ウォーホール左派

今日も作詩、明日もまた、本格詩人のブログ。

J-POPの「長2度」の挑戦

2019-02-09 23:08:05 | Weblog
J-POPの「長2度」の挑戦

日本の歌には「こぶし」があると言われるが、これはもともと
声明などでユリと呼ばれていたメリスマのことで、典型的には
「追分」(おいわけ)にあらわれる。
しかしこれは西洋音楽にも共通するものであって、その他に
たとえばエリック・クラプトンの『コカイン』はなんだか
"ロックな追分”に聴こえる。じつはどちらもラドレミソなの
である。
日本のポップスがさらにアメリカン・ポップスに近づき、し
かも日本的でありうるようになったのは、ロックのキメにあ
たる長2度を多発する進行を採り入れたことによる。このキメ
はビートルズの『抱きしめたい』で大ブレークし、ローリング
ストーンズの『サティスファクション』で決定的になった。や
がて長2度のソラでフィニッシュするロックが流行る。これを
日本が真似をした。

『J-POP進化論』 佐藤良明著

日本はロックの真似をしたんですが、けれども日本は忘れて
いたんです。かつて日本にそれがあったことを忘れていた。
それがエリック・クラプトンやビートルズや『サティスファク
ション』と出会ったことによって蘇ってきた。そのことに気が
ついたのは、研究者でも学者でもない、桑田佳祐のようなポップ
シンガーたちだったんです。

『神仏たちの秘密』ー日本の面影の源流を解くー 松岡正剛著

晩夏 立原道造

2019-02-09 10:32:20 | Weblog
晩夏
薬を包んであった紙で鶴を折った。それが幾つもたまった。
僕は秋を待った。

夜ーー断章
窓の外に、見知らぬ星たちが諸国の神話をおさらいしている。

夢と夢が歯車のように噛み合っている。

かわいそうな時計は、よっぴいて夜を見はりしなければならない。

『立原道造全集6』