まぁ、産経新聞にまでここまで書かれたら政府や東京電力は恥ずかしいわな!
国会事故調の最終報告では、相当厳しい用語を使用して対応を批判している。
しかし、これを読んで「胸がスカッとした」と思ったら、政府の思う壷。
ガス抜きに終わってしまう。
これを重要な改善材料として、安全性を高めるために活用して欲しいし、
安全対策を取りながら、順序建てて廃炉に進んで欲しい。
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【国会 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会】:略称『国会事故調』公式サイト
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原発国会事故調、最終報告
「規制当局と東電の立場逆転」
(産経新聞) - 2012年7月6日(金)08:05
東京電力福島第1原発の事故を「人災」と断定した国会事故調の報告書は、規制当局と事業者の立場が逆転し、「原子力安全の監視・監督機能が崩壊した」ことを事故の根本的な原因と指摘。規制当局は規制の先送りを許し、東電など事業者の「虜」になっていたと厳しく批判した。
「能力や専門性、安全への徹底的なこだわりという点で、国民の安全を守るにはほど遠いレベルだった」
報告書は、経済産業省原子力安全・保安院などの規制当局の問題点を列挙した。一つの例が、平成18年の耐震設計審査指針の改定に伴い実施された、既存の原発の安全性を見直す「耐震バックチェック」だ。
東電の報告期限は当初は21年6月だったが、28年1月に先送り。1~3号機の耐震工事は実施されず、保安院は遅れを黙認した。
20年には、米中枢同時テロをきっかけに策定された米国の原発のテロ対策計画「B5b」について、保安院は米原子力規制委員会(NRC)から説明を受けていたものの、国内の安全規制に反映しなかった。
報告書は、原発推進の経産省の一部だった保安院の組織優先の姿勢や専門性の欠如が、既存の原発の稼働を維持したいという事業者の主張を「後押し」したと分析。「規制当局や東電経営陣が意図的な先送りを行うことで、安全対策が取られないまま3・11を迎えた」ことが事故の「人災」の原因だったと言及した。
既存の規制当局は再編され、9月までに原子力規制委員会が発足する予定だ。ただ、報告書は「組織形態を変えるだけでは、国民の安全は守れない」と注文をつける。「常に安全の向上に向けて自ら変革を続けていく組織への転換を」との提言を、規制委はどこまで実現できるか。わが国の原子力への信頼回復の試金石となっている。
原発国会事故調、最終報告 食い違い、官邸に厳しく
(産経新聞) - 2012年7月6日(金)08:05
昨年3月の東京電力福島第1原発事故後の対応をめぐり、官邸サイドと東電側の主張が大きく食い違った事案は2つある。水素爆発直後の1号機への海水注入の是非、そして東電が全面撤退を申し出たとされる問題だ。国会の事故調査委員会はいずれの事案でも官邸側に厳しい判定を下した。(坂本一之、千葉倫之)
「菅直人前首相が再臨界の懸念にとらわれて海水注入の必要性を説明する声に十分に耳を傾けなかった面もある」
事故調は、海水注入をめぐり、菅氏が再臨界の懸念を示していたと認定。「海水でも再臨界が起きないことは知っていた」とする菅氏の主張を退けた。
報告書によると、昨年3月12日午後6時過ぎ、官邸5階で、菅氏は海江田万里経済産業相(当時)、班目春樹原子力安全委員長らと1号機への海水注入の是非について協議を始めた。
菅氏は、班目氏が再臨界の可能性について「ゼロではない」との表現で答えたことで「大変じゃないか」と懸念を示した。班目氏らが「再臨界はまず起きないと考えていい」と説明しても、菅氏は「ないと言っていた水素爆発が起きたじゃないか」と納得せず、注入を了承しなかった。
報告書は「菅氏の『再臨界』発言を契機に議論が仕切り直しになった」と指摘。同7時55分ごろまで「是非の判断は宙に浮いた形となった」。これを「官邸政治家による指揮命令系統の破壊がなければ生じなかった問題だ」とし、菅氏が主導した協議についても「技術的には無駄であった」と断じた。
是非が決まらない間、協議の場にいた東電の武黒一郎フェロー(当時)が第1原発の吉田昌郎所長(同)に電話で「止めろ。官邸がグジグジいってんだよ」と注入を中断するよう指示したが、吉田氏は独断で注入を続けた。その吉田氏も事故調の参考人聴取で当時の状況を「指示命令系統が非常に分散している」と証言している。
「菅氏がいなければ東電は全面撤退し、日本は深刻な危険にさらされていたに違いない、というストーリーは不自然だ」
菅氏側が吹聴してきた唯一の“功績”についても事故調はこう否定した。
菅氏や枝野幸男官房長官(当時)、海江田氏らは、東電の清水正孝社長(同)からの電話を「全面撤退と受け止めた」と強調した。
報告書は「全面撤退」と解釈された最大の責任は「要領を得ない説明に終始」した清水氏にあり、「責任転嫁の傾向を持った東電の黒幕的経営体質」を批判。その上で官邸サイドの危機管理能力の欠如を問題視した。
菅氏らが全面撤退と「受け止めた」のであれば「それが必要となった事態に備え、住民の防護対策に総力を結集するのが政府の役割ではなかったか」と指摘。撤退の是非ばかりにとらわれ、不測の事態に備えた検討を怠ったことにも「危機管理意識の低さを如実に表している」と断罪した。
海江田氏や細野豪志首相補佐官(当時)がその後、清水氏の電話に出ようとせず、誤解を解く機会を逃したことも取り上げた。
民間事故調は、菅氏が東電本店に乗り込み統合対策本部を設置したことを「危機対応のターニングポイントになった」と評価したが、国会事故調はこれを否定。政府の本来の役割は住民避難などオフサイト(原発外)対応にあり、事故対応の責任は第一義的に事業者にあると結論づけた。
菅氏が東電幹部らを前に行った演説についても「激しい口調」だったと認め、「東電幹部は一様に違和感を覚え、吉田氏も現場は逃げていないと悔しさをにじませている」と記した。
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