御年90才のオジイチャンは今日も練習場にいた。
ワタクシが週3回行くたんびに見かけるから、ひょっとしたら毎日来てる? と思っていた。
「毎日来てますか?」
「毎日来てる!」
やっぱり毎日だった。
「土日も来てますか?」
「土日も来てる!」
ほんとうに毎日だ。
聞いていないのに、話は田んぼの話になった。
「肥料撒きがタイヘンや!」
「もう田植えはやめた!」
「子どもは誰も後を継がん!」
だいたいオジイチャンはそんなところがある。
最初のキッカケだけ掴むと、後はどんどん一人でしゃべり続けるのだ。
御年90才!
腰の曲がった同級生のもう一人の90才は最近見かけない。
どうしちゃったのだろう?
オジイチャンは腰も曲がらず、チョ~左足軸のドアスイングで、打ち終わった後はほとんど仁王立ちのようにターゲット方向を向いている。
そして、ずっとボールの行方を追っている。
90才で毎日、練習場に来る。
軽トラにキャディバッグを積んで毎日来る。
合間に農作業を済ませて来る。
誰彼となく話しかけられ、大きな声で応えている。
オジイチャンが来なくなると、さびしくなるだろうな。