JUNSKY blog 2015

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ドライビングミスデイジー

2006-02-20 18:28:00 | 観劇レビュー
『仲代達矢、奈良岡朋子の夢の顔合わせが実現。
 アメリカのまだまだ黒人差別意識が色濃く残るアトランタ。裕福なユダヤの未亡人、72歳のデイジーはカクシャクと一人暮らしを続けている。しかし年のせいか車の運転が不得手になってきた。母を心配した息子は、嫌がるデイジーを説得し黒人のホークを運転手に雇い入れる。最初はぎくしゃくしていた二人だが、いつしか奇妙な友情が芽生えて…。
 1987年ピューリッツァー賞、89年アカデミー賞(映画)受賞作品。』
以上は公式ページの御案内。

昨年数々の演劇賞を受賞した注目の公演を福岡市の「ももちパレス」にて市民劇場例会の場で鑑賞。ほぼ満席。
上手側最前列だったので、ドライブ中の演技では唾が飛んできそうな臨場感。
前評判通りの楽しくステキな舞台でした。

奈良岡朋子さんは金持ちの令嬢から今は70代になったミス・デイジーを矍鑠(カクシャク;こんな文字だったんだ!)とした演技で、活舌もクリアに演じ始めた。配役としても実年齢でも同世代だろうが、ちょっと70代とは思えない若々しい演技。

仲代達矢さんの方も同世代の黒人お雇い運転手ホークを演じているが、こちらはどちらかと言うと飄々(ヒョウヒョウ;こんな文字だったんだ!)とした演技で、言葉も明晰という訳ではない(文盲という設定)。ふんわり話す感じ。

もう一人デイジーの息子でホークを雇ったブーリー役として『無名塾』の長森雅人さんが脇を固めている。

出演者3名だけだが、演劇空間を充分に埋めている。
ブーリーが白髪になってゆくことで時間の経過を表現している。
二十数年後の老いた(90代半ば?)二人の足元の不安さや「よっこらしょ」と立ち座る仕草はリアルで会場の共感の笑いを呼んでいた。
ユダヤと黒人問題を背景にしているが、それほど強いメッセージ性は無い。
最初から最後まで、会場に笑いの渦が巻き起こる喜劇であった。

カーテンコールでは三人とも、この演劇開始の時代よりも、もっと若々しい衣装と化粧で颯爽(さっそう;;こんな文字だったんだ!)とした軽快な動きを見せて観客を驚かせた。とても70代とは思えない軽妙さであった。

音楽が池辺晋一郎だったことに今気が付いた。