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中空で竹で編んだような姿。20㎝ぐらい。直径4センチで円筒形。片方はとがって海底に固定されている。
カイロウドウケツという海綿の一種。相模湾。1000メートルの深海にすむ。ひっかかったプランクトンを食べているらしい。
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まるで結晶体のように成長するが、アモルファス体である。その繊維は光ファイバーよりも強く細い。これを水温4~5度の深海で合成するのだから、人知の遠く及ばない世界である。
この網目の隙間からエビの幼生が入り込むことが多いという。このアモルファスのかごの中で幼生はエビの成体になる。2匹で入り込むことが多くどういうきっかけかは不明だが片方はオスに、もう片方はメスになる。
その時は体が大きくなっていて一生この籠の中から出ることはできない。
籠を形成する海綿にとっては何の利益ももたらさない闖入者であるが、自分の体内で甲殻類の夫婦がともに添い遂げるのを見ているわけだ。
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僕は思った。ここにいるエビ同士が夫婦喧嘩をしたら修羅場になる。一生この空間で女房と過ごすなんて。どんな拷問より苦しい。
仲良くしなくちゃ、やってけないな。
実は佐賀神社で骨董市があったので見に行った。そのついでに神社のお宝を見せてもらった。
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それが、偕老同穴。
三省堂によると、夫婦が仲むつまじく添い遂げること。夫婦の契りがかたく仲むつまじいたとえ。夫婦がともにむつまじく年を重ね、死後は同じ墓に葬られる意から。「偕」はともにの意。「穴」は墓の穴の意。
不思議な生物がいるもんだ。エビにとってはちょっと狭いマイホーム。退屈だろう。ものは考えようで、最近の人間の郊外住宅もこの程度だし外敵の攻撃からの安全は確保されるからまあいいのかな。
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生き物は人知の到底及ばぬ工夫をして生きている。なのに人間は他の種の絶滅には無関心だ。
人間は全生物に君臨する独裁者きどりだ。
そんな浅はかな人類が世界をヒートアイランドにしてしまう。人間自身が滅んでも自業自得ではあるのだが、あおりを食って滅ぼされてしまう生物はたまったもんじゃない。
漆黒の深海でただ一生懸命生きていただけなのに。絶滅が危惧されている。
帰り道、うどんを食った。大変おいしくいつも立ち寄るところだ。
できてきた肉うどん大盛りが、偕老同穴に見えた。
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僕は偕老同穴状態だ。