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野鳥もスズメも消えた庭

2013年12月21日 | 地域
11月中頃まで庭木、ヒバの茂みにやってきていたスズメが、いつの間にか来なくなった。
冬囲いしやすいようにと枝を切り過ぎたからからかもしれない。家の東側には野鳥が来るのを楽しみに、11月半ば野鳥のエサ台を設置した。昨年来たスズメを始め、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロを今年もと欲張ってエサ台に コゴメ、ヒマワリの実、リンゴ、ミカン等手を変え、品を変えても今のところ反応は全然ない。エサ台を嫌ってではなくて庭木にもほとんど鳥が寄り付かない。昨年とは全く様変わりしてしまった。雪降りの毎日で惨敗かとの思いが強いがもう少し粘ってみることにした。


雪の野鳥のエサ台 2013.12.20

今年の5月の始め、坪庭に初めての鳥が来た。きれいな小鳥に感激し愛用の一眼レフで待ち構え、3日がかりでシャッターに収まったのはなんと「オオルリ」だったことが図鑑でわかった。ど素人のオオルリの写真はボケ気味だったので下記は引用した。5月8日に雄勝野草の会で散策した「女滝沢国有林」では路案内してくれたのは比較的大きめで鮮やかなオオルリだった。山野草よりも一行を楽しませてくれた。
(引用)

オオルリは調べてみると「全長が約16cm位、翼を開くと約27cmほど。雄の背中は尾も含め光沢のある青で、尾の基部には左右に白斑がある。喉、顔は黒で腹は白い。雌は頭から尾にかけて背面が茶褐色で、喉と腹は白い。胸と脇が褐色。 また、雄が美しい色彩になるには2 - 3年を要すると考えられ、若鳥時代の雄の羽色は雌の羽色と似た茶褐色で、背面の一部と風切羽及び尾羽に青色が表れているだけである。
中国東北部、ウスリー、朝鮮半島や日本で繁殖し、インドシナ半島から大スンダ列島、フィリピンなどに渡って越冬する。日本には夏鳥として4月下旬ごろに渡来し、南西諸島を除く北海道から九州までの全国各地で繁殖する。10月ごろまで見られる」(引用)

国際自然保護連合(IUCN)により、レッドリストの軽度懸念(LC)の指定を受けている。日本では重要保護生物(B)千葉県、 絶滅危惧II類 山形県等があるが秋田は入ってはいない。
かつては姿かたちと鳴き声から飼い鳥として人気がありオオルリ、キビタキ、コマドリ、ミヤマホオジロの4種は、「和鳥四品」とされている。現在は鳥獣保護法により愛玩飼養は禁止されているが、毎年違法な飼養が確認されているそうだ。

昨年12月26日柿の木に来たのは「ツグミ」だろうか。大雪になり餌を求めてまだ数個残されていた柿の実をめがけてきた。ツグミはシベリアから12月頃になるとやってくるという。臆病なのか争いを好まぬのか、他の鳥がいると姿を消すという。柿の木に数分ほどいたが一度きりしか姿を見せなかった。枝が雪に埋まりやっと姿が見えた一瞬の一枚だった。ツグミと思ったがもしかしたら違う名かも知れない。

カキの実をついばむツグミ 自宅 2012.12.26 

今年も雪は大降りだ。まだ柿の実は結構残っている。今日ムクドリ一羽が近くに来たが昨年見えたツグミらしき鳥は見えない。昨年まで毎年この時期に雪囲いした「オンコ」に来ていたミソサザイも今年はこなかった。
ミソサザイという名前の由来はミソはミゾ、溝の事であるらしい。サザイはササイ、些細。
つまり溝些細。谷筋の溝に現れる小さい者と言う、ミソサザイとなるのだそうだ。体長11センチ程の鳥。体が小さいから動きもすばやい。日本の野鳥の中で一番小さいと言われている。

ミソサザイは、日本では古くから知られており、古事記や日本書紀にも登場する由緒ある鳥ですが、西洋においても数々の民話の中に登場します。ある有名なスコットランド民話によると、ある日、鳥たちが集まり、一番高く飛べた鳥を自分たちの王とすることにしました。ワシは得意げに飛び立ち、誰よりも高く昇っていきました。ところが、いよいよ最高点に達しようとしたその時、ワシの首につかまっていたミソサザイが飛び上がり、見事ワシに勝利しました。ミソサザイは王として認められ、それ以来「鳥の王様」と呼ばれるようになったとのことです。(http://www.buyo-gas.co.jp/exchange/public/yatyou/yatyou23.html)(引用)

そして、スズメ。冒頭のように11月中ごろからぷっつり消えた。少なくはなったといっても雪で地面が覆われてしまうと決まってモミジに飛んできた。雪でエサ採りが難しくなるとわずかに残ったモミジの実を食べに来ていた。スズメが減ってきたと各地で報告されてきたのはつい十年ほど前からで、住宅が新しくなって営巣がしにくくなった。減反で水田が減ってきたからだ。等の諸説があるが決定的な原因は解明されてはいない。 
スズメが減ってきたのは日本だけではなく、イギリスを始めヨーロッパ諸国でも確認されている。

