か ら け ん


ずっと走り続けてきました。一休みしてまわりを見ます。
そしてまた走ります。

ファンを減らすいけない日々の告白   6

2014年10月08日 | 日常

子供が入るくらいの大きな段ボール箱。その蓋の部分を切り取ると、大きい筒のようなダンボールが残る。それを地面に寝せると茶筒を倒した格好になる。筒の中に入り四つんばいになると、キャタピラーの中に入っているようで、小学生の僕らは速さを競った。

子供戦車の競争だ。

ここで終われば、せいぜいダンボール箱泥棒ぐらいですむのだが、子供の遊びは、かならずエスカレートする。創意工夫だ。脳が新しい子供という生き物は、遊び自体より創意工夫が面白かった。

活動停止前の脳たちは、その子供たちを見て目を細める。「子供は遊びの天才ね」

違う。くも幕下に出血が始まっているから、そんな見かたをする。子供は残酷で見境がない。いつもスケベなことを考え、女子のスカートを下ろせたらもう思い残すことはないと思っている。

一方で男の子同士のちびっ子ギャングと遊ぶのもまた楽しい。みんなスケベだったくせに口ではそろってスケベを軽蔑した。女子なんて、眺めるだけの存在だったから悔しかったのだろう。

先ほどのダンボール戦車。これで、お寺の床下に入ると埃やくもの巣で汚れることもない。もとより、暗い床下の奥に見える長櫃(ながびつ)の中には何が入っているのか疑問だった。

この戦車、欠点があった。

① 走るうちにダンボールが壊れてきた。  ② 前が見えなかった。 ③ 方向転換が出来ない

こうして、運が悪いと、しこたま頭を寺の柱にぶつけた。怪我もしながらたどり着いた。僕の最初のカーライフだ。

まず、鉄扇があった。家に持ち帰ると、鉄扇について散々話を聞かされた挙句、「返してきなさい」。 はい、と言って僕は、こっそりそこらのどぶに捨てた。殿様からこれで「たわけ」とされたら死ぬな、と思いつつ。

つぎに、銅鏡が出てきた。実際は銅製のものはない。Cu+Sn かなり貴重なものもあったようだが。僕らの手裏剣遊びには、大きさといい重さといい絶好だった。

運動場で散々遊ぶと、後日、証拠隠滅のためこれもどぶに捨てた。

数十年後、そのどぶで発掘作業をしていた。なんせ、どぶからザクザク古い鏡が出てきたから学問的に貴重な発見らしい。

バカだな。僕らが投げ込んだのに。

            

             写真は、内行花紋鏡 46.5cm、卑弥呼の頃、国宝レプリカ、これには手も触れていません、日本最大、渡来品、糸島市平原遺跡(福岡県)出土、実物は国立博物館所蔵






 


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