格闘物語。
アンディの教育係兼辣腕の第一秘書?エミリーにはエミリーブラントが扮する。

 出だしからして凄い。ミランダが編集室に来るという情報に、みんな大慌てで準備をしたり片付けたりあれやこれやの大騒動!
ちょうどそこに採用面接にきていたのがアンディ。本当は作家かジャーナリストになりたいのだが、取敢えずの「腰掛け」に、この職場を尋ねたと言う訳だ。
高級ファッション誌に面接に来たのに、いわゆる「イケテナイ」服装(私のようなオジサンには、どう「イケテナイ」のか良く解らないのだが・・・)いわゆる普段着で来ている。

 いよいよミランダの登場。決定的瞬間まで顔を写さず、脚や後姿などで舐めるように写すのだが、見ているほうはメリル・ストリープだと、とうに解ってしまっている。
顔が映るや、第一秘書(Senior Assistant)メアリーに機関銃のように指示を連発する。それも一発撮りのようで、全く切れ目無くミランダの指示が発せられる。
さすがメリル・ストリープ様さまだ。キャリア・ウーマンの面目躍如である。
メアリーは、それを余すことなく聞き取り、仕事をこなす。アンディ唖然。

 デザイナーの新デザインにも間髪を入れずダメだしをしてゆく。
一秒単位の仕事ぶりと言うところを良く現している。

 メアリーは、アンディのダサさも見て、とても採用されるはずは無いと見くびるのだが、ミランダは直接面接する。
その理由は、
「あなた方スタッフに任せて採用した女は、美人でスリムかも知れないが、オツムが空っぽ(Silly)で役に立たず、すぐにやめていったじゃない」
と言うものだった。

 晴れて採用と成り、いきなり第二秘書(Junior Assistant)の大役(と言っても、ミランダの好みのコーヒーやステーキの準備や犬の散歩や何やかやの重要な“雑用”なのだが)をこなさざるを得なくなる。
ここからが、公私混同のミランダの我が儘放題、パワハラの始まりである。

 アンディは「イケテナイ」センスから、ミランダの右腕と言われるディレクタのナイジェルのコーディネイトで見る見る変身し、最先端ファッションを身に付けるようになる。
 この辺の所、それら衣装や靴・帽子などを新たに買うのではなく、倉庫にある使い古し(とは言っても写真撮影用に一回きりしか使っていないものや、没になったものらしい)を使ってコーディネイトするところが面白い。
 シンデレラ・ストーリーとマイ・フェア・レディを一緒にしたような急変身ぶり。

そこには、いろいろなエピソードが散りばめられているので見ていただくとして…

 メリル・ストリープの演技力にさらに注目させられるのは、
仕事では一秒単位の闊達さで捌いているが、自宅で気が抜けた場面では「老い」が顕わになり、見るからに老人というイメージを演じているところ。
失礼ながら、これが生のメリル・ストリープその人か?!と思わせるほど真に迫った「老いぼれ」ぶりである。
それでも、翌日仕事に出ているときは、やはり闊達なカリスマ編集長なのである。

 このギャップも監督が描きたかったことの主要テーマに違いない。
アンディは、そのいずれにも接する中で(ミランダは、そういう「老い」を見られたくはなかったのだが、偶然にも見てしまう羽目になるのだ)、ミランダが「悪魔」ではなく、一人の悩める人間であることを知るのである。

「パリ・コレ」への同行は、ダイエットも含めて準備万端のメアリーを押しのけて、アンディがミランダから指名された。

パリでもさまざまな出来事があるが、そこも見ていただくとして、
アンディは、帰国後自ら辞職(quit)する。パリで何かに気付いたのだ。

パワハラに一旦負けそうになりながらもそれを克服し、その後は元々の希望であったジャーナリストへの転進を図るのである。
(これは、原作者の「いきざま」の投影である)

最後に遠目にお互いを確認し「認め合う」ところでエンディングとなる。


では、映画の公式サイトの紹介文の一部を引用しよう。
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◆ INTRODUCTION ◆
2003年4月、20代の新人女性作家が書いた1冊の本が、刊行と同時にベストセラーになった。タイトルは、「プラダを着た悪魔」。作者は、ヴォーグ誌の女性編集長のアシスタントをつとめた経験を持つローレン・ワイズバーガー。作者自身の実体験が多分に反映されているとおぼしきこの小説は、瞬く間に同世代の女性たちの間で評判を呼び、ニューヨーク・タイムズ誌のベストセラー・リストに6カ月間ランク・イン。世界でも27カ国語に翻訳され、何百万人もの女性たちの熱い支持を集めた。本作は、その待望久しい映画化。華やかにして苛酷なファッション界の裏舞台を垣間見せながら、誰もが社会に出たときに痛感する驚きや迷いをユーモアあふれるタッチで描き出し、たっぷりの共感を味わわせてくれる新感覚のトレンディ・ムービーだ。

