日々雑感

豊かな四季の移ろいを記憶にとどめて行きたいと始めたフォトブログです。暫しご笑覧下さい。

斑鳩のぽっくり寺・吉田寺を訪ねて

2012年07月10日 | 古社寺巡方・奈良

 世界遺産・法隆寺の西南に、車で行けば5~6分というところに、

吉田寺(きちでんじ)というお寺があります。

このお寺は別名「ぽっくり寺」といいます。

 「ぽっくり寺」と呼ばれるようになた理由が当寺院前の大きな立て看板に書かれていました。

『本尊の阿弥陀如来座像の前で、念仏を唱えながら祈祷を受けると長く病み患うことなく、

腰・シモ・スソの世話になることなく、延命長寿を保ち最終臨終の時にも、

痛み苦しみなく安らかに阿弥陀如来のお迎えを得られ、極楽往生できるという信仰が』あり、

この信仰から「ぽっくり寺」と呼ばれるようになったそうです。

 この寺院の歴史は古く、寺伝では天智天皇が勅願で建立とし、

平安時代後期の987年に僧・源信が開基したとされています。

天智天皇の勅願された寺院と僧・源信が開いた寺院がどのように結びつくのかよく解りませんが、

いずれにしても奈良時代以前からこの地にあった寺院が営々と受け継がれて今に至っているようです。

 門を潜ると左手に古くて味わいのある築地塀、右手には竹林、木漏れ日が石畳に映える。

静かで、落ち着きのあるお寺、そんな予感を感じさせてくれる、境内へと導く小道です。

 本堂では、毎月10日に行われる「恵心僧都の御命日法要」の真っ最中で、

読経と木魚が心地よくハーモニーし、境内に響いていました。

 

 境内はさほど広くありません。

しかし、民間信仰を色濃く反映したお寺にありがちな賑やかな飾り付けや所狭しと立ち並ぶ堂舎といったものは一切なく、

境内は、隅々まで掃き清められ、木々が良く手入れされていました。

古代日本の1ページを飾った斑鳩の地にある古刹として、凛とした品の良さを守っておられる、と感じました。

 室町時代に建てられたという多宝塔です。多宝塔によくみられるどうだと言わんばかりの出過ぎた存在感がなく、

境内に良く溶け込んでいます。

 境内の中心から少し離れたところにぽつんと小さな祠がありました。

その後方には水田が広がっています。どこか懐かしい風景でした。

 

END


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日香村 岡寺を訪ねて

2012年07月05日 | 古社寺巡方・奈良

先日、西国三十三所第七番札所の厄除寺として有名なお寺、「岡寺」を訪ねました。

岡寺は、奈良県高市郡明日香村の東に位置する岡山の中腹にあります。

正式名称(法号)を龍蓋といい、

7世紀末頃に義淵僧正によって創建された古刹です。

 この仁王門から直ぐに石段があり、これを登り切ったところが境内です。

この日も、霊場巡りの多くの方々が、参拝されていました。

 境内の建物のなかで最も大きく重厚な建物は、本堂で、

江戸時代の文化2年(1805)に上棟され、堂内には当寺院の本尊、

如意輪観音座像が安置されています。

 当寺院の本尊如意輪観音座像は、東大寺 盧舎那仏(大仏)、

長谷寺の十一面観世音菩薩立像とともに日本三大仏に数えられる仏像で、

高さが4.85mもある大仏です。

 上の写真は、本堂の外から垣間見えるお顔を撮らせていただいものです。

ご覧のとおり眼に表現しがたい力を感じさせられる尊像です。

 私は仏像に疎く、よくわかりませんが、長谷寺の十一面観世音菩薩立像とともに、

これから何度でもお参りしたい仏像の一つとなりました。

 

END


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

奈良 矢田寺(アジサイ寺)を訪ねて

2012年06月02日 | 古社寺巡方・奈良

  奈良県郡山市にある矢田寺を訪ねました。

  矢田寺は、寺伝では天武天皇が壬申の乱の勝利を祈願して673年に建立したとされる古刹です。

シーズンともなれば沢山のアジサイが開花、その美しさでも有名なお寺です。

その頃には多くの参拝者で混雑すると聞いておりますので、早めに出かけてきました。

山門です。矢田寺の正式な名称は金剛山寺(こんごうせんじ)。

  

それにしても山門から境内まで延々と続く階段には閉口しました。

この日は曇天。それでも湿度が高いのか急な階段に汗が噴き出します。

その階段を登り切ると本堂へ導くまっすぐな石畳と白壁が現れます。

本堂の前にはまた階段が。

本堂の手前の石垣には運良くアジサイが咲いていました。

矢田寺の本尊は地蔵菩薩です。境内いたるところにお地蔵さんが祀られていますが、

これは有名な「みそなめ地蔵」です。

境内にはアジサイ園があります。その園の一画から甍をバックに撮りました。

END

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

奈良のコスモス寺(般若寺)に行ってきました

2011年10月22日 | 古社寺巡方・奈良

 般若寺は、秋には境内に植えられたコスモスが美しく咲き誇ることでよく知られています。
関西花の寺二十五霊場の17番札所に名を連ねる「花の寺」でもあります。

楼門
 
般若寺は、東大寺転害門の前を走る369号線を北に向かっていくと
奈良坂に差し掛かりますが、この坂を登り切ったところにあります。 

本堂
 
訪ねた日は日頃の行いが最近どうもよくないことが祟ってか雨でした。
それでもご覧の通り大勢の方が参拝にお見えでした。

本堂の前の境内に咲くコスモス

負け惜しみ半分ですが、雨の日にしっとりと咲くコスモスの花も、
また風情があり楽しませてもらいました。

 般若寺の創建は確実な資料が残されておらず詳しいことはわかっていませんが、東大寺正倉院文書などの記録などによると今から1200年前の奈良時代天平期以前には建立され、最盛期には七堂伽藍が備え、そして1000人もの学問僧がここで修行を励んだ奈良時代の有数の名刹であったことはわかっています。

 ところが、般若寺はその後過酷な変遷を辿ることとなります。その原因は般若寺の立地がそうさせたと言っても過言ではありません。

 この詳しいことは下記の私のホームページ「古寺巡訪 気の向くままに」に掲載しておりますので是非ご覧ください。

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする