ウォーホール左派

今日も作詩、明日もまた、本格詩人のブログ。

器の笑い

2008-01-24 16:28:55 | Weblog
アイスコーヒーを注ぎいれた グラス
暖かな部屋
午後の陽射しは

読み止しの本の名は
『ルネサンスの占星学』

人が ぱらり ぱらり 行き交う
食器が カチ カチと音を立てて

動  く


「光についての論文『光論』において、フェチーノは
この言葉を反転させ、光の性質に関するヒントを、与えている
フェッチーノは「理性の光は、光の理性である」と
記しているのだ。」


ああ 無為のための読書

永遠に子供であるための血の滲む努力

大きなストロークで水を掴め!
水練のコーチの言葉は屋内プールに響く
洞窟の採光に揺れ輝く水面
青空に浮かぶ白い雲が湛えた水に形を残す
泉に湧き出る 清水 透明な感覚
無機的なプールの水
滴れの音に耳 清ます

ガッシャーン

ウエイターの手から
食器が笑い転げ 落ち
こなごなに 砕ける
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

土蜘蛛

2008-01-24 10:17:15 | Weblog
幕末
鎖国の眠りは三百年


ガ・タ・リと音を立てて
仕掛け人形が宙を舞うと

あの錦絵に描かれた

土蜘蛛が江戸の巷を闇に乗じて跋扈していた

東京 東京と小さな声で囁いていた
時は濁流のごとく流れて
大きな戦争が二度あった
高度経済成長に沸きかえっていた
そんな日 日

土蜘蛛がその姿を消して一世紀半
幕末の爛れた武士階級を相手に土蜘蛛は戦いを挑んだのだ

土蜘蛛 その宿業を成就せよ
戦神 火星からの使者よ

退廃の極み
武士の間抜け面に捕りつけ
穴という穴 目 口 鼻から
人体に潜り込め
そして その精気を吸い取ってしまえ!
狂骨にしてしまえ!

江戸 東京 江戸 東京とつぶやく

東京に昨日 
土蜘蛛が蘇えって 白光に包まれて 金色に輝いていて
いたいけな少年が土蜘蛛と一体で
神々しくもあり普賢菩薩の生まれ変わりのようだ
土蜘蛛に胸まで埋まって

唱えつづける 南無妙法蓮華経

眷属の土蜘蛛を従えて
南西から帝都をめざす

霞ヶ関 虎ノ門
爛れた役人をなぎ倒す

キチガイ地獄はここいら辺りじゃ
因果応報 蒔いた種を刈る
ただそれだけ・・・

これは慈悲 
これは慈悲

奴らに己の宿業を成就させるための

土蜘蛛が蘇えった
この平成の御世に
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする