<前回のつづき>
[2-3.ハーグ密使事件]
柳寛順の話と似ているものとして。1907年、高宗の密書を持ってオランダのハーグに派遣されていた 李儁(リジュン)一行に関する神話がある。私はおさないころ、教師から 李儁烈士が第2次バンコク平和会談が開催されているハーグまで行き会議場入り口で入場を拒まれるとそれを振りほどき会議場の中に入り刀で自分の腹を切り内臓をまき散らして死んだと聞いた。学生たちの話を聞いてみると今日でも教師たちはこのように教えているという。だから韓国では 李儁を烈士というのだ。
しかしながら、李儁(リジュン)一行は高宗から15万ウォンという莫大なカネと信任状を持ってロシアからヨーロッパまで行ったのだが会議場の近くにすら行けず会議参加を拒絶されていたことが知られている。外国語ができる一行の一人が現地で新聞記者たちに自分たちの身分と派遣目的などを知らせたことでこの事件が世界に知られるようになり高宗が強制的に退位させられるきっかけになったのである。明白なのは、 李儁は自決したのではなく病気で死んだのであり、一行の中でヘルベルトとイサンソル、イウィジュンらは本国に帰らずアメリカに行ったのだ。彼らは高宗から受け取った莫大なカネで新世界を遊覧しながら幸せに生きたと思える。このように客観的な事実が明白なことでも韓国政府と教師たちが歪曲、誇張し教えている理由は、そのように教えなければ学生たちがさらに日本を憎むことにならないからではないだろうか。彼らは日本に対する憎しみを持つように学生たちを洗脳するのが自分たちの使命であり国を愛することだと信じているようだ。
[3. 反日教育に対する日本の対処]
紙面に限りがあるのでいくつかの例のみを挙げ考察してきたが、日本に関連して韓国で事実と異なる教育を受けている事例は数百個を軽く超えて列挙できるほど多い。ほとんどすべてが歪曲されたものであるため事実通りに記述されているところを探し出すのが難しいほどだ。
韓国の反日教育は過去の歴史に対する恣意的な解釈、教科書のあまりにも感情的な文章、そして意図的な数値や資料の捏造に基づいて出来上がっているといえる。例を挙げると、「国史」の教科書を任意に開いた一ページを見てみても「日帝は…韓日新協約を強制的に結んで…司法権と警察権を奪ったあげく…国権まで強奪した。…強奪した日帝は…自由を奪い…独立運動を抹殺しようとし…官吏はほとんど日本人が占め…懐柔する手段に過ぎなかった‥武断植民統治をおこない‥独立運動家をあぶりだして処断‥過酷な植民統治を隠ぺいするために悪辣で狡猾な統治方式…日帝を追い出すまで…民族を離間させ分裂させ‥太平洋戦争を挑発しながら‥植民地収奪を強化‥完全に抹殺しようと‥資源の収奪に狂奔した‥」(国史、P342)。わずか1ページを見てもこのように日本に対する感情的に激高したほとんど罵り(ののしり)に近い表現に満ちている。これがはたして歴史の本なのか。そうでないなら便所の落書きではないかと疑いたくなる。
<次回へつづく> 訳 からけん