国際リニアコライダー(ILC)誘致を目指す先端基礎科学次世代加速器研究会(顧問・古川康佐賀県知事、小川洋福岡県知事)の第7回研究会が26日、福岡市であった。候補地が脊振山地ということで佐賀、福岡両県で進めてきたが、新たに沖縄を含む九州・山口の7県7市町が会員として参加。「オール九州」で誘致に取り組んでいくことを確認した。
ILCは全長30キロ超のトンネルで電子と陽電子を衝突させ、宇宙誕生の謎を探る研究施設。各国が資金を出し合い、世界で1カ所建設予定で、国内では脊振山地と岩手県の北上山地が候補に挙がっている。古川知事は「実現すれば脊振地区に世界中から科学に関心がある人が集まってくる。みなさんと協力し、誘致を進めたい」と語った。
佐賀新聞1月27日
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ご存じの方も多いのですがちょっとおさらいから。
宇宙がビッグバン以降誕生したのだとすると、それ以前は空間もなかったことになる。真空もない世界は想像しにくいが、そこでは時を進めるものがないから時間もなくなる。この何もない世界に、ある「ゆらぎ」が生じたと考えるのが合理的だとされている。
今回この「ゆらぎ」の正体を探ろうというわけだ。「ゆらぎ」が起こった数百万分の一秒後、どっかーんとビッグバンが起こったようだ。ここで大きな疑問が起こる。ビッグバンのあとなぜ宇宙は偏ってしまったのか。つまり陽子は圧倒的に+に帯電しているが電子はその逆だ。「ゆらぎ」の時点では両者均等に存在したと考えるべきだ。であるならなぜ反陽子は世界を作れないでいるのか。反電子を与えると反物質ができるのか。
すべて、電子の性質がよく分かっていないから分からないのだ。サイクロトロンで原子核を崩壊させるのは簡単だ。しかし、電子は小さい。陽子(原子核)を地球にたとえると電子はピンポン玉ぐらいにしかならない。これ同士をぶつけて崩壊をおこさせ軌跡をたどるにはまだ数十年先の話だ。
学生たちは計算ばっかり気が狂ったようにして、ことの本質について本当に頭を使って考えようとしない。だが文系になると先生までお粗末がいる。
佐賀大の畑山は「震災復興や福祉などの課題が山積している。電力も必要で原発立地の理由づけか。」と述べた。
たしかにカネはかかる。一兆円。安いものだ。たった一兆円で電子の中身が分かるのだ。どれほど高速の半導体や素子ができることだろう。何よりも僕たちはものの本質に近づくことができる。かりに何も分からなくてもいい。科学とはそういうものだ。僕たち人類はあと何百万年も生きる。一兆円ごときをグダグダ言っちゃあいかん。
超光速ニュートリノは誤りだった。ヒッグス粒子にも誤りがある。じゃあやめとけばよかったのか。100の、1000の誤りなくして一の発見はない。役立つかどうかを気にするのも原始人のすることだ。たとえば、生きている意味は目には見えない。だから、あたかも生きる意味についての著作は無意味なようだ。とんでもない。ニーチェの言葉はそこらの料理本よりはるかに重要だ。
リニアコライダーをそこらの犬を食う原始人が建設できるか。だからわれらは責務があるのだ。佐賀大の畑山のように電気代を気にして世紀の実験はできない。