ウォーホール左派

今日も作詩、明日もまた、本格詩人のブログ。

鱗雲

2011-10-26 08:27:52 | Weblog
あれが 鱗雲
この胸に焼き付ける 景色

広く透き通る青 空に
滑るような雲が棚引く

あれが 鱗雲
ここ何年か
天侯が荒れていて
秋の徴は現れなかった

ここに素朴な牧歌的な感情が
ポケットに入っていて
秋の空に取り出して
細い道を歩きながら
青空に放つのだ

秋は綺麗
家庭菜園の柿の実が色づいて
十分に熟して大地に落ちる

そんな 音が空に余韻を残して

響くと

銀河が大きな欠伸をして
眠り始めて…

烏が一羽根を休める枝には
人間の昏い歴史の残像が宿る

もう いいよ
暗転の歴史は

新たな機軸で
第三文明を建設しようよ
菩薩道に生きようよ

開け放たれた窓に
胸のチャクラから
白鳩を飛翔させよう

その疲れを知らぬ滑空は
加速度を上げ

やがて人工衛星になると
この大地を見詰める流星になる

この秋の空を題目でいっぱいに
鱗雲に願いを込めて

今日まるで愚者のように見詰めた