NHK「その時歴史が動いた」5月31日放送分で、ベトナム戦争時のジャーナリストの闘いを取り上げました。
【ベトナム戦争では、当初アメリカのジャーナリストたちは政府が掲げた戦争の大義を信じていた。
しかし、戦場でその実態を目の当たりにすると、次第に軍と政府に疑念を抱いていった。
CBSニュースキャスターのウォルター・クロンカイトそしてニューヨークタイムズ記者のデイビッド・ハルバースタムやUPI記者のニール・シーハンらは、報道を通してアメリカ政府を追いつめていく。
そして政府と報道の対決は、ついに連邦最高裁に持ち込まれた。ジャーナリストたちの葛藤と挑戦を通してベトナム戦争を描く。】 NHKホームページの番組案内より
この番組は1970年前後のベトナム戦争時に、従軍記者として活躍した3名のジャーナリストを中心に、真実の報道と政府の介入を描き、裁判に訴えた政府の策動を打ち破った顛末を限られた時間の中で、ほぼ正確に伝えたと思います。
イラク戦争がアメリカの情報管制のもとで、現地の悲惨な事実が殆ど伝わらないという現状、戦争の口実がウソであったことなども番組の中で紹介されました。
NHKが、ベトナム戦争時代のこととはいえ、またアメリカの報道機関とジャーナリストの話とはいえ、自衛隊も派遣されたイラク戦争が硬直しているこの状態で、ジャーナリストの責任を前面に押し出したことは、快挙と言えます。
連邦最高裁の判決や、シーハン氏らの発言はもとより、ジャーナリズムの追究によって退陣に至ったジョンソン前大統領自身のメッセージでさへ、現在のジャーナリストの姿勢を厳しく、また直接問いかけるものとなっています。
とりわけ連邦最高裁判事の
『報道機関は政府に奉仕するのではなく、国民に奉仕するものである』
とのメッセージはジャーナリストが心しておくものです。
この番組に取り組んだ、NHK労働者の良心と闘いの成果とも言えると思います。
幾つかの発言を紹介しておきます。
ジョンソン大統領の1968年4月1日の全米放送人会議での発言
『この国がうまくいくかどうかは、真実を広めるメディアにかかっています。
その真実に基づいて民主主義の決定はなされるのです。
アメリカの報道機関は、真実を知らせる自由と誠実さ、そして責任を決して妥協することなく、保たなくてはならないのです。』
自ら主宰するジャーナリスト講座でのクロンカイトの言葉
『権威を恐れることなく、自由に聞き、学び、議論せよ』
湾岸戦争の際に行われたシーハンへのインタビュー
『国民が政府の政策を支持すべきかどうか迷っている時 政府はその目撃者であるジャーナリストを排除したがる。だからこそ私たちジャーナリストは、勇気を持ち真実を追究し、戦い続けなくてはならない。いつも成功するとは限らないが、報道なしには成功もないのだ。』
【ベトナム戦争では、当初アメリカのジャーナリストたちは政府が掲げた戦争の大義を信じていた。
しかし、戦場でその実態を目の当たりにすると、次第に軍と政府に疑念を抱いていった。
CBSニュースキャスターのウォルター・クロンカイトそしてニューヨークタイムズ記者のデイビッド・ハルバースタムやUPI記者のニール・シーハンらは、報道を通してアメリカ政府を追いつめていく。
そして政府と報道の対決は、ついに連邦最高裁に持ち込まれた。ジャーナリストたちの葛藤と挑戦を通してベトナム戦争を描く。】 NHKホームページの番組案内より
この番組は1970年前後のベトナム戦争時に、従軍記者として活躍した3名のジャーナリストを中心に、真実の報道と政府の介入を描き、裁判に訴えた政府の策動を打ち破った顛末を限られた時間の中で、ほぼ正確に伝えたと思います。
イラク戦争がアメリカの情報管制のもとで、現地の悲惨な事実が殆ど伝わらないという現状、戦争の口実がウソであったことなども番組の中で紹介されました。
NHKが、ベトナム戦争時代のこととはいえ、またアメリカの報道機関とジャーナリストの話とはいえ、自衛隊も派遣されたイラク戦争が硬直しているこの状態で、ジャーナリストの責任を前面に押し出したことは、快挙と言えます。
連邦最高裁の判決や、シーハン氏らの発言はもとより、ジャーナリズムの追究によって退陣に至ったジョンソン前大統領自身のメッセージでさへ、現在のジャーナリストの姿勢を厳しく、また直接問いかけるものとなっています。
とりわけ連邦最高裁判事の
『報道機関は政府に奉仕するのではなく、国民に奉仕するものである』
とのメッセージはジャーナリストが心しておくものです。
この番組に取り組んだ、NHK労働者の良心と闘いの成果とも言えると思います。
幾つかの発言を紹介しておきます。
ジョンソン大統領の1968年4月1日の全米放送人会議での発言
『この国がうまくいくかどうかは、真実を広めるメディアにかかっています。
その真実に基づいて民主主義の決定はなされるのです。
アメリカの報道機関は、真実を知らせる自由と誠実さ、そして責任を決して妥協することなく、保たなくてはならないのです。』
自ら主宰するジャーナリスト講座でのクロンカイトの言葉
『権威を恐れることなく、自由に聞き、学び、議論せよ』
湾岸戦争の際に行われたシーハンへのインタビュー
『国民が政府の政策を支持すべきかどうか迷っている時 政府はその目撃者であるジャーナリストを排除したがる。だからこそ私たちジャーナリストは、勇気を持ち真実を追究し、戦い続けなくてはならない。いつも成功するとは限らないが、報道なしには成功もないのだ。』