どうせ、そうなることは『事件』発覚当初から解っているのだから、
なぜ、もっと早く辞めさせて事体を収拾しなかったんだろうか?
法務大臣辞任の記者会見をする柳田稔氏
(時事通信) 2010年11月22日(月)10:03
とにかく、菅総理のイニシャチブが無くなった(初めから無い?)
ことは確かなようである。
あのおバカを法務大臣として留任させて何か良い成果を得られると
思っていたのだろうか?
それとも本人の言うとおり、法務官僚の単なる操り人形で良かった?
しかし、検察不祥事があれだけ広範囲に広がっている時に、また、
死刑を含む裁定を裁判員に強要する裁判員制度はこのままで良いのか?
司法修習生に対する給付問題など、難問山積みの法務省なのである。
柳田稔のような人格・資質の者に任せる訳にはゆかないではないか!
そんなこと、政治家であればまして総理大臣であれば、瞬間的に
判断できるはずのものである。
『事件』発覚から1週間近くも引き延ばして何か得られたものは?
何も無いではないか! 民主党にも野党にも国民にも・・・
国民に対しても顔向けできないし、世界にも恥さらしであった。
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11月23日追記
柳田法相辞任/傷ついた「熟議」の看板
河北新報 2010年11月23日火曜日
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柳田法相を更迭=首相、国会混乱を考慮
―菅政権に打撃 仙谷長官が兼務
時事通信 2010年11月22日(月)10:03
菅直人首相は22日朝、国会軽視と受け取れる発言をした柳田稔法相を首相官邸に呼び、辞任を促し、柳田氏は辞表を提出した。国会での混乱回避のため、首相が法相を更迭したものだ。検察改革などの緊急課題に取り組む閣僚が自身の不祥事で辞任に追い込まれたことで、首相の任命責任は免れない。支持率急落で弱体化している菅内閣には大きな打撃で、首相の政権運営は一段と厳しくなりそうだ。政府はこれを受け、臨時の持ち回り閣議を開き、柳田氏の辞任と仙谷由人官房長官の法相兼務を決めた。
首相と柳田氏の会談は午前8時から約20分間。首相は「国民生活を考え、一日も早く2010年度補正予算案を成立させないとならない。そのことを理解してほしい」と求め、柳田氏はその場で辞表を書いた。柳田氏は会談後、法務省で記者会見し、「私の不用意な発言が(国会審議の)障害になっていたので、素直に受け入れた」と述べた。
首相は21日夜、首相公邸で民主党の岡田克也幹事長や輿石東参院議員会長、仙谷長官らと対応を協議していた。政府関係者によると、この席で、柳田氏を22日朝に呼んで辞任を求める段取りを決めたという。仙谷長官は同日午前の記者会見で、法相兼務の期間について「分からない」と明言を避けた。
民主党の鉢呂吉雄国対委員長は同日午前、自民党の逢沢一郎、公明党の漆原良夫両国対委員長と個別に会い、柳田氏の辞任を伝え、補正予算案の24日成立を要請した。
「国会軽視」発言をめぐっては、自民党は柳田氏の罷免を求め、辞めなければ問責決議案を22日に参院に提出することを予定し、可決は確実な情勢だった。こうした事態に、民主党内で辞任論が拡大していたが、柳田氏自身は21日も「今後も真摯(しんし)に頑張りたい」と続投に意欲を示していた。
(時事通信)
柳田法相を事実上更迭、補正予算優先 仙谷氏が後任兼務
朝日新聞 2010年11月22日(月)11:44
発言「気を許しすぎた」、続投に未練も 柳田法相会見
朝日新聞 2010年11月22日(月)12:06
柳田法相を事実上更迭 国会軽視発言で引責
共同通信 2010年11月22日(月)13:23
11月23日追記
柳田法相辞任/傷ついた「熟議」の看板
河北新報 社説 2010年11月23日火曜日
閣僚の辞任劇はあまたあれど、今回のそれは政治の軽さを政治家自身が吐露したという点で二の句が継げない。
柳田稔法相がきのう、国会軽視発言の責任を取って辞任した。問題発言から8日、遅すぎた「決断」と言うほかない。
野党の攻勢が収まる気配はなく、内閣支持率低迷に苦しむ菅直人首相の政権運営は一層厳しさを増す。だが、閣僚の資質論ばかりに目を奪われ、国会を空転させている暇などないはずだ。国民生活の安定と外交の立て直しという緊急課題に、与野党ともに知恵を絞る時だ。
柳田氏は14日、地元の広島市で開いた国政報告会で「法相というのはいいですね。二つ覚えておけばいいですから」と前置きした上で、「個別の事案については答えを差し控える」「法と証拠に基づいて適切にやっている」と言っていれば済むと発言した。
気が置けない支持者の集まる会合で、口が滑ったということだろう。
なるほど、歴代法相が2種類の答弁を巧みに使い分け、国会を乗り切ってきたのも事実だ。
つい、本音を漏らしてしまう「おっちょこちょい」のご仁らしい。見方を変えれば、愛すべきキャラクターと言えなくもない。だが、質問者からすれば取り付く島もない型通りの答弁にも、それなりの深い理由があることを柳田氏は忘れていた。
個別の案件についていちいち報告していたら、捜査に支障が出る。罪刑法定主義は民主主義の根幹だ。
柳田氏は批判をかわそうと、「国会でさらに踏み込んだ答弁ができないか検討してほしい」と事務方に指示した。勘違いも甚だしい。法相を激しい追及から守るための便法として、決まり文句が許されてきたわけではない。まして踏み込んだ答弁うんぬんは、それこそ「政治主導」ですべきものだ。
「法相など楽チン」と言う時、それは自らの職責を棄損しているに等しい。緊張感を欠いた発言は、柳田氏の政治家としての適性をも問うている。
辞任しなければ参院で問責決議案が可決され、2010年度補正予算案審議などへの影響は避けられない情勢だった。問題をこれ以上長引かせれば、政権は立ち行かない。首相が法相に暗に辞任を迫ったのは当然の帰結だった。
自民党内には尖閣諸島沖での中国漁船衝突をめぐる問題で、仙谷由人官房長官や馬淵澄夫国土交通相への問責案を提出すべきだとの意見もある。
野党が「問題あり」とする閣僚の更迭を求めることに異議を挟むつもりはない。だが、「辞めろコール」で盛り上がる政局を国民は冷めた目で見ている。冷静な対応を求めたい。
閣僚の相次ぐ思慮を欠いた発言は、政権担当能力に疑問を抱かせる大きな要因となっている。菅首相が度々、強調する「熟議」は重責を担う者がまず取るべき態度だろう。政策以前の問題で政治を混乱させてはならない。誠実な姿勢で政権運営に当たってほしい。
河北新報 2010年11月23日火曜日