梅雨の走りのような雨が降る朝、ムラサキツユクサの白花が開花した。
かつて、この花が咲くと雨の季節が始まるなぁ、などと渋面を作ったものなのだが、最近では季節を違え、のべつ咲いているように思える。
青紫が主流かと思えば、赤紫や薄紫だって咲いている。
そして、この白花でさえ、花糸から伸びた毛の色が微妙に異なった個体が数多く存在する。
この子は花びらと同じ白色だよね。ピュアな感じが素敵。白雪姫みたいだ(かの姫とは相まみえたことはないのだが・・・)。
ところが、紫の濃淡をさまざまに染めて、思い思いのヘアカラーリング楽しんでいる個体も存在する。
今度、このムラサキツユクサの花糸の毛の色にもご注目いただきたい。
ゴールデンオレガノを背景にして、花たちが妍を競う。
二色風鈴オダマキがしゅっとそそり立つ。
カラマツソウの仲間がかすかな空気の振動に弄ばれ、右に左にと揺れている。
何の秩序も感じられない小庭に、目に見えない緊張が走る。
いや、オダマキが勝つかとか、カラマツソウが負けちゃうのなんて話じゃない。
この緊張って、花と花とが矜持を懸けた美の競演から発せられるものなのかもしれないよ。

📷2022年5月11日:雑駁な印象を湛えた小庭には、誰にも気づかれない花戦が展開されているのかも・・・。
なよやか肢体が、なんの支えもなく空間にふわりと横たわっている。意図してそうしているのかと思ってみたが、どうもそうではないらしい。
ビャクブ(百部)という。ビャクブ科ビャクブ属のつる性多年草、利休草という小洒落た異称がある。
江戸時代に渡来し、茶席でよく使われたと言うが、最近では、洋風のフラワーアレンジメントなどでも活躍している。

📷2022年5月13日:伸びやかなその肢体が羨ましいほどに美しい。利休草という名も、見る者に何かを訴えかけているようだ。
よくよく見ると、すでに花を貯えている。
ビャクブにとって、利休草にとって、花は添え物なのかもしれない。
でもね、花だって目立ちはしないが、胸に迫るものがある。まだ見せないよ。咲いたら、またレポートしよう。

📷2022年5月13日:利休草のつぼみ。径1cm足らずの花だが、それはそれで何かを発信して止まないのだよ。
昨年芽生えたマツムラソウの苗である。二年目ということになるのだろう。
種からだか、むかごからだが判然としない。とにかく、たくさん芽生えたのだが、冬を越し、これだけとなった。
イワタバコ科マツムラソウ属の常緑の多年草とされるが、さすがにこの地では常緑という訳にはいかない。
それでも、暖かさを察知すると、しっかり頭をもたげ、ご覧の通り。

2022年5月12日:マツムラソウ、あの牧野富太郎を疎んだことで知られる小石川植物園の初代園長松野任三に因む名だと言う。
猫の額に来て、もう三年ほどになるのかな。いや、四年目かもしれない。冬ともなると、室内やビニ温で暮らしてきた。
昨年、古株たちは一部を残し、地植えにしてみた。日本では、沖縄県の湿った岩壁に生育していると言うからかなりな冒険、いや、無茶なテスティングかもしれないね。
でも、いまのところ、結構いろいろなところから芽出しが始まり、それぞれ大きく育っているよ。

📷2022年5月8日:この地域で、このマツムラソウを地植えにするなんて!?
イベリス・ウンベラータなのだろう。イベリスと言えば白ばかりかと思っていたら、そうでもないらしい。
そう、あのカネコ種苗のミックスフラワー ハイタイプに入っていた種から育ったものである。
山野草だけじゃない、この無秩序な花の種類が猫の額流かな 笑
待てよ、「ウンベラータ」って言えば、そんな名前の観葉植物がなかったっけ。うんっ、フィカス・ウンベラータだ。
ウンベラータってなんなの? そう思って検索してみると、ラテン語の「umbella(日傘)」のことを指すらしい。確かに、あの観葉植物は日傘のような葉を展開していたっけ。

📷2022年5月13日:イベリスがイベリスとなるために、頭頂部に一つ二つと花を付けていく。
いつも猫の額と言ってますけれどこんなに沢山の種類の花を植えて
本当は大きなお庭なのでしょ。
それにしても沢山の山野草を上手に育てて負けました。
気難しい山野草は私に合わないようです。
芽が出てこなかったの ごめんなさいね。
kiteさんの所で見させてもらいます。