監督は、アメリカのTV史上最もファッショナブルな番組として、世界中で社会現象を巻き起こした「セックス・アンド・ザ・シティ」を手がけているデヴィッド・フランケル。衣裳デザインは、同番組のサラ・ジェシカ・パーカーの着こなしを通じて、様々なトレンドを作り上げてきたパトリシア・フィールド。お洒落のツボを心得た彼らは、タイトルのプラダはもとより、シャネル、ドルチェ&ガッバーナ、ジョン ガリアーノ、エルメスなど、まばゆいばかりのブランドのアイテムをふんだんに使い、モードの最前線を心ゆくまで楽しませてくれる。
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【The DEVIL Wears PRADA】公式サイトはここをクリック

この映画に限らず、画像も含めて極めて詳しく解説している
『映画とはずがたり』さんのブログはここをクリック

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敬愛なるベートーヴェン 「第九」交響曲

2006-12-11 02:11:40 | 映画レビュー
  (写真は嘉穂劇場 第九練習・女声陣)

12月10日(日)午後1時から5時半まで
リハーサル前の最後の嘉穂劇場「第九」の練習があった。
今日も殆どフルメンバーが参集して、最後の細かい注意事項を復習する練習を行なった。
午後1時から男声の特別訓練。
午後2時から女声の特別訓練。
午後3時5分から5時25分まで合同練習。二重フーガを中心に。

リハーサルは12月15日午後6時半から。
本番は12月16日午後5時開場、午後6時本番です。
ぜひご来場ください。
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話し変わって・・・

しんぶん「赤旗」日曜版12月10日付けの映画・文化情報欄(28面)に
「敬愛なるベートーヴェン」の映画評が出ていたのだが、マイナーな映画のような感じで、いつも行っているシネコンでやっているとは思えなかったが、インターネットで調べてみると今週から上映のようだった。

「硫黄島からの手紙」も今週から公開なので、これに行くつもりではあったが、おそらく、「敬愛なるベートーヴェン」の方は、観客が少なくて1週間で終わるか、夜の上映がなくなりそうに思えたので、今日12月10日は、こちらを見ることにした。

原題は「Coping Beethoven」すなわち「ベートーヴェンの写譜」というような題だ。

 主人公は、音楽大学(コンセルヴァトワール)主席の成績で、教授の推薦によって写譜屋に派遣された、作曲家をめざす女性アンナ・ホルス(どこからみても美しい)。
 彼女が、ベートーヴェンの自筆譜の写譜担当となり、「第九交響曲」の合唱のパートの写譜を4日後の初演までにしなければならないという筋立てである。
ベートーヴェンの悪筆は有名であり、困難な作業が待っていそうである。
 もちろんコピー機などあるはずは無く、竹ペンにインクをつけての手作業である。
本来、コピーとはこういう作業のことを言うのだと理解した。

 この話は事実ではないと思うが、いかにも本当らしい話の展開で興味深く見た。
どうしても第九を自ら指揮したいベートーヴェンに対して、オーケストラに隠れて合図を送るアンナの指揮振りと表情が感動的。
特に、第4楽章の合唱がゆったり「星空のかなたに父はおわします」
Über Sternen muß er wohnen.
と歌うところの、陶酔したアンナの表情がゾクゾクする感じをよく現している。
カメラワークもうまく、美しい。

 全編ベートーヴェンの音楽が散りばめられている上、「第九」がエピソードの中心であり、また映画の始まりと終わりが弦楽四重奏曲「大フーガ」であることも特別な意味をもっている。

 この「大フーガ」によって、ベートーヴェンは、第九でかつて無い「合唱つき交響曲」という音楽の可能性を展開したことに満足せず、さらに新たな地平を切り拓こうとしていたことを象徴している。
この「大フーガ」は当時の人々には全く受け容れられなかたが、エンディング・クレジットの冒頭で、この曲は後世の多くの作曲家に示唆を与えていることが紹介されていた。

 その「大フーガ」を睡眠薬代わりに聞いて寝たのだが、確かにすごい曲だ。
もう“現代音楽”と言っても間違いではない。
叫びと言うか雄叫びと言うか激しいくり返しのリズムと不協和音の連続である。

これは、当時の貴族にはもちろん、一般民衆にも受け容れがたかったことだろう。

 この「大フーガ」初演の折は(映画の中では)、演奏中に次々と聴衆は去ってしまい、庇護者の大公までもが、「ますます耳が聴こえなくなったようだな」と捨て台詞を残して去って行くのだが、ただ一人残っていたアンナ・ホルスにベートーヴェンが、「君はどう思う?」と尋ねる。
アンナは「私の考えはあなたと違う」と不同意を表明する。
ベートーヴェンは、「それでいい」と、ベートーヴェンの模倣をしがちだった彼女の作曲家としての自立を喜ぶ。

 ちょっとネタバレ的にはなったが、おそらく見に行く人も少ないだろうから良しとしよう。

 エンディング・クレジットでは、アンナ役のダイアン・クルーガーがTOPであり、ベートーヴェン役のエド・ハリスは4番目であった。
すなわち主役はベートーヴェンでは無くてアンナであるということだ。

 イギリス・ハンガリー響作で、女性監督アニエスカ・ホランドのメガホンとのこと。

 なんで、セリフが英語なんだい?!という気持ちの悪いところはあったが、それはあったとしても、なかなか見ごたえと聴き応えのある映画だった。

トリアス久山の結構大きい方のスクリーンに観客は7人であった。
(12月10日午後9時45分開演・来週はもうやってないだろうな!)

