Webニュースから興味深い記事を見つけたので御紹介。
野口悠紀雄が暴く、厚労省・社会保険庁が行って来た、年金制度の根本的誤魔化しの話!
長いので、下記リンクから御覧ください。
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積立方式で始まったはずの年金制度は、なぜ途中から賦課方式と説明されるようになったのか?【野口悠紀雄コラム】(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
ダイヤモンド・オンライン 2010年9月13日(月)10:30
積立方式なら高齢化は年金の問題を引き起こさない
「年金の問題は、人口構造の変化に起因する部分がきわめて大きい」と言われる。
日本の人口構造が大きな問題を抱えているのは、間違いない事実である。高齢者が増加する半面で若年者が減少するから、年金収支の悪化は、避けることができない。
しかし、「人口高齢化が進めば年金財政は悪化する」というのは、自明の理ではない。これについて説明しよう。
年金の財政方式としては、「積立方式」と「賦課方式」がある。前者は、若い現役時代に納付した保険料を積み立て、運用益も加えた額を老後に年金として給付する仕組みである。私的年金の場合には各個人ごとに収支が均衡化するように保険料と年金額が設定されるが、公的年金の場合には、ある年齢階層(あるいは数年間の年齢階層)で収支が均衡するように制度が設計される。
これに対して賦課方式は、現在働いている現役の人から保険料を徴収し、現在の高齢者に年金を給付する仕組みである。各年度(あるいは数年間)で収支が均衡するように制度が設計される。
その記事に掲載された、当初積立方式であったことを示す
積立金増加を示す一覧表
厚生年金は1942年(昭和17年)に発足した。
それから20年以上を経た1965年度においても、まだ支出は398億円(うち保険給付費376億円)であり、収入3815億円(うち保険料収入2974億円)の10分の1程度でしかなかった。
このため、積立金は10年間でほぼ8.5倍になるような著しいスピードで増加したのである。
支出が収入の2分の1程度になるのは、1980年頃になってからのことである。
1961年(昭和36年)に始まった国民年金の場合は、収支のアンバランスはもっと顕著だ。
1965年度における支出は19億円(うち年金給付費15億円)であり、収入497億円(うち保険料収入248億円)の25分の1程度でしかなかった。
この場合は、積立金が10年間でほぼ9.3倍になるような著しいスピードで増加した(ただし、国民年金の場合には、70年代中頃に「福祉元年」で制度が急拡充されたため支出が急速に増加し、収支差が悪化している)。
ご都合主義的な説明変更
日本の年金当局は、ある時点から年金財政方式に関する説明を変えたのだ。それは、約束している給付をそれまでの保険料では賄えないことが明らかになったからである。
ではなぜそうなってしまったのであろうか?
上で述べた説明をもう一度繰り返すことになるが、それは、人口高齢化が進展したためではない。積立方式で運用されているかぎり、相対的高齢化(年齢階層別人口規模の相対的変化)は、年金財政に直接の影響は及ぼさないからである。
年金財政が維持できなくなった原因は、当初の制度設計に基本的な欠陥があったためなのである。それがいかなる欠陥であったかについては、次回に述べることとしたい。