詳細は農業情報研究所06.4.21「ヨーロッパからスズメが消える?人間は何を失いつつあるのだろうか?」に詳しい。それによると

「イギリスからイエスズメの姿が消えつつあることは早くから知られていたが、フランスの鳥類学者の研究でパリやその他のフランスの都市でもその数が急減していることが分かった。さらに、ドイツ、チェコ、ベルギー、オランダ、イタリア、フィンランドの都市ではもっと急速な減少が見られるという。しかし、原因は分からない。英国のインディペンデント紙が伝えた。 First they disappeared from Britain. Now Europe's house sparrows have vanished,Independent,4.19
 http://news.independent.co.uk/environment/article358584.ece

イギリスのイエスズメの数はこの15年で90%減ったと信じられている。その理由については、多くの説があるがはっきりしていない。この17年で20万ー多分、10分の1ーのイエスズメが消えたパリの謎は特に深い。ここでは、様々なエキゾチックな鳥が増えているという。

自然史博物館の研究者は、何らかの病気のためなのか、生息地が減ったためなのかなどと答えを探している。 鳥類学者は、他の鳥の数と種の増加が営巣の場所と餌を食べる機会を減らし、また建築規制の強化が巣作りに利用する割れ目を閉じてしまったのではないかと言う。さらに、パリにおける猫が増加しており、その餌食になる鳥が増えている可能性もある、また移動電話からの電波とか、車による汚染のせいではないかと言う人もいる。しかし、それでは何故スズメだけが影響を受け、他の鳥に影響がないのか説明できない。

同様なパターンはヨーロッパ全体でも見られ、ハンブルグでは過去30年に50%のイエスズメが消えた、プラハでは60%も減ったという。
イギリスでは、他の鳥による駆逐、農薬、気候変動、家屋の改善など、原因をめぐる多くの説がある。デュ・モンフォート大学の研究は、昆虫の減少がスズメの飢えにつながっていることを示唆している。この影響はパリやヨーロッパ中で見られるという。

いずれにせよ、人々の住居近くで長年にわたり人間と共存してきたスズメのこのような減少は、我々の住居環境に馴染みのない、あるいは不気味な雰囲気をもたらす。数年前にフランスの山間地を訪れたとき、鳥の姿が滅多に見えず(目立つのは教会広場の鳩ばかり)、その囀りも ほとんど聞こえない(気づいたのは非常に辺鄙な山奥の1ヵ所=コンクにおいてだけだった)のに異様な感じを覚えた。こころなしか、東京郊外のわが家の周辺のスズメも大きく減っているように思われる。大樹の葉陰のスズメの大集団のうるさいほどの大合唱も、近頃聞いたことがない。

フランスの鳥類保護団体会長は、スズメ(moineau)が英国のスズメ(sparrow)と同じ運命を辿るのではないかと恐れている。「すべてのシグナルは赤だ。イエスズメは1万年ものあいだ人間と共生してきた大変に象徴的な鳥だ。アオガラのように魅力的ではないが、生物多様性のために生き残る権利がある」と言う。しかし、スズメの減少が持つ意味はこれだけでは説明できそうにない。人間とスズメの共生にはどんな意味があったのだろうか。原因は分からないが、人間はかけがえのない何かを失いつつあるようだ」 
農業情報研究所06.4.21(引用)

現在日本に生息するスズメの個体数は1800万羽ほどで、1960年代に比べ10分の1ほどに激減してると環境省が発表しました。(2010.4)スズメは大きく二つに分けられている。

「ニュウナイスズメ(入内雀)は、スズメ科の鳥類。民家近くに生息するスズメとは対照的に、林や森などを好む。全長約14cm。雄はスズメに似ているが頬に黒点がなく、頭部と背面はスズメよりもあざやかな栗色をしている。雌は薄茶色で、太い黄土色の眉斑が目立つ。日本では主に北海道の平地の林や本州中部以北の山地で5月から7月にかけて繁殖し、関東地方以南の暖地で越冬する。繁殖期以外はニュウナイスズメ単独種で群れをつくるが、少数の場合はスズメの群れに混じる」(引用)

50年数前のスズメ、今日の10倍の1億8000万羽とはすごい数だったが、あの当時はいたる所にスズメはいた。茅葺の屋根や桑の木の祠にと初夏、新たに誕生した子スズメの巣立ちは足元に回りつくほどだった。遠い昔のことになってしまった。現在1800万羽はあの頃から比較して90%減とはいうが、実際はもっと少ないのではないのか。環境省発表の1800万羽も推測数でしかない。

この時期の野鳥は5日ほど前、南に向かうガンの群れを見送った。伊豆沼の方面に向かうのだろうか。10月の初め伊豆沼周辺をドライブしたら多くのガンの集団に遭遇した。まだこの周辺は稲刈りが始まったばかりだった。ガンの群れは稲刈りを早くと催促しているようにも見えた。


 伊豆沼近く 田んぼのガン 2013.10.3

自宅周辺の野鳥は今のところカラスは元気だ。静けさの中に思い出しように飛び回るカラス、他の野鳥のいない土壇場なはずだがあまり生彩がないようにも見える。なんとも微妙な風景。人間の驕りが自然体系を崩してしまったのだろうか。

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