「細長い棒状の偽球茎の先から紫色の地味な花を咲かせる。」(Wikipedia)、「花が小さく、色が地味なので気づきにくい。」( 千葉県立中央博物館)、などをはじめ、この花を紹介する文章を拝見すると、「地味」という単語が決まりきった形容詞の如くについて回っている。
確かに、つぼみの時に見た印象は、「なんて面白みのない花なんだろう!」ってことだったのだから、他人様の紹介記事をとやかく言うことはできない。
しかし、開花を見ると、そんなイメージなど吹っ飛んだ。
数日前にコクランの開花を確認した。地味な花? とんでもない。小さいとはいえ、ラン科の花の特徴と矜持を備えた素敵な花であった。
各サイトを参考にし、コクランの花の構造を学習してみた。
①唇弁:ラン科などの花に見られる唇形の花びら
②側花弁:ラン科などの花に見られる唇弁を除く二枚の花びら
③蕊(ずい)柱:花の中央、リップの基部にある太めの長い棒状の器官。 雄蕊(雄しべ)と雌蕊(雌しべ)が融合(合着)したもの(Weblio辞書より引用)
④側萼(そくがく)片:ラン科などに見られる唇弁の左右に見られる萼片
⑤背萼片(はいがく)片:ラン科などに見られる唇弁の背後に位置する萼
ラン科の花というと、色鮮やかで、特徴のあるその形状を思い浮かべる。
確かに、そういった一般的な印象とは異なるのだが、どうして、どうして、このコクランだって十ニ分にユニークな存在と言えるだろう。
「葉水✖キケン」から始まった五カ月ほどのコクランとの並走生活だが、よく目にしたコクランに刻されたレッテルは誤謬に満ちていることだけは確かなようだ。
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