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豪雨の八幡平と快晴の種差海岸

2013年07月14日 | 地域
稲川自然観察会恒例の一泊研修は、7月12~13日豪雨の八幡平と快晴の八戸の種差海岸。
7月12日は朝から雨模様。八幡平樹海ラインはガスがかかり、ほとんどは視界がきかない。八幡平頂上駐車場から、強い雨の中を1613mの頂上を目指す。駐車場も1540mだから73mの差で30分程と云う。風と雨で荒れる天気を現地のガイドさんは、「この程度の荒模様は良い方に入る」から山頂までは大丈夫だと云う。アオモリトドマツから見える鏡沼、眼鏡沼はまだ残雪があり湖面が隠れて見えない。

歩く途中偶然に「キヌガサソウ」にであった。強い雨の中、デジカメでやっと撮れた。沼周辺の雪消えが進むとこの「キヌガサソウ」がいっぱい出てくるという。この残雪をみてもいまさらながら豪雪が半端でなかったことを知る。八幡沼周辺はこの雨で雪が消えたのだという。だから山野草は春、夏が盛りのものが同時に見られる。愛好者とっては好都合かも知れない。ガイドさんは雪がなくなるのは来月上旬になるだろうと云う。このシーズンは秋の花も同時に見られるかもしれない。雨の中で「ゴゼンタチバナ」、「イワツツジ」、「イワザクラ」などが見られた。


 雨のキヌガサソウ 07.12八幡平爆裂火山群周辺にて

土砂降りに近い雨の中約2時間山頂エリヤを周遊し、ビショヌレでホテルへ向かう。雨は夕方まで止むことはなかった。

次の日八戸市三陸復興国立公園種差海岸は好天。それでも朝方までは雨だったと云う。種差海岸の名は知っていたが初めての地。ウミネコ繁殖地の蕪島、葦毛崎展望台から種差天然芝生地まで約3時間のハイキング。多くの山野草にであった。岩の割れ目の「スカシユリ」が目立つ。


種差海岸 スカシユリ 07.13

「ニッコウキスゲ」「ハマギク」「センニンソウ」「キリンソウ」等の他、「エゾノレンリソウ」等に会えた。山野草の他、リアス式海岸の風景は感動ものだった。

ガイドさんに2011.3.11の津波被害を聞いた。
「全国有数のサクラソウの群生地もある一帯は東日本大震災で8メートルの津波に襲われたが、震災直後にサクラソウ保護を県立名久井(なくい)農業高校(同県南部町)の生徒が行い、何とか立ち直った」と云う。約800種もの植物が生息する青森県八戸市の名勝地・種差海岸、この5月24日「三陸復興国立公園」に編入された。 同海岸は初夏の低温や降雪の少ない気候もあり、南限と北限の植物が「共存」しているから山野草の種類が多いのだそうだ。


 中須賀の景観 07.13


大須賀浜を望む 07.13

白浜海水浴場で昼食後、白浜漁港からの遊歩道はそれまでとは違う風景。「淀の松原」はすばらしかった。これほどの景観の海岸は知らない。約3時間の散策は、種差海岸の約半分の距離だと云う。機会を作って全部の行程をいつか走破したいものだ。散策の中で2011.3.11の津波被害の痕跡は見ることはなかった。ここにも8~10mの津波が押し寄せたのだと云う。後片付けは急ピッチに進んだのだろう。景観は見事に復活していた。

「どこかの天体から人が来て、地球の美しさを教えてやらねばならない羽目になった時、一番にこの種差海岸に案内してやろうと思ったりした。」とスケール大きく描く、作家司馬遼太郎氏の「街道をゆく3」に共感する。そして、「地域の宝から日本の宝」へと云う、地域の人たちの取り組みに大いに賛同。 
        

この東北の地に、三陸復興国立公園種差海岸があることを誇りにも思った一日であった。
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