潮が、変わっていた。
風や雨の影響で、船が出せない日が多い。
久し振りに出てみると、潮が下りに変わって濁りが残っていた。
雨の影響による、泥濁りの残りだろう。
ベイト反応は、そこそこ出ているのだが、アタリに繋がらない。
釣り辛い、下りの濁り潮をどう相手するか。
海底付近のベイト反応に、仕掛けを入れてみた。
小さなカマスが、針掛かりしてくる。
そんな中に、強いアタリが来た。
「寝魚だと思います」

上がって来たのは、オオモンハタ。
狙いのイサキは、アタリが出ない。
大きなベイトボールが、出て来た。
「仕掛けを落とし直します」
早巻きの回収に、何かがヒットして来た。

ドラグ音が鳴って、ラインが引き出されていく。
「青物が来ました」
ゆっくりと、時間を掛けて巻き上げる。
途中で、何度も反転して抵抗する。
元気の良い、青物が姿を見せた。

ハマチを掲げて、笑顔が輝く。
ハマチは、もう一匹来た。


丸々として、元気の良いハマチだ。
ライトな仕掛けで、そのやり取りを楽しんだ。
しかし、後のアタリが続かない。
ポイントを移動して、次のアタリを探す。


イトヨリにホウボウと、ヒットして来た。
しかし、潮の動きが段々と悪くなって来た。
風も、南寄りに変わってきた。
少々、焦りに似た気持ちが湧いてくる。
移動したポイントに、ベイト反応が出て来た。
「何か来ました」

竿先を叩くアタリが来た。
「真鯛だと思います」
慎重に、ゆっくりと巻き上げて行く。

良型の真鯛が、姿を見せた。
「よっしゃ、もう一枚」
そう思ったが、南寄りの風が徐々に強くなって来た。
何とかもう一枚と、何かがヒットして来た。
「鰺みたいですね」

良型のマアジが、針掛かりしてきた。
仲間から「南が強くなって来たね」と、連絡が入る。
今からが、チャンスかもしれないと思ったが…。
安全第一で、引き揚げる事にした。