1週間ほど前のニュースで、今年の就職戦線について報道され、
大卒の就職内定率が6割を切り、高卒は4割であると紹介された。
大卒内定率、最低の57.6%=「就職氷河期」下回る
―10月1日時点
時事通信 2010年11月16日(火)20:03
高校生の就職内定率40・6%
共同通信 2010年11月16日(火)17:25
特に女子、そして意外なことに理系の方が悪いのだと言う。
女子と理系、極めて低調
…大学生の就職内定率
読売新聞 2010年11月16日(火)19:43
九州では、大卒が5割、高卒は3割と、なお一層ひどい状況にある。
しかし、今日のニュース(朝日)によれば、日本企業が中国市場で
新卒の争奪戦を演じているとのこと。
安上がり、且つ効率的で儲けに通じれば何でもありの状況である。
もはや、日本の大企業は、日本社会や国民への貢献も社会的責任も
全く忘れてしまっているようである。
嘆かわしい限りである。
経営者のマインドの「劣化」以外の何物でもない!
*******************************************
(左のアイコンをクリックして
もらえたら嬉しいです)
*******************************************
新卒採用拡大は困難=税制・温暖化で負担減求める―経団連会長
時事通信 2010年11月17日(水)16:03
中国で新卒争奪戦 日本企業、「負けず嫌い」求める
朝日新聞 2010年11月21日(日)00:00
日本の企業が、本格的に中国で大学新卒者の確保に動き出した。年630万人という世界最大の市場に狙いを定め、日本本社の幹部要員として採用する。中国では、優秀な人材は待遇のいい欧米企業に流れていた。日本企業は、高給の「本社採用」を武器に、中途の即戦力も併せて呼び寄せる考えだ。
「金鉱を掘り当てた気分。正直、ショックです」
中国上海で、人材大手のリクルートが中国の有名大新卒者向けに初めて開いた集団面接会。米コンサルティング大手、ボストンコンサルティンググループ(BCG)の内田有希昌パートナーは2日間の面接を終え、こう感想を漏らした。
いい学生が2~3人いればと半信半疑で参加したが大当たり。「すでに上海と北京で6人に内定を出し、さらに数人採用するかもしれない」
同社は近年、東大や慶応大などの有名校を中心に日本で年十数人を採用してきた。だが、「安定志向の草食系が多く、戦闘意識の強い野武士タイプが減っていた」と内田氏。それで中国に来てみたら、「負けず嫌いで、競争意識の強い、我々の大好きなタイプがうじゃうじゃいた」
同社は、面接時の日本語能力は不問。面接に来た学生の大半は一度も海外へ行ったこともないのに英語を滑らかに話す。日本語など、素地があるから内定後に学ばせれば十分という考え方だ。中国の学生は転職意識が高いのがリスクという人もいるが、内田氏は「日本でも2~3年で辞める草食系エリートは多い。定着するかは会社次第だ」と意に介さない。
リクルートによると、3~6日、北京と上海で開いた面接会に参加した大学は39校。北京大や清華大、上海の復旦大など中国のトップ校を中心に約1万人の学生が集まり、その中から適性テストや面接を通過した大学4年生計1千人が面接に臨んだ。
リクルートの上海現地法人で面接会の責任者、伊藤純一さんは、中国人学生の人気が高かった背景を「日本企業の中国現地法人は欧米企業より給与が安く、優秀な人材の確保が難しかった」と説明する。現地法人採用だと企業のトップにはなれないとも見られがち。それが、今回は給料が高く、昇進もできる本社採用なのでたくさん集まったとの見方だ。
一方、企業の方は、三井住友銀行やみずほフィナンシャルグループ、キリンビールやコニカミノルタなど22社が参加した。各社とも人事権限のある責任者が現地入りし、数日間の面接で内定を出すスピード勝負の会社もあった。
参加料は1社100万円。さらに1人採用するごとに110万円支払う契約。決して安くないが、リクルートは「日本の10倍以上、630万人もの新卒の中で競争に勝ち抜いてきた人材から選べる」と価値の高さを強調する。
上海の面接会に臨んだ玩具大手タカラトミーは「あまりに優秀。日本の学生より自分のキャリアアップの計画が明確で、上昇意識がある」(福元紀哉人事室長)との理由で、予定の2人を上回る3人に内定を出した。同社は将来新卒採用の半分を外国人にする計画があり、「中国人の採用が増えれば、その分日本人の枠が少なくなる」と話す。
中国の学生も、チャンスととらえる。復旦大日本語学科4年の女子学生(22)は「日系の現地法人の給与は3千元(約3万7千円)程度だけど、日本だと初任給が約20万円と全然違う」という。本社採用なら責任ある仕事ができるのも魅力と言い、「同級生はみな米国、英国で就職する。私も海外で働きたい」。
メガバンクの面接に参加した上海の同済大日本語学科4年で、週末は復旦大で国際経済も専攻する徐爽さん(21)は、「外国人を採用しようという気持ちが伝わってきた。日本の企業文化も変わってくるんじゃないか」と期待を込める。
新卒だけでなく、すでに働いている現役の人材を確保する動きも始まった。中国最大の国営人材派遣会社「上海FESCO」海外就職サービス部門と、日本で中国ビジネス支援を手がけるAコマース、外国人専門人材派遣のグローバルパワーの3者は10月に提携。中国内の事務管理職(ホワイトカラー)の人材を日本企業の本社に紹介する事業に乗り出した。
上海FESCOが、外資系企業などで働く社員から日本企業への転職希望者を募り、紹介する。年内に上海で日本企業約50社を集めた合同説明・面接会を開き、3年後には対象企業を500社に増やす方針だ。
Aコマースの秋葉良和代表によると、中国人の人気は欧米企業が集めがちだったが、2008年のリーマン・ショック以降は「雇用の安全を重視する日本企業の良さが見直されている」という。
中国でのビジネス拡大を目指す日本企業には、「日本人による営業では限界があり、優秀な中国人に本社で企業文化を身につけてもらい、市場開拓を任せたい」(食品大手)との声が強い。
BCGの内田氏はいう。「優秀な外国人を採用することで、日本人の目の色も変わるだろう。グローバルでの競争意識に目覚め、学生も社員も危機感を持ってくれれば成功だ」
(朝日新聞 2010年11月21日0時0分 奥寺淳=上海、斎藤徳彦)