チハルだより

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11歳の誕生ケーキ

2007-06-30 | Weblog



生フルーツたっぷりのケーキにしてね、というので
長女の誕生ケーキは、
パイナップル、キウイ、マンゴー、さくらんぼを
つかってデコレーション。
スポンジがうまく焼けました。

「11歳になった感想は?」
と尋ねると
「実感ないよ」

「じゃあ、12歳になった自分を想像したら、
どんなふうになってると思う?」
「う~ん。たぶん今よりもっと
いろんなことしてて、忙しくなってるかなぁ」

そう答える彼女は、
12歳になっても顔にクリームつけて、
ケーキをほおばっているのかな。

7歳の妹からもらった手作りのプレゼントに
うまくこたえられずにいちびって、
泣かせちゃって泣いちゃって。

あまえたり、あらがったりがごちゃまぜの
心をときどきもてあまし、
とまどいをさらけだす彼女はまぶしいです。

「理由はわからんけど、
おかあさんのいうことに、いちいち反発したくなる。
なんでやろ?」

ちょっとまえ、彼女がわたしに言った言葉。

ああそのときがきたのだと、
心の準備もないままに、
わたしはただうろたえをかくすみたいに、
発作的な不敵な笑みで
「そういうときは、すきなだけ反発したらいいんだよ。
だいじょうぶ。まだまだ
あんたにゃ負けヘンでぇ」
なんていっちゃったんだけど。

そういえば、
「どうしてそんな目で親を見る」
と昔はじめていわれたのが、
彼女と同じ年でした。

母親なんてばっかみたい
やってらんないよ
と思う瞬間が少しづつ
ふえてきた気もするけれど、
それ以上に、わくわくする自分がいることにも気づいちゃって
あきれたもんです。

長女よ。
わたしたちは、これからいったい
どんな親子になるんだろうねぇ?

彼女の心に吹き荒れた、
かわいい嵐が去ったあと、
少女の秘密を見せてくれました。
この変わり身。
オトメゴコロはわからんです。

わからなくってもいいもんね。
毎日いっしょにおいしいごはんをつくって食べようね。
ときどき、あまいお菓子もつくろうね。
食欲バンザイ。
今夜は月がきれいです。


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