か ら け ん


ずっと走り続けてきました。一休みしてまわりを見ます。
そしてまた走ります。

八代(やつしろ)の物産館

2014年01月09日 | 日常

天草にミカンを買いに行った。近所の人も頼んだのでCOPENはミカンでいっぱいになる予定だった。

八代に回り松浜軒や城址を見た。博物館は休みだったがそのあたりを十分散策して、物産館に寄り天草に向かった。

2時間ほどでミカン屋に着いた。金桁(かなけた)温泉という素晴らしい温泉があったがもうやめたそうだ。ウソ八百書いた下劣な温泉雑誌に乗らないと経営は困難なようだ。

で、財布を出そうとしたらない。すべてない。カメラ、カード類、名刺、取材メモ、ペン。バッグごとない。人にとって、命をかけるほど大事なものでも、別の人にとっては紙くずであったりする。

僕にとってはカードやカネやカメラはどうでもいい。どうせ無限に僕のカネを吸い取られるものではない。肝心なのは僕の祖母の写真。祖母は失明する。その失明前の唯一の写真。僕を見た顔だ。これがないと僕は生きる気を失う。

女は勉強しなくていい。戦前どの男もそう考えていたようにうちの男達もそう思った。ばあちゃんはひそかに勉強を続け僕に数学を教えた。失明してからも教えた。

感謝している人の写真をなくすとはバカにもほどがある。天草から110番した。

「八代よかとこ物産館」にバッグごと置き忘れていた。それをみつけて届けてくれたのは福岡県警のお巡りさんだった。名前は出さないでくれということで残念ながら書けない。

バッグはそのまま八代駅前の交番にあった。熊本県警交番勤務のおまわりさんは、なかなか機転のきく人だ。僕がぜひお礼を言いたいと言ったが、電話番号が僕に知れたら個人情報の漏えいになる。

そこで駅前交番のお巡りさんは、「持ち主に届いたことを、拾い主に連絡します」、と言って僕に隠しながらダイヤルし、途中で僕に変わった。僕は十分お礼を言うことができた。駅前お巡りさんも個人情報を漏らしたことにはならず、僕も満足した。

最初の発見者もまた偶然、おまわりさんだったのでバッグは帰って来たのかもしれない。

どれくらい戻ってくるのか聞いた。個人的推定だと前置きして、お巡りさんは恐ろしい数字をあげた。

その日に戻るのは2割ですね。あとは日がたつにつれ下がっていきます。結局4割です。パチンコ屋での遺失物は100%戻りません。

つまり5人に一人しか落し物を届けない。なんと言う日本になってしまったんだ。

日本は、ほんの少し前までみんなが安心して暮らしていた。日本を悪魔の住処にしてはならない。

Posted at 2013/12/30 10:47:35 | 日記

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