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ハイドレート(hydrate)というものがあることは、戦前から知られていた。水のシャボン玉のなかにメタンガスが閉じ込められていると考えて差し支えない。
一定の水圧と温度と材料たる水とガスがそろうと、メタンは水分子に囲まれてじっとそのシャボンの中でおとなしくしている。
これを取り出して利用しようという考えがあり、一見よさそうだ。
メタン(methane) 正四面体
科学者、技術者は一流にならない限り、本来人間として持つべき常識や教養を犠牲にして、すべての能力を研究に注がないとついていけない激しい競争の中にいる。
ものにならない研究でも予算が取れそうなものが優先され、地味な基礎研究は、はやらない。
研究がさほど細分化される前は、そういうウソ研究は見抜かれていたが文科省のアホな審査、忙殺される財務省の下ではいわゆる派手さがないと相手にされない。さらには、東大か、京都か、クローンか、リニアコライダーか、宇宙か、環境か、資源か・・・ ま、やっと原子力は日陰になったけど。
百年の大計はそこにはなく、目立つかどうかでカネが決まる。
メタンハイドレートには500億が消えた。
金額の絶対額の問題ではなく、カネを捨てたことが問題だ。環境だ、資源だとうるさい時世では、日本に無限の資源があるかも、という話は日の目を見にくい。
そういううさん臭いのに乗っかって国民は痛い目に会ってきた。
CO2の数十倍の温室効果があるメタンをそのまま放出せずにCO2にして、すなはち燃焼させて、すなはち産業に利用して、地球を守ろう。とか言ったバカの叫びが聞こえる。
CO2の温室効果自体は確かだが、その定量的数値は確定していない。メタンより大きいという説もある。100年の技術の蓄積がある海底油田ですらせいぜい海面から1000メートル。メタンが掘れるはずない。どこにあるのか分かってないのになぜか国は埋蔵量が分かるという。
しかも、かかわりたい一心で埋蔵量を大目に算定する。なあ、国土交通省。そんなの得意だろ。
原子力船「むつ」。文科省の空想「もんじゅ」。それぞれ2兆円を捨てた。
科学は何が出るかわからないパンドラの箱を開ける行為だ。だからといって決して消極的になるのを進めるのではない。むしろ、たじろいではいけない。しかし、絶対何も出ないこと、何も起こらない価値のないものに金を捨ててもいけないのだ。サイコロを振り続けて7の目を出そうとしてきた
例えばリニアコライダー。これは完成するまでには2兆円かかる。しかも何が出るかわからず、仮にすごいことが分かったとしても、低能たちには興味もわかない宇宙の起源のホンの一端が分かるに過ぎない。
しかし核融合に道を開くかも知れない。5年かかってデーターを集めていたのが一週間でできる。計算の精度が二けたも上がる。これらは確かに可能性の話だがほぼ実現性のある可能性だ。
これはとても安い2兆円なのである。そこらの野蛮国は日本に不法入国・就労するのが精いっぱいだ。そんな下品な国を出し抜いてほしいものだ。
世界の笑いもの「むつ」を意地で続け、文科省の高給失対事業「もんじゅ」を惰性で続けた醜態はもう見たくない。
100年前、石炭液化ができてアメリカのような資源国になるため満州進出するんだと文科省は叫んでいた。その石炭液化は明日にも可能だと言いつつ、100年たってもできてないぞ。