いつも注目している河北新報が、領土・領有権などに関する
このところの各国の動きに対して冷静な対応を求める社説を出した。
社説の最後に米国のアーミテージ米元国務副長官らによる政策提言を
取り上げ、一定の評価をしている点については、全面的に「賛成」と
言うわけには行かないが、全体として冷静な論調なので、引用して
紹介する。
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今回の韓国大統領の言動は、太平洋戦争時に日本が植民地支配により
過酷な運命を韓国や中国の人々に強いたという「歴史的事実」と「領土問題」
を敢えて混同して韓国国民のナショナリズムを喚起することに問題の発端が
あったように見えるし、韓国国内ではその思惑は一定の成功を納めたようだ。
尖閣諸島の魚釣島への上陸は、これとは別の問題ではあるが、やはり
8月15日の「解放記念日」を契機に行われたことを見ても、日本による
植民地支配の影響が大きいように見える。
日本政府は、彼らを逮捕するという積極的な対応を行なったが、結局
「強制送還」という名称ではあるが帰国させてしまうようだ。
尖閣不法上陸の活動家ら7人、民間機で香港へ
(読売新聞) - 2012年8月17日(金)18:55
本国に帰ったかれらが『英雄』扱いされ、マスコミにもてはやされるのは
目に見えている。 云わば、売名行為の最たるものであろう。
逮捕した以上、もっと長期に取り調べを行い背景を調べるべきであった。
何をさせても中途半端な民主党政権の対応ではある。
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以下が、2012年08月17日付け、河北新報 【社説】 である。
領土と民族主義/意地の張り合いは無意味だ
河北新報 【社説】 2012年08月17日金曜日
現職大統領として初めての竹島上陸、天皇陛下に対する謝罪要求。「日本の影響力はかつてほどではない」とも言い放った。日本を刺激する李明博韓国大統領の言動が止まらない。
また、沖縄県石垣市の尖閣諸島には、香港の活動家らが中国の領有権を訴え強行上陸。入管難民法違反の疑いで14人が逮捕された。
二つの島の帰属をめぐり、日本近海は息苦しい夏となった。
領土や歴史をキーワードとした争いは、ナショナリズムを背景にエスカレートする性格を持つ。意地の張り合いや挑発合戦が、万が一にも武力行使を伴う衝突に発展しないよう、各国には自制が求められる。
ナショナリズムを政権浮揚の道具とするかのような李大統領の一連の発言は、その意味からも非難に値する。指導者がナショナリズムをもてあそぶことは許されない。
日韓は米国とともに東アジアの安定に向けて共通の価値観を持ち、経済的にも安全保障の上でも共通の利害を有するパートナーであることを忘れてはならない。
李明博氏が政権を離れた後も、日米韓が東アジア安保の基軸をなすことは変わらない。後継大統領にマイナスから始まる日韓関係を引き継ぐことは、双方のために得策であるまい。
韓国では、1980年代の光州事件で学生運動に参加し、民主化実現の主役となった世代を中心として、軍事独裁政治体制の歴史を徹底的に見直す動きが続いている。
従軍慰安婦問題があらためて顕在化し、米国議会まで巻き込んでいるのは、そうした動きの影響だ。歴史見直しが米韓、日韓の外交基軸にまで及んでいることは見過ごせない。
一方で、尖閣諸島に上陸した香港の活動家らは、強制送還の方向で調整が進む。中国側は外務省に抗議を伝達してきたが、おととしの中国漁船衝突事件とは異なり、反応は冷静だ。
活動家らは、共産党支配に反対の立場を取る急進民主派とされる。従来、抗議行動を制止していた香港政府が黙認したことには、尖閣国有化論や超党派議員による上陸計画など、最近の日本側の動きに対するけん制の意味が含まれているのだろう。
15日、アーミテージ米元国務副長官ら超党派グループによる日米関係に関する第3次の政策提言が公表された。
提言は日本に対し、韓国との歴史問題に「しっかり向き合うこと」を求める。知日派外交官が「日韓基本条約で解決済み」とは見ていないことに政府は留意すべきだ。
提言は「民族主義的感情を内政目的に利用するのをやめるべきだ」と日韓双方に促す。李大統領が言動を自制するばかりでなく、日本側も事態の過熱化回避を図っていくべきだろう。
米国にも中国の海洋進出の意図、真意はつかみきれていない。日韓の不和により安保の基軸が損なわれることは、東アジア全体の不利益なのだ。
河北新報 【社説】 2012年08月17日金曜日
尖閣不法上陸の活動家ら7人、民間機で香港へ
(読売新聞) - 2012年8月17日(金)18:55
沖縄県石垣市の尖閣諸島・魚釣島への不法上陸事件で、入管難民法違反(不法上陸・入国)容疑で現行犯逮捕され、強制送還が決まった香港の民間反日団体の活動家ら14人のうち、7人を乗せた民間機が17日午後6時40分過ぎ、那覇空港(那覇市)を離陸し、香港に向かった。
残る7人は石垣市に移送した後、石垣港に係留中の抗議船「啓豊2号」で強制送還する。
中国ですが口だけであり、なるべく大きな騒動になることを避けている風に見える。
今回の香港から出発した上陸船に支援物資を台湾当局が渡しているが、『人道的観点』からであり政治的な支援ではないと釈明しているが、言い訳として苦しすぎる。
どう見ても台湾当局が尖閣上陸で、政治的な支援(扇動)活動を行っている。
尖閣と日本の立場が裏表の関係にあるのが日韓の竹島問題。
この問題では日本側の『竹島は日本固有の領土』は口先だけで、香港船のような行動が一切伴わないのは不思議な現象ですね。
『日本政府に吠え面かかしてやる』と愛国者気取りのレイシスト石原慎太郎や組織暴力団住吉会系日本青年社が上陸を企てているのは竹島ではななくて日本領の尖閣諸島。
何故か竹島ではないのですよ。
これでは逆効果で、世界から見れば尖閣は日中が領土問題で揉めている風に見えるが、
反対に竹島は、韓国が完全に実行支配していると判断するでしょう。
石原慎太郎とか右翼暴力団とかネットウヨとか、口で文句を言う前に、自分の言い分が正しいと信じているなら逮捕覚悟で竹島に上陸するべきでしょう。
いくら正しい言葉でも自分では絶対に実行しないようでは、誰も信じてくれません。