ウォーホール左派

今日も作詩、明日もまた、本格詩人のブログ。

とばり

2006-10-22 21:09:20 | Weblog
夜のとばりが降りるころ
灰色の重たい空から
雨が落ち始める

オゾンの含まれた大気を
ヨガの行者のするように
細く長く吸い込み続ける

夜の闇は神聖で神々しく
悪を抹殺してくれるから

悪を狂気へと塗り込めて
暗黒街の空気で
みんな自家中毒を起こすから

氷雨に打たれた
体とそれを包む衣服に雨足は強く
『何かを』強要するが

それもわからぬ程に 麻痺し凍える 
心を骨と皮と肉の物体にぶら下げ
黒塗りの高級車へと逃げ込む
それは 霊柩車と変わりが無い

肉体の死と精神(良心)の死

同じ『死』が黒塗りの運転手つきの高級車で運ばれてゆく

夜のとばりに氷雨ふり
心も魂も
浄化してくれる 雨なのに

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