この訴えに呼応して、NHKが「名ばかり管理職」と命名して特集番組を行うなど、過酷な労働現場の声があちこちで上がり始め、マスコミ各局でも取り上げられるなったのです。
こういう社会現象が、厚労省の重い腰をようやく少しだけ動かしました。
とは言っても現場でのリサーチをする訳でも無く、サーベイランスをすることもなく、ただ通達を一つ出しただけです。
これで自動的に強制力が働くとは、とても思えません。
あとは、この通達を盾にして、労働者や労働組合が企業名を明らかにしてどんどん実態を社会に訴え、是正に追い込むことだと思います。
社会的包囲で社会的責任を果たさせる。
大企業にとって、法令(通達も含む)違反が明らかになることは、人々の購買行動に大きな影響を与えるので、社会的告発は大きな力を発揮すると思います。
この「一片の通達」を活用して行きましょう!
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以下、本日のasahi.comより引用します。
「名ばかり管理職」指導強化
厚労省が店長らの判断基準
2008年9月9日10時55分
職務権限や待遇が不十分なのに管理監督者とみなされ、長時間働いても残業代が出ない「名ばかり管理職」の問題で、厚生労働省は9日、チェーン展開する飲食・小売業の店長らを対象に、管理監督者にあたるかどうかの具体的な判断基準を示す通達を全国の労働局に出した。個別の業種・業態について詳しい基準を示すのは銀行以来31年ぶりで、特に指導を強化することが狙いだ。
飲食・小売業界では、人件費節約を目的に、店長を管理監督者とみなして長時間労働させる動きが広まっていた。今年1月、東京地裁が日本マクドナルドの店長を「管理監督者にあたらない」と認定したことで、名ばかり管理職が社会問題化した。
従来、管理監督者かどうかの判断基準は
(1)職務内容や権限
(2)勤務時間の裁量
(3)賃金などの待遇、
という抽象的な規定しかなかった。
今回の通達では、それぞれについて「管理監督者性を否定する重要な要素」「否定する補強要素」として、具体例を列挙した。
(1)職務内容や権限では、重要な要素として「パートやアルバイトなどの採用権限がない」や「パートらに残業を命じる権限がない」こと。
(2)勤務時間では、重要な要素で「遅刻や早退をした場合に減給などの制裁がある」こと。補強要素で「長時間労働を余儀なくされるなど、実際には労働時間の裁量がほとんどない」ことを挙げた。
(3)賃金は、重要な要素として「時間あたりの賃金がパートらを下回る」こと、補強要素として「役職手当などが不十分なこと」などを示した。
こうした基準に当てはまれば、「名ばかり管理職」と判断される可能性が高まる。
舛添厚生労働相はこの日の閣議後会見で「安い賃金で長時間労働を強いるということがあってはいけない。さらに改善を進めたい」と述べた。
厚労省は今春、全国のチェーン展開の66店舗を監督指導し、店長らの勤務実態を分析。その結果や裁判例をふまえ、通達内容を決めた。内容は業界団体にも通知し、企業側に自主的な改善も促す。
管理監督者の判断基準をめぐっては、都市銀行などで一つの支店に「支店長代理」の肩書の管理監督者が多数存在することが問題になり、77年に具体的な基準を示す通達が出ている。(生田大介)
「名ばかり管理職」指導強化 厚労省が店長らの判断基準(朝日新聞) - goo ニュース 2008年9月9日(火)10:55
「名ばかり管理職」の指導強化=チェーン店の判断基準を通達-厚労省(時事通信) - goo ニュース 2008年9月9日(火)14:30
「名ばかり管理職」に基準 厚労省、指導強化へ通達(共同通信) - goo ニュース 2008年9月9日(火)11:58