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昼は第九の練習、夜は第九が鳴り響く映画を見て感動を新たにした一日であった。

嘉穂劇場「第九」・番外編(映画評)
このシリーズを最初から読む   第7回へ  第8回へ


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武士の一分

2006-12-02 23:02:25 | 映画レビュー
12月1日ファーストデイ・スペシャルで、1000円で、この日公開されたばかりの、山田洋次監督の時代劇三部作の最後をかざる「武士の一分」を見た。
9時15分からのレイトショー。
比較的大きな会場に、半分くらいの入り。

さすが、山田洋次監督。
いわゆるチャンバラシーンは無く、当時の武家の宮使えの日常を描いてゆく。
今回は「お毒見役」。
6人のお毒見役が、殿様が食べる食材を分担して毒見をするという仕事である。
同じものを6人で食べるのではなく、それぞれ別の食材を食べているようだ。

今回の主役は木村拓哉。彼が、そのお毒見役の一員である。
毎日の単調な毒見の仕事に、どちらかというと嫌気が差し、「隠居」を考えていると言う設定。

「隠居」というのは、この場合、完全に仕事からリタイアするのではなく、お城勤めを辞めて、自ら仕事を探すということのようである。
だから、三十代でも「隠居」と言っているようだ。
彼の仕事の夢は、子ども達に、その個性に合わせた剣術を教えたいということで、「着物をその子の身の丈に合わせて作る様に、剣術もその子の能力に合わせた画一的ではない教え方をしたい」ということである。

さすがに、夜間中学や障害者教育を描いてきた山田洋次監督だけのことはある。

さて、彼の夢はかなうのか?

彼を支える妻役に宝塚歌劇団・星組娘役TOPを努めた、檀れい。
彼女は宝塚時代から、素顔や薄化粧の時は美形でキレイだったが、宝塚のあのキツイ舞台化粧をすると化粧負けして、変な顔になるという不幸な来歴があったが、この映画では自然な化粧で、清楚さが浮き出た女性像を演じていて美しかった。

映画のStoryは、淡々とした中にも見ごたえがあった。
が、ここではストーリー・ネタバレはやめる。

是非、見ていただきたい。

今、スマ・ステに木村拓哉が出ている。

2006Dec02 23:03

スマ・ステの解説によると、木村拓哉は、蜷川幸雄演出の「盲導犬」という演劇に17歳で出演していたという。23:15

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独裁者 Again!

2006-11-28 23:00:15 | 映画レビュー
大津留さんにTBにて、YouTubeの張り方を教えてもらったので、試してみました。

プレビューでは「独裁者」の画面が確認できていますし、
動画映像を見ることさえできるのですが・・・
本編UPは、どうも goo の方で制限されているみたいです。
御覧のような、HTMLソースコードの表示になります。

いよいよ引越しを考えなければ・・・
Yaplogもダメのようです。
FC2はOKです。
大津留さんの cocolog も、もちろんOKです。

“Let us all unite !”

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「父親たちの星条旗」 昨日のつづき

2006-11-05 01:08:22 | 映画レビュー
「父親たちの星条旗」レビューのつづき

「戦時国債」募集キャンペーンに連れ回される会場の多くでは、昨日書いたモーツァルトでは無く、スーザの行進曲が演奏されていた。

「星条旗よ永遠なれ」(Stars & Strips Forever)や「士官候補生」など。
これらの行進曲は、中学校のブラスバンドの定番であり、私も中学校時代にスーザの行進曲を喜んで演奏していた。
特に「美中の美」(Fairest of the Fair)は、大好きな曲だった。
しかし、今考えて見ると、スーザの行進曲は、音楽としては優れているものの、この映画のように『戦意高揚』のために利用されていた訳だ。

今時の吹奏楽部(ブラスバンド)は女性が殆どというから、スーザの行進曲が定番かどうかは知らないが、当時のブラバンと言えば、女性は僅かで、スーザはできて当たり前であり、他にタイケ(ドイツ)の「旧友」などを良く演奏したものだ。

そう言えば、軍国少年だった訳ではないが、当時あまり乗り気ではない顧問の先生(社会科)を説得して、音楽的に優れているからと「軍艦マーチ」(瀬戸口藤吉作曲)も嬉しがって演奏していた。

それが、今は全く反対の立場の運動をやっている訳である。

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