遊心逍遙記その2

ブログ「遊心逍遙記」から心機一転して、「遊心逍遙記その2」を開設します。主に読後印象記をまとめていきます。

『Curious George Builds a Home』 Houghton Mifflin Company

2023-02-05 17:13:07 | 英語学習教材
 冒頭の表紙の下辺には、Curious about design と記されている。お猿のジョージ・シリーズ英語絵本電子書籍版である。これはジョージがホーム(栖)を作るために、そのデザインに関心を向けるというお話。
 Universal Studios が Houghton Mifflin Company のライセンスのもとで、2006年に本書の著作権を所有する。これは、Joe Fallon の脚本でテレビ番組として制作されたジョージの冒険シリーズの一作。後に、Monica Perez が絵本化したものと内表紙に記されている。

 この絵本、最初のイラストは、バルコニーでジョージがジュースを飲み、かつブドウを食べながら、紙に何かを描いているものである。そこでのジョージの紹介は、
George was a good little monkey who was good at many things.
He was especially good at being curious.
過去形の文で紹介されているのは、ジョージの話を過去のある時点のエピソードを語るというスタイルだからか。昔話と同じ扱いということになる。この文で、ああ、good at が使われていると気づき、「(・・・が)上手で、得意で、うまくて」の意味の時に at が使われることを思い出した次第。

 この日、ジョージは鳥に関心を抱いていた。それまでに沢山の pigeons(ハト)を見てきていたから。それまでのハトは、足首に札を付けてはいなかった。ところが、この日、ジョージの前に、ankle tag を付けたハトが現れた。ハトの方も、今までに多くの動物を見てきているけれど、写生帳に絵を描く動物を見たことがなかった。朝、互いに珍しさで相手を見続けるということから始まる。ジョージはこのハトを描く。
 ジョージは絵を友達の黄色帽子の男に見せると、絵をほめた後、ジョージに ankle tagの意味を説明する。ここで、homing pigeon という語が使われていた。絵から伝書鳩ということはすぐわかるけれど、この言葉を知らなかった。homing は辞書によれば「帰巣性を有する」という意味。homing pigeon = carrier pigeon とも説明されている。
 黄色帽子の友達は、ジョージに伝書鳩は特別な栖を持っていること、自分たちのアパートメントは鳥にとっては良い栖とは言えないことを語る。

 その話から、ジョージは
 George saw that what his pigeon needed most was a place to roost.
この一文で、roost という単語を学ぶことに。「とまり木に止まる。ねぐらにつく」という意である。A tree would be perfect. とジョージは思いつく。
 ここからジョージの活動が始まる。バルコニーにハトのとまる木、つまり、ハトの栖を作ろうと試行錯誤を始めるということに・・・・・。
 ジョージは、アパートメントにある様々なものを木を作るために使う。それで部屋の中をめちゃめちゃにひっくりかえすことに。多分、絵本を読む子供たちには、想像しながら先へと読み進めるのが楽しくなることだろう。

 この絵本の裏表紙には、この絵本から何を学ぶかが明記されている。次の3点だとか。 
*simple design concept *Building materials *Pigeon habits and habitats

 ジョージがハトの栖としての木をつくる試行錯誤と完成した木の姿がおもしろい。
 このプロセス描写の中に、記憶から思いだした表現・単語とこの絵本で初めて知った単語がある。
 George came up with a great way to get a tree up his apartment.
この文で come up with [(解答など)を見つける] を久しぶりに目にした。
 It took him a long time to build, but finally George revealed his masterpiece.
この文のreveal [見せる、示す] も久しぶりに見る単語だった。masterpiece [傑作、名作、代表作] をこんなストーリーの文脈でも使えることも知った。
 この絵本で初めて出会った言葉は、frayed brown rope というフレーズの最初の単語。「すり切れた」という意味だそうである。ジョージがこのロープをどのように使うかは、絵本を開けてご覧いただきたい。
 もう一つが、bark という単語。「吠える」という意味で憶えていたが、別に「樹皮」という意味があることを知った。

 さて、このストーリー、伝書鳩の持ち主がドアマンだったことがわかり、その人を連れて黄色帽子の友達が午後に戻って来る。伝書鳩は持ち主の許に戻される。黄色帽子の友達は、ジョージのためにバルコニーに置く鉢植えの木を買ってきた。その後に、このストーリーのオチがちゃんとついている。

 ちょっと長い目の文が含まれているものの、過去形の文に少し過去完了形の文が混じる位なので、比較的年齢が低い層が直接の読者対象かもしれない。

 このお話では、the balcony が使われている。そこでふと、思ったことがある。
 バルコニー、ベランダ、テラスという言葉があるけれど、どう違うのか、その使い分けはどこにあるのか? 西洋での使い方と日本での使い方は同一か、違いがあるのか?
 絵本からの関心の波紋として、普段深く考えずに使っている言葉について、おもしろい再認識課題も現れてくる。

 この絵本からやはり学ぶことがあった。英語絵本は大人にとってもおもしろい。

 ご一読ありがとうございます。

補遺 こんなサイトを見つけました。
Magic Seeds :「Curious George」
トップページでCurious George のイラストとともに3種類のゲームが楽しめる。
 勿論、子供たち向けで、英語でのナレーションで楽しむゲーム
 Harper Collins Publisher のウエブサイト 
Curious About Gerorge? For Parents and Teachers   :「Curious George」
GAMES :「PBS KIDS Curious George」(ABC mouse.com)
 こちらのサイトにも、子供向けのゲームページがあり、英語でのナレーションです。
George's Busy Day ::「PBS KIDS Curious George」(ABC mouse.com)
 こちらも同様です。
balcony  :「Cambridge Dictionary」
veranda  :「Cambridge Dictionary」
terrace  :「Cambridge Dictionary」
porch   :「Cambridge Dictionary」
balcony  :「LONGMAN」
veranda  :「LONGMAN」
terrace  :「LONGMAN」
porch   :「LONGMAN」

インターネットに有益な情報を掲載してくださった皆様に感謝します。

(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません。
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)

こちらもお読みいただけるとうれしいです。
『MARGRET & H.E.REY'S Curious Grorge Feeds the Animals』
               Houghton Mifflin Harcourt
『HAPPY HALLOWEEN’ Curious George』
               HOUGHTON MIFFLIN HARCOURT PUBLISHING COMPANY
『Curious You On your way!』 ILLUSTRATED BY H. A. REY 
               HOUGHTON MIFFLIN COMPANY
「遊心逍遙記」に掲載した英語絵本シリーズの読後印象記一覧 最終版
                     2022年12月現在 20冊

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