「花吹雪 こんな終わりを 吉田寺」
山口卓
今月の初旬に取り上げました
「川柳合同句集 飛火野」という句集に掲載されていた句です。
長患いすることなく、出来れば花吹雪の下でぽっくりと逝きたい、
という万人の願いを聞き届けて下さるお寺・吉田寺(きちでんじ)です。
以来、この吉田寺をお参りし私も御利益を授かろうと思っておりましたが、
この夏の余りの暑さにバテバテで、それどころではなくなっておりました。
ところが、幸いなことに昨日今日と一気に秋めいて爽やかな陽気になったのを機会に、
訪ねました。
正門。吉田寺はこじんまりとしたお寺です。
正門から境内までの径は何とも落ち着いた風情に包まれていました。
この径を行くと、いきなり本堂と重文の多宝塔が眼前に広がり、この寺院の由緒の深さを想像させられます。
本堂。
「大和のおおぼとけ」とも呼ばれる丈六の本尊・阿弥陀如来が安置されています。
念願の本堂に上がらせて頂き、ご本尊を拝むことができました。。
多宝塔(室町時代創建)
果たしてこれでぽっくり逝けるかどうか、日頃の行いの危うさを考えると全く自信はありませんが、
出来れば、西行法師が詠まれた句
「 願わくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月の頃 」
に、ぽっくり逝きたいものですな。
奈良県生駒郡斑鳩町小吉田1-1-23
清水山吉田寺
(E-M1)