土石流で男児死亡=家族4人埋まる―住宅2棟倒壊―長野・南木曽町
(時事通信) - 2014年7月9日(水)23:57
9日午後5時40分ごろ、長野県南木曽町読書の川で土石流が発生し、民家が流され住民4人が土砂に埋まった。県警や消防などによると、いずれも救助されたが、男児1人が心肺停止状態で、搬送先で死亡が確認された。残る3人は意識があり、命に別条はないという。
4人は母親(36)と息子3人で、死亡したのは長男の榑沼海斗君(12)。自宅にいたところを土砂に巻き込まれたという。
県や国土交通省中部地方整備局によると、土石流が起きたのは木曽川支流の梨子沢。上流で発生した土石流が現場周辺の100メートル以上にわたって川からあふれ出し、住宅2棟が倒壊、近くを通るJR中央線の橋も流された。現場に近い国道19号にも土砂があふれ、通行止めとなった。
JR東海によると、現場付近では雨量が規制値を超え、約1時間前から列車の運転を見合わせていた。9日午後11時時点で特急列車など5本が付近の5駅に停車し、約500人の乗客が足止めされたという。
長野地方気象台によると、南木曽町では土砂崩れのあった午後5時40分ごろ、7月としては最大となる1時間当たり70ミリの雨を観測し、同町などに土砂災害警戒情報を出した。南木曽町は土砂崩れの恐れがあるとして、同5時50分に町内の約670世帯に避難を勧告していた。
真っ黒な塊が川を「これまで見たことない光景」
(読売新聞) - 2014年7月9日(水)23:33
台風8号接近の影響で9日に発生した長野県南木曽町の土石流は、流域の住宅をのみこんで大きな被害を出した。
住民たちは不安な一夜を過ごした。
県警や町などによると、土石流は午後5時40分頃、同町 読書 よみかきの梨子沢橋付近で発生。「人が土砂に埋まっている」との119番を受け、現場に駆けつけた地元消防などが母子4人を救出したが、中学1年 榑沼 くれぬま海斗さん(12)が亡くなった。4人は沢沿いの自宅にいて、土石流に巻き込まれたという。
沢からあふれた土砂は流域の民家約10軒に流れ込み、数軒が流失したほか、近くの国道19号でもトラック2台、乗用車1台が巻き込まれた。運転手は無事だった。
土石流が発生した沢は、町役場から北に約200メートルを東西に流れる木曽川の支流。同日夜、付近の道路には直径1メートルほどの石や、なぎ倒された木などが散乱しており、周囲では消防団員が川の付近に近づかないよう通行止めのプレートを設置した。
現場近くで働く建築会社経営田口陽一さん(42)は「夕方、職場にいたらものすごい大きな音がして、窓から外を見ると真っ黒な塊が川を流れてくるのが見えた。これまで見たことのない光景だった」と振り返った。梨子沢橋近くに住む70歳代女性は、「自宅前の道路を真っ黒な水と何本もの倒木が流れてきた。家の前には土砂が積み上がり、明日からどうしたらいいか不安」と嘆いた